解説
2023.08.04
話題の「TRPG(テーブルトークRPG)」とは?魅力や始め方などを紹介!
- 解説
TRPGは、テーブルゲームについて調べているとよく目にする言葉です。PCゲームを嗜んでいる人なら聞き覚えがあるのではないでしょうか。複数人でプレーできるロールプレイングゲームで、ゲーム機器がなくても楽しめます。
今回は、TRPGがどういったゲームなのか詳しく解説します。
TRPG(テーブルトークRPG)とは?
TRPGは「テーブル・トーク・ロール・プレイング・ゲーム」の略称です。ボードゲームの一種で、会話をしながら楽しめるRPGとなります。
ゲームを始める際、参加者はゲームマスター(GM)とプレイヤー(PL)の決定が必要です。参加者の1人がゲームマスターとなり、その他の参加者がプレイヤーとなり、ルールブックと呼ばれる様々な題材をもとに、協力してプレーします。
「テーブルトーク」RPGなので、ゲームの中でゲームマスターやプレイヤー同士での会話が欠かせません。プレイヤーによって結末が異なるため、どんな物語になるのか最後までわからないところが魅力です。
TRPG(テーブルトークRPG)の歴史
TRPGは本来、テーブルゲームとして行われた「役になりきる遊び方」が主流でした。現在のゲームジャンルの1つ、RPGの礎を築いたとされ、特に1974年に登場した「ダンジョンズ&ドラゴンズ」がそのきっかけになったといわれています。
日本には1980年代前半に普及し、コンピューターゲームが広がった現在ではさまざまなRPGの誕生に影響を与えたとされるのがTRPGの大まかな歴史です。
また、RPGが普及した後も「ロードス島戦記」などのヒットをきっかけに日本で生まれたTRPG「ソードワールドRPG」などが発売されました。
その後も日本での普及に伴い、ルールブックが書店の文庫で購入できるようになったことから、手軽に遊べるボードゲームとして現在もファンの間で親しまれています。
TRPGとリプレイ
リプレイとは、TRPGを実際にプレーし、経緯を何かしらの媒体に記録したものです。TRPGは、ゲームを遊んだ後に「リプレイを振り返って楽しむ」というユニークな一面があります。
例えば、日本では「ロードス島戦記」のような、プレー内容を実況形式で追記したものが一般的です。個人レベルのTRPGでも、楽しかったゲームセッションを記録して、一緒にプレーした人とその時の思い出を共有することがあります。
TRPGを始めるのに必要なもの
実際にプレーするとなると何を準備すれば良いのでしょうか。TRPGを始める際に、主に以下のようなものが必要となります。
・プレイヤー
・ルールブック
・ダイス
・筆記用具・目隠し
・PC(オンラインセッションの場合)
それぞれの内容を詳しく解説します。
プレイヤー
TRPGを始めるにはプレイヤーが必要不可欠です。1人がゲームマスター(GM)、他の参加者がプレイヤー(PL)として参加します。
プレイヤーの人数は、GMが管理できるのであれば制限がありません。もちろん、1人よりも複数人でプレーしたほうが盛り上がります。ただし、プレイヤー1人でも楽しめるルールブックもあるため、人数が少ないからといって特に気にする必要はありません。
また、現在はオンラインセッションが中心となっているため、SNSでは頻繁に参加者を募集しています。人数集めもこれまでと違って容易になってきたといえるでしょう。
ルールブック
ルールブックには、下記のように様々なタイプがあります。基本的に、ルールブックがなければ、TRPGはプレーできません。
・ボックスタイプ
・ムックタイプ
・文庫
しかしゲームマスターや他のプレイヤーがルールを理解していたり、滞りなく進行できるとゲームマスターが判断したりした場合はルールブックがなくても問題はありません。ただ、スムーズにゲームを進行するために、原則として各プレイヤーそれぞれ1冊ずつのルールブック購入をおすすめします。
もし、TRPG初心者の方でルールブック選びに悩んでいる場合は、お試し期間だけ無料でダウンロードできるルールブックもあるので、その中から選んでみましょう。一度試してみて、これからもプレーしたいと感じた場合はルールブックの購入も検討してみましょう。
ダイス
TRPGでは、ダイス(サイコロ)を使ってゲーム内で遭遇するイベントや戦闘などの成否を決めます。ランダム性で決まる結果を楽しむのがTRPGの醍醐味であるため、ダイスは必要不可欠です。
用意するダイスの数は、基本的にプレーするルールブックに指定されているため、選んだルールブックで必要な数を確認しましょう。現在はダイスロールができるサイト・アプリなども登場しているため、それらを代用しても問題ありません。
筆記用具・目隠し
TRPGでは、キャラクターシートにメモを残してもOKです。鉛筆やシャープペンシルなどの筆記用具を用意しておきましょう。
オンラインセッションのTRPGでは、デジタルのキャラクターシートを用いることも可能です。ダイスを振りながら成否やパラメーターなどを記入し、結末までの過程をたどるのもTRPGの楽しみの一つです。
また、プレーするルールブックによっては目隠しした方がよい場面もあります。ゲームマスターの手元を隠せる簡易的なパーテーションがあると便利です。ルールブックで必要なものを確認してそろえてください。
PC(オンラインセッションの場合)
コロナウイルスの影響もあり、オンラインセッションでのTRPGも主流となってきました。もし、オンラインでTRPGをプレーする場合はPCが必要です。
用意するPCは、ノートPC・デスクトップPCのどちらでも問題ありません。ただし、通話してプレーするにはヘッドセットなどが必要となります。ボイスチャットを使うこともあるので、家族や隣人に迷惑をかけないよう気をつけましょう。
またPDFでルールブックを所持できる場合は、PCでルールをすぐに検索できて便利なのでおすすめです。
TRPG初プレーにおすすめのルールブック
TRPGを初めてプレーする方におすすめのルールブックは、全部で3つあります。
・クトゥルフ神話TRPG
・ソードワールド2.5
・ダブルクロス3rd
それぞれのルールブックについて詳しく解説します。
クトゥルフ神話TRPG
TRPGの中でもクトゥルフ神話TRPGは、日本でもかなりの人気を誇ります。その名の通り、クトゥルフ神話の世界を舞台にしているのが特徴です。
プレイヤーは、探索者として神秘的で幻想的かつホラーな一面をもつ世界に挑みます。クトゥルフ神話の設定を体現化した世界観を深く感じられるのが、クトゥルフ神話TRPGの魅力です。
また、サンプル版である「新クトゥルフ神話TRPG クイックスタート・ルール」は公式サイトから無料でダウンロードできます。クトゥルフ神話の舞台をTRPGで気軽に楽しみたい方は、ぜひ確認してみてください。
ソードワールド2.5
ソードワールド2.5は、ソードワールド2.0に大幅なアップデートを加えたTRPGです。クトゥルフ神話TRPGに次いで遊ばれる、人気の高いルールブックです。
ソードワールドの世界観は王道のファンタジーで、プレイヤーは剣と魔法を駆使して世界を旅します。幻想的な世界を冒険者として旅するもよし、英雄を目指すのもよしで自由度が非常に高いのが魅力です。
また、登場する種族も人間だけではありません。エルフやドワーフなどファンタジーの世界ならではのキャラクターも作成できます。
ソードワールド2.5ではこれまでの世界観を保ったままデータ・ルールを新たにブラッシュアップし、より遊びやすく改訂されているため、これからTRPGを始める方でも問題なく楽しめるルールブックといえます。
ダブルクロス3rd
ダブルクロス3rdは、富士見ドラゴンブックから連載されているルールブックです。ダブルクロスシリーズの第3版となります。
ダブルクロスは、現代世界と同じような世界観の近未来が舞台です。何気ない日常を送る人々が「レネゲイドウイルス」と呼ばれるウイルスに浸食され、超常能力に目覚めます。
プレイヤーは、未知のウイルス「レネゲイド」の影響で得た超常能力を駆使して戦うといったストーリーです。ダブルクロス3rdに関しては、ルールやワールドが整理され、判定などを含んだ基本ルールや選びやすい特殊能力が掲載されています。
また、これまでのダブルクロスシリーズになかった新ルールが搭載され、より楽しめるようになっているのが特徴です。異世界や近未来といった世界観が好きな方におすすめの1冊といえます。
TRPGを始めるにあたって大事な心構え
TRPGを始めるにあたって大事な心構えは、以下の4つです。
・参加者はいるか
・遊べる環境はあるか
・しっかり遊べる時間を確保できるか
・ロールプレイに没頭できるか
どれもTRPGを始めるうえで大切なので、詳しく見ていきましょう。
参加者はいるか
TRPGをプレーするには、参加者を集めなければなりません。
・進行を管理するゲームマスター
・物語を演じるプレイヤー
上記の2役が必要です。遊ぶルールブックなどで募集人数などは異なりますが、現在はSNSでの参加者募集も頻繁に行われているため、集める難易度はそれほど高くありません。
オンラインセッションも普及しているため、時間を調整しつつ、遊びたいと思ったタイミングで気軽に募集をかけていきましょう。
遊べる環境はあるか
TRPGで遊ぶ場合、セッションする場所が必要です。場所は、参加者がどのような遊び方をするかで異なりますが、候補がいくつか挙げられます。
・個人宅
・カラオケ
・ボードゲームカフェ
・PC(オンラインセッションの場合)
TRPGは、声を発して遊ぶゲームなのでプレーする場所もよく考える必要があります。大きめのテーブルや声を出せる環境といった条件が求められるため、遊ぶ場所は比較的限られます。
現在は、ボードゲームカフェやオンラインセッションなどが登場しているため、自宅で遊んだり目的に適した環境が用意されたりしています。
しっかり遊べる時間を確保できるか
TRPGは、1回のセッションでも2?4時間ほどかかります。環境やシナリオの長さで異なりますが、遊ぶ際は時間を十分に確保しておきましょう。
特に、オンラインセッションの中でもテキストセッションで遊ぶ場合、文字入力をしなければならないため、普通に遊ぶよりも長い時間がかかります。セッションが長い場合は、いったん中断して日にちを分けることもあるため、スケジュール調整も必要です。TRPGで遊ぶなら、まずは十分な時間がとれるかどうか確認することから始めましょう。
ロールプレイに没頭できるか
TRPGは、ゲーム機器を用いて遊ぶものではありません。プレイヤー同士の会話の中からルールブックの世界観を楽しむテーブルゲームです。
そのため、セッションの中で繰り広げられるロールプレイ(最初に自分が選んだキャラクター…種族や性別、性格になりきる)にどれだけ没頭できるかも重要な要素といえます。慣れないうちは恥ずかしさもあるかもしれませんが、積極的にセッションを楽しむ姿勢とシナリオを楽しむ気持ちが何より大切です。
ゲームマスターの発言を無視したり、恥ずかしさから自分勝手に振舞ったりするのはよくありません。せっかくのセッションが台無しになってしまうので、ルールに従ったうえで、TRPGの世界観を楽しみましょう。
TRPGとゲームの関係性
現在、ゲーム機器で遊べるゲームのジャンルに「RPG」があります。ロール・プレイング・ゲームの略称で、さまざまなタイトルのゲームが登場していますが、TRPGとはどのような関係性があるのでしょうか。
ここでは、TRPGとゲームの関係性について詳しく解説します。
TRPGはロールプレイングゲームの祖
TRPGの歴史で解説したように、TRPGは現在一大ジャンルとして確立されたロールプレイングゲームの祖と呼べる存在です。TRPGにおけるゲームマスターの存在をコンピューターに肩代わりさせ、1人でも遊べるようにしたのがゲームで遊ぶRPGとなります。
そのため、TRPGとRPGは関連性があまりないように見えますが、歴史をたどると密接した関係があるのが特徴です。さまざまなジャンルのRPG・TRPGが登場しているため、それぞれをプレーしながら各ゲームの世界観を楽しんでください。
現在では「あえてTRPG風に寄せている最新ゲーム」もある
現在発売されているゲームの中には、あえてTRPG風に寄せているものもあります。例えばスクウェア・エニックス(開発エイリム)の「Voice of Cardsシリーズ」がその1つです。
「Voice of Cards」は、ゲームマスターと会話しながら卓上でカードゲームに興じているような世界観を楽しめます。冒険の途中でイベントに遭遇したり、ダイスの目でバトルの勝敗を分けたりなどTRPGの楽しみをゲームでも味わえるのが特徴です。
複数の作品が登場していますが、直接的なつながりはないため、どの作品から始めても問題ありません。TRPGのような世界観を楽しんでみましょう。
ゲームユーザーと親和性が高く、知っておくと遊べる機会が増える
TRPGは、ゲームユーザーと親和性が高い傾向です。そのためTRPGを知っておくと、ふとした機会に遊ぶタイミングも増えていくかもしれません。
例えばグループで1つのゲームを遊んでいる場合、気分転換としてTRPGを遊んでみても良いでしょう。
普段とは違った感覚で仲間とゲームを楽しめるので、今まで以上に交流を深められるはずです。もし、複数人で遊ぶゲームを探している場合は、TRPGを1つの候補として検討してみてください。
【まとめ】TRPGを知って趣味を広げよう!
現在、TRPGはオンラインセッションの普及で人数を集めやすい傾向にあります。初心者でも遊びやすいルールブックもいくつか用意されています。
TRPGをプレーして趣味を広げ、交友関係を深めてゲームライフを豊かにしましょう。
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