大会レポート

2023.05.27

DreamHack Japan 2023で見た古式ゆかしいゲーセン文化、「ビートライブ」レポート

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 5月13・14日に、幕張メッセにてゲーミングフェス「DreamHack Japan 2023」が開催されました。音楽ライブ、eスポーツ大会、LANパーティなど、さまざなイベントが目白押しで、一日中、そこかしこでイベントが行われています。まさにゲームのフェスであり、多くのゲームファンが訪れ、楽しんでいました。今回はその中から「ARCADE GAME & DH FIGHTERS」エリア(アーケードエリア)の2日目の様子をレポートします。

大勢の参加者がひしめきあっている『VF5FS』の大会「ビートライブ」


 アーケードエリアは、年代を超えた名機を並べたフリープレイのエリアとアーケードゲームを使ったeスポーツ大会のふたつが展開されていました。eスポーツ大会は初日に『ストリートファイターIII 3rd Strike』、2日目に『バーチャファイター5 Final Showdown(VF5FS)』で行われました。

 まずはアーケードゲームのフリープレイエリアですが、音ゲーを始め、ガンシューティングゲーム、レースゲーム、パーティゲーム、エレメカなど、まさに家庭用ゲームでは体感できないアーケードゲームならではのタイトルが並んでいました。

 いくつかプレーしたところ、個人的に気になったのは『シュータウェイPRO』。子供の頃にボウリング場でプレイしていたのは1977年にリリースした『シュータウェイ』で、今回展示していたのは2018年にリニューアルされたもの。しかし、プレー感覚は当時そのもので、懐かしさを感じつつ楽しめました。

 他にもガンシューティングゲームの『タイムクライシス3』や『ハウスオブザデッド』も展示。いまやシューティングゲームと言うとFPSやTPSを思い浮かべる人もいますが、シューティングと言えばガンシューティングゲームのことを指していた時期もありました。家庭用のテレビが液晶テレビやプラズマテレビ、有機ELテレビに変わってからはデバイス的に使用できなくなり、家庭用としてもめっきり廃れたジャンルとなっているだけに、感慨深いものがあります。

クレー射撃が楽しめる『シュータウェイPRO』。残念ながら子供の頃にプレーしていた筐体ではなくリニューアル版だったが、それでも懐かしさ満点
ガンシューティングは人気で、誰かがいつもプレーしていた
次々に現れるターゲットを撃つ『クイックアンドクラッシュ』。最後のターゲットであるマグカップが粉々に砕かれる演出は、実際に撃った弾が当たった感覚になる


 レースゲームは現在でも家庭用ゲーム機で新作がリリースされるジャンルですが、ハンドルコントローラーやレーシングシートまで完備している人は多くありません。相当マニアでもそこまで揃えている人は少ないのではないでしょうか。それらが気軽に体験できるのもアーケードゲームの良いところ。音ゲーもスマホで楽しめる時代ですが、専用コントローラーで体を使ってプレイするのは専用筐体ならではです。

4人対戦ができる『デイトナUSA 2』
バイクにまたがって操作する『ハーレーダビッドソン キング オブ ザ ロード』
ドッグファイト系のゲームもアーケードの真骨頂。『アフターバーナー クライマックス』


 他にもエアーホッケーや『ワニワニパニック』、対戦型ピンボールの『スーパーパニックボール』などのエレメカも展示しておりました。意外とリメイクした製品が多く、今でも生産していると言うのがちょっと驚きです。

ピンボールの要領で相手にボールを叩き込む『スーパーパニックボール』
音ゲーも充実。やはり『太鼓の達人』は子供に人気

4年ぶりのビートライブカップ

 次はDH FIGHTERSの『VF5FS』の大会「ビートライブカップ」です。ビートライブカップは2012年から開催している老舗大会。今回で18回を数えます。ただ、前回大会が2019年とコロナ禍前の開催で、4年振りの開催となりました。大会は5対5のチーム戦で1本勝負の勝ち抜き戦で行われます。使用するタイトルは先に言った通り『VF5FS』なので、すべてアーケード筐体の対戦台で行われます。

 したがって、すべてオフラインで完結する大会です。125組625名がひとつの会場に集まって対戦します。『バーチャファイター』シリーズの大会と言えばチーム戦のイメージが強く、現在行われている『バーチャファイターeスポーツ』の大会とは佇まいの違いを感じます。

会場には新旧の有名プレイヤーが。バーチャの鉄人である池袋サラ選手
『バーチャファイターeスポーツ』でプロライセンスを取得している赤丹しわぽ選手
『バーチャファイターeスポーツ』の大会でゲスト解説を務めるNOモーション。のふたりも出場


 チーム戦なので、対戦台の周りにはプレイヤー以外にチームメイトがひしめきあっています。仲間のプレイヤーの攻撃が当たる度に「はい、はい、はいはいはい」といったかけ声が出てくるのも古くから知る人には懐かしく、昨今のeスポーツムーブメントから競技シーンを見始めた人には新鮮に感じるのではないでしょうか。

 決勝トーナメントとなるとメインステージに2つのチームが上がり、プレーをしていない人が近くで応援をするというeスポーツイベントでは見ない光景がみられます。ともすれば、対戦するチームメンバー以外の友人、知人までステージ上に居ることもあり、まさにゲーセン文化の混沌とした部分が垣間見えました。実況もeスポーツでは実況解説席が用意され、そこで行われますが、同じステージに立って行われるのもゲーセンの大会の光景です。

ステージ場で実況者が実況をしているのもアーケードの大会の風景
決勝戦は最終戦までもつれ込み、現役最強と呼び声の高いとんちゃん選手(写真右)とレジェンドプレイヤーながら現役で活躍するホームステイアキラ選手(写真左)の対戦に
優勝したヴィラン連合


 こういったゲーセンのゲーム大会は参加する選手やコミュニティにしか知られない存在ですが、今回の大会で多くの人に知って貰えたと感じます。個人的にはDreamHackの中でもトップクラスの盛り上がりを見せていた印象です。他の目的でDreamHackに来場した人の興味も多いに引くことができ、その存在を知らしめられたのではないでしょうか。

 古きものがすべて良きものではないですが、イベントとしてきっちりした運営の元に行うものとは違い、カオスな空間で行われる大会を良しとする層がいることを改めて感じました。この空間を残すためにも、アーケードゲームの存続が必要であるのかも知れません。(ライター・岡安 学)

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■外部リンク

DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA
https://www.dreamhackjapan.com/

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