解説
2023.09.29
ゲームにおける「カンスト(カウンターストップ)」とは?意味や使い方を解説!
- 解説
「カンスト(カウンターストップ)」という言葉は主にゲーム用語として使用されますが、近年は「これ以上ない」といった意味でも日常的に利用されることが増えています。
このコラムでは、特にゲームに関連する「カンスト」という言葉の意味や概念を、くわしく解説していきます。
ゲームにおける「カンスト(カウンターストップ)」とは
「カンスト」とは、カウンターストップの略語です。ゲームに関連して使われることが多く、スコアやレベルが上限に達した状態を示します。
ゲームの歴史をさかのぼると、カウンターストップという言葉は、1980年代にはすでに使用されていたと言われています。このころにはスコア表示桁数の上限が設定されているゲームが多く、それはゲームを作っている側が想定するプレイの上限でもありました。そして、仮にその上限を超えた場合、それ以上の桁数は表示できないのでゼロに戻って再度カウントを上げていくという手法が取られることが一般的でした。
例えば、スコア表示が4桁しかできない場合、「9,999」が表示上の限界なので、それを超えたら「0,000」から再度カウントを積み上げていくといった方式です。
このように、スコアなどの表示限界がある場合に、上限を超えたときにゼロから表示しなおすことを「オーバーフロー」と言います。カンストと似たような意味なので間違えないよう注意しましょう。
このオーバーフローが採用される中、ゲームセンターでハイスコアを競う文化が生まれたことで、表示が0に戻るとハイスコアが表示されないという問題が起きます。それを踏まえてカウントをゼロに戻さず、表示桁数の上限まで「9」が並ぶ数値で止めたのがカンストです。
カンストは単に表示の上限を示すだけではなく、プレイヤーたちが目指す最高得点でもありました。それ以上が存在しない最高のスコアを出すことは、ゲーマーにとって大きな名誉となっていたのです。
実際に1980年代に存在した「B-ウイング」というアーケードゲームでは、全ステージをクリアしたときにスコアが「9,999,999」とカンスト表示される仕組みがありました。このことから、カンストは単なる表示ではなく、ゲーマーの栄誉を称えるものだったことが伺えます。
ただし、カンストは高いスコアを出したとき以外にも起こることがありました。それについては、「カンストを引き起こす要因」で詳しく解説します。
近年は当時のような表示上の限界はほとんどないですが、カンストという言葉は今も使われています。例えばキャラクターの育成上限が100と設定されている場合、それ以上そのパラメーターの数値は上がらず、HPや戦闘力などもそこで停止することが一般的です。この場合、前述の100がカンストということになります。
カンストが起こる要因
ここからはカンストに至る要因を紹介します。
純粋なやりこみ
純粋にゲームをやり込んでいったうえでカンストに到達するというのがごく一般的な事例です。カンストは、ゲーマーにとって、ゲームを深くやり込んだ先にある最高到達点のようなもの。それはスコアであっても、育成値であっても、ゲームをプレイする上での目標となる重要な数値です。
裏技(バグ技)の使用
過去のゲームではメモリ容量の都合などで、特定の操作をした際にバグとしてカンストが出現することがありました。その手順が明確な場合、ユーザーの間で情報が広がり、「裏技」として利用されていた事例が複数存在します。
永久パターンの発見
過去にはゲームオーバーにならない「永久パターン」が存在するゲームもありました。永久パターンは特定の攻め方で起こることが多いので、「型にはめる」という意味から「ハメ技」と呼ばれることもあります。
永久パターンさえ見つけられれば負けることはなく、ゲームは終わりません。そのため永久パターンに持ち込める技能があれば、カンストに到達できるケースがありました。
ただし、ゲームセンターではゲームが終わらないと商売になりません。そのため、永久パターンが発見されてカンストできることが判明したゲーム筐体は、店側が把握した時点で撤去されていたようです。
ゲームジャンル別カンスト要素
この項目では、「カンスト」として扱われる事が多い数値的要素をジャンル別に紹介します。
STG(シューティング)
STG(シューティング)におけるカンスト要素は、前述の通りスコアがメインです。
STG関連で「カンスト」の話をする場合、話題に上がりやすいタイトルとして「ゼビウス」が知られています。「ゼビウス」は1983年にナムコから、アーケードゲームとしてリリースされました。ゲームとしての面白さで人気があったゼビウスですが、当時のゲーマーはいかに「カンスト」に到達するかで競っていました。
その当時はスコアの表示上限を超えると表示がゼロに戻るゲームが多かったので、「9」が並んだ状態でカウントストップするゼビウスのスコア表示は珍しく、価値も高かったのです。
RPG
RPGでは、キャラクターの育成値や敵に与えるダメージ、ゲーム内通貨などでそれ以上増やせないという意味の「カンスト」があります。
例えば、2022年にリリースされた「ポケットモンスター スカーレット/バイオレット」ではお金の上限が999万9999円となっており、それ以上貯めることはできないので、そこでカンストが起こります。
また、特定のゲームでは与えるダメージの上限が「9,999」で、パッと見たときはこれがカンストに該当するかと思いきや、「ダメージ限界突破」などのスキルを取得すれば上限が「9,999」から「99,999(本当のカンスト)」になることもあります。
その他ジャンル
シューティングやRPG以外でカンスト要素があるジャンルと言えば、レーシングゲームやパズルアクションゲームなど、スコアやダメージを競うものがあります。
また、育成要素があるゲームならキャラのレベルやHP、攻撃力の値などにカンストが設定されている場合が多いです。
【まとめ】憧れだったカンストは現在でもある意味で最高到達点
「カンスト」はハイスコアを競う猛者ゲーマーにとっての憧れでした。今でも育成や与ダメージの最大値として活用されている言葉なので、「目標」として機能していることは間違いありません。ジャンルによって意味合いが異なる点はありますが、概念を知っているとゲームを今まで以上に楽しむきっかけを作れるはずです。
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