大会レポート
2023.12.09
eスポーツ実況の頂点の頂点に立つのは?第3回 全日本eスポーツ実況王決定戦が開幕!大会レポート
- 大会/イベント
群馬県は、12月9日10時から、全日本eスポーツ実況王決定戦の決勝大会を開幕しました。今年(2023年)で3回目となったeスポーツ実況の頂点を決める戦い。今年も8人のファイナリストが会場のGメッセ群馬に集結。その模様を取材しました。大会MCは二代目実況王のわんずさん、初代実況王のsyouryuさんの2人。アンバサダーを務めるのは、声優e-Sports部の髙橋麻里(@takahashimari15)さん。審査員は、eスポーツキャスターのトンピ?さん(@tonpiava)、放送作家の岐部昌幸さん(@masa838861)、フリーアナウンサーの内田敦子さん(@atsuko_uchida_)、Vtuberの雅ゆんさん(@MiyabiYun0324)の4人。審査員長は岸大河さん(@StanSmith_jp)です。
今回の実況タイトルはVALORANT。「戦況やバックボーンの表現力」「状況判断力」「ゲーム理解度」「視聴者に熱を伝えられているか」「聞き取りやすさ・分かりやすさ」の5つを総合的に審査し、1人50点方式で採点します。決勝戦は観客も採点に参加します。ファイナリストはGORIXさん(@0084seiGO)、長谷川優貴さん(@YuukiGames27)、ふみえるさん(@Fumiell_458)、Doctorさん(@doctor_arakawa)、菅野直道さん(@naokanno_)、逢沢光明さん(@Mitsuaki_Real)、西井綾音さん(@atata_dayo)、さくやきんさん(@4y_u)の8人。試合形式は1VS1のトーナメント。同じ動画を先攻後攻で実況していき、採点結果で勝敗を決定します。準々決勝を4回行い、ファイナリストを半分に絞り、準決勝、決勝戦を行い実況王を決定します。
準々決勝
第1試合 先攻 Doctor選手 VS 後攻 西井綾音選手
準決勝第一試合はDoctor選手VS西井綾音選手。初回からフルスロットルの選考Doctor選手と冷静に状況を伝える西井綾音選手が激突。点数はDoctor選手が208点、西井選手が187点でDoctor選手が勝利。「初めから全開でいきました。まだこの舞台で実況ができるのがうれしい」とDoctor選手が喜びを噛みしめました。
第2試合 先攻 GORIX選手 VS 後攻 菅野直道選手
第2試合は、先攻GORIX選手、後攻菅野直道選手でスタート。GORIX選手についてMCのわんずさんは「パワーですね!」と実況のアツさを表現。対する菅野選手は、冷静ながらもわかりやすく丁寧な言葉のチョイスが目立ちました。GORIX選手が199点、菅野選手が201点で菅野選手が準決勝進出です。菅野選手は昨年も出場しており「初めて勝てました!」と大会会場での初勝利を喜びました。
第3試合 先攻 ふみえる選手 VS 後攻 逢沢光明選手
第3試合は先攻ふみえる選手、後攻逢沢光明選手。syouryuさんは「次第に緊張がほぐれ、身体全体で表現する姿が印象的でした」と先攻のふみえる選手についてコメント。一方後攻の逢沢選手は「思ったよりも早く動画が終わってしまい、プラン通りにできなかったかもしれない」と反省。わんずさんは「それにしては、きれいにまとめられていましたね」と返しました。トンピ?さんは「対照的な二人の実況は面白かったですね」とコメント。採点の結果、203点 対 186点でふみえる選手が勝利しました。
第4試合 先攻 さくやきん選手 VS 後攻 長谷川優貴選手
準々決勝最後のカードはさくやきん選手 VS 長谷川優貴選手。お題の動画は、まさかのタイムアウトが入る難しい展開に。さらに動画は新マップのサンセット。先攻のさくやきん選手はタイムアウトに戸惑うも、しっかり対応し、冷静に実況をやり切りました。長谷川選手の実況は、見どころがわかりやすい抑揚の利いたスタイルを展開。結果は203 対 218点で長谷川選手の勝利。長谷川選手は「80点くらいの出来。自分のイメージより高く採点してもらった」とコメントしました。
準決勝第1試合 先攻 Doctor選手 VS 後攻 菅野直道選手
準決勝第1試合は、先攻 Doctor選手 VS 後攻 菅野直道選手。
初戦に引き続き、Doctor選手は、熱量あふれる実況スタイルを貫く。一方で菅野選手も状況を分析しながら難しい局面でも冷静に対応しました。
試合後、菅野選手は「初めての準決勝実況。何度もやると疲れるんですね結構。お昼のご飯の量が少なかったかな?」とお茶目な一面ものぞかせました。雅ゆんさんは「Doctor選手は、心臓が飛び出るくらい、自分がプレーを共にしているという感覚を味合わせてくれた」とコメント。内田さんは「どちらも落ち着いていて聞きやすかった」と両者を評価しました。
結果は、197 対 193でDoctorさんが勝利。決勝への切符を手にしました。岸さんは「試合の内容が非常に難しかった。これを即座に実況するのは至難の業でしょう」と題材の難しさを指摘。選手の評価では「菅野さんは焦りが出ていた。煮詰まった状況を感じた。聞き取りやすさは流石です。一方ドクター選手は準決勝で緊張をされていたかもしれないが、持ち前の発声力を武器にしていた。もう少し状況を見てやってみるともっと良くなる」と総評しました。Doctorさんは「夢見てきたことなので、決勝でも勝ちたいです」と決勝への意気込みを語りました。
準決勝第2試合 先攻 ふみえる選手 VS 後攻 長谷川優貴選手
準決勝第2試合は、ふみえる選手 VS 長谷川優貴選手。
先行のふみえる選手はパンチの利いた声で魂の叫びとも言える実況を展開。
長谷川選手も終盤のデュエリストの連続撃破の場面では、負けじと声を張り上げました。
試合後、岸さんは「一部見逃している部分もあったが、それでも、コミュニティ大会を盛り立てている二人は本当にレベル高いなと素直に思いました」とコメントしました。
採点の結果。196 対 214で長谷川選手が決勝進出を決めました。トンピ?さんは「レベルが高くて難しかったです。ふみえる選手は1+1=3億点っていう熱さを感じた。一方で長谷川さんは1+1=2をわかりやすく説明するという感じ。しかも点差や全体の状況を説明するなど余裕もありました」と総評しました。
決勝戦 先攻Doctor選手 VS 後攻 長谷川優貴選手
いよいよ決勝戦。先攻はDoctor選手で後攻は長谷川優貴選手。わんずさんが「どっちが勝ってもおかしくないな」とつぶやくほどのハイレベルな戦いとなりました。
試合後Doctorさんは「楽しかったです」と素直に今の気持ちも表現。長谷川選手は「完全に決勝の舞台に飲み込まれたのですが、その中でもしっかりと実況できたかなと思います。」と振り返りました。
採点の場面。決勝戦では会場の観客の点数も加点されるシステムになっています。実際に観客に札を上げてもらうと、先攻、後攻の票数は拮抗。勝敗を分ける採点は、審査員たちにゆだねられることになりました。
審査にも少し時間がかかりました。採点の結果は213 対 206。先攻のDoctor選手が3代目の実況王の称号を手にしました。
トンピ?さんは題材動画の最後、勝敗が決した場面の両者の違いあげます。「Doctor選手は悲願の優勝という言葉を使って、最後の部分で抜かりなかった。長谷川さんは少し固まってしまい間が生まれてしまいました」とコメント
岐部さんは「Doctor選手は、最初の試合というプレッシャーのかかる部分でしっかりと自分のスタイルを貫いた。そこから大会の中で尻上がりに調子を上げてきた」と分析しました。
最後に岸さんは「決勝戦ってすごく緊張のある舞台。動画の中でワイヤーが仕掛けられているのを突破する場面がありましたが、それを壊した時にスピード感を表すためにここで『行かなきゃいけない!行かなきゃいけない!』とDoctor選手は、みている人がわくわくする実況をしてくれた。長谷川選手は準決勝の出来が良かっただけに、緊張してしまったのが伝わってきました。それでもポテンシャルは非常に高いものがあるので今後も頑張ってほしいと思います」と両者を称え締めくくりました。
優勝したDoctor選手はコメントを求められ、一言「実況王になったぞ!!!」と雄たけびを上げました。
表彰式 3代目の実況王に輝いたのは Doctor選手!オンライン部門優勝はMantaWay選手
表彰式は、先ほどの一般部門の前に、提出された動画を審査し、優勝者を決定するオンライン部門の表彰を実施。応募総数19人の中からMantaWay選手が優勝を勝ち取りました。MantaWay選手の実況付き動画は、同大会公式サイトやYouTubeチャンネル「tsulunos~群馬県公式~」で公開されます。
岸さんは「今回のオンライン部門は、いろいろな方が応募してくれた。VALORANTらしい表現が目立ったのはMantaWayさん。そしてフラクチャーというマップの知識もしっかり表現できた。あとはオンライン部門らしいゆるい雰囲気も面白かったです」と総評しました。
次に一般部門の表彰。準優勝の長谷川選手には準優勝トロフィーと表彰状が授与されました。副賞のヘッドマッサージャーと、ゲーミングヘッドセットが贈られました。
実況王となったDoctor選手にはゲーミングノートPCとヘッドセットを贈呈。さらにこのあと行われるエキシビションマッチで岸さんと一緒に実況する権利を手にしました。さらに翌日のU19eスポーツ選手権2023での実況も担当することになりました。エキシビションマッチには、来場者7人と、声優eスポーツ部の桜咲千依さん(@ousakichiyo)、わんずさん(@ones_hbp1216)、さらにU19eスポーツ選手権のゲストyueさん(@64xk)がチームを組み行われました。
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