インタビュー

2025.04.23

慣れ親しんだeスポーツで地元に恩返し 千葉市eスポーツ協会が描く「地域×eスポーツ」のかたち

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 【「地域×eスポーツ」の最前線(3)千葉市eスポーツ協会】地域活性化やにぎわい創出などを目的に、全国各地で広がる「eスポーツの活用」に焦点を当てる「『地域×eスポーツ』の最前線」。第3回は、千葉県の千葉市eスポーツ協会の活動について代表の鈴木勝さんに立ち上げの経緯や展望を聞いた。

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千葉市eスポーツ協会 代表の鈴木勝さん


──立ち上げの経緯は。

鈴木さん(以下敬称略) 立ち上げたのは2024年5月です。元々、友人とPUBG MOBILEをよく遊んでいました。その友人と佐倉市eスポーツ連盟を立ち上げ、私はサポートという立場で団体を運営してきました。そこから独立した形になります。

──なぜ独立を。

鈴木 もう少し自分の思い描く活動をしてみたかった、というのが大きいです。サポートという形だと、どうしても目指す方向に少しずつ違いが出てくる事もあり、自分の軸をしっかり持って取り組んでみたいと考えるようになりました。

──千葉市を選んだ理由は。

鈴木 千葉市は私の地元なんです。だから慣れ親しんだeスポーツで何か恩返しができないかなと思ったんです。私も不登校を経験しましたが、ぷよぷよのおかげで他の人と触れ合う機会ができ、立ち直れました。

 今ではほとんどの児童生徒がゲームを遊んでいるでしょう。そしてオンライン環境も普及したことで、対戦方法も変化してきました。ただ、学校に通えない人にオフラインのイベントの良さを知って、社会進出してもらいたい。そんなことを考えています。

人物写真
本職の傍らボランティアで活動している鈴木さん本職の方では高校生や学生と関わる機会が多く、家庭環境などに悩む姿を見かけることも多いという


──活動メンバーについて。

鈴木 現状は私一人です(笑)。あとは、eスポーツ任意団体のASTRAISさん、地方創生をテーマに活動するRegion Gamingさんとパートナーシップを結ばせていただきました。

──活動内容について。

鈴木 佐倉市eスポーツ連盟での活動を含め、これまで月一回のPUBG MOBILEのオンライン大会を開いてきました。ただ、オンラインだと中々交流機会を増やせない。

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オンライン大会を定期開催


鈴木 そこで、3月にはRegion Gamingさんがサプラスクエア(茨城県龍ヶ崎市)で開いたぷよぷよeスポーツ体験会のお手伝いをさせていただきました。また、稲毛区のコミュニティセンターで高齢者向けにぷよぷよの体験会を開いている団体がいらっしゃって、そちらにもお邪魔しました。私自身でイベントを開くために、さまざまなところに見学やサポートに入っているところです。

 ほかには、県内eスポーツ団体のDiscordサーバーに参加させていただいています。千葉県eスポーツ連盟さん、柏の葉eスポーツ研究会さん、EYE・ONさんなど、県内には精力的に活動されている団体が多く、月1回の座談会を開き情報交換なども活発に行っています。今では、全国各地のeスポーツ団体もこのサーバーにご参加いただいています。

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──今後の展望は。

鈴木 若い世代のために活動している人たちって、たくさんいらっしゃると思うんですよ。インフルエンサーというとすごく大げさなんですが、支援に取り組む人たちの活動を広く世の中に伝えて、応援できる立場になりたいと思っています。

 家や学校も居場所ではありますが、それ以外にも第三の居場所が人にはあります。例えば、千葉市には「教育センター教育相談班」というセクションがあり、児童生徒の支援を行い居場所づくりをサポートしています。当時は教育相談指導教室という取り組みで、実は私もよくお世話になっていました。

 そうした第三の居場所や支援団体、そして将来につなげる、その一歩を踏み出すものとしてeスポーツやゲームがうまく活用できるのではないかと考えています。

 そのためにもまずは、公的団体や教育団体などからも後援いただけるような活動を展開していきたいですね。

──ありがとうございました!

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外部リンク

千葉市eスポーツ協会 X公式
https://x.com/chibashi_spo

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