インタビュー

2025.04.30

「人生の半分は格ゲーでできている」マイナビeカレ スト6初代王者 日本大学 3人が出場の経緯や優勝後の反響を振り返る 格ゲーで得られたものとは?

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 3月26日にオンラインで行われた「マイナビeカレ ~esports全国大学選手権~ STREET FIGHTER 6」で初代王者に輝いた日本大学。チーム結成の経緯や優勝後の反響など、チームメンバー3人に話を聞いてみた。

(取材・文・写真/寺澤 克)(取材日:2025年4月15日)

選手写真
左からレスリングは無敵だ選手、タンタンメン選手、寝ることは大事選手


 チームメンバーは、タンタンメン選手、寝ることは大事選手(寝ること選手)、レスリングは無敵だ選手(レスリング選手)の3人。タンタンメン選手はクラシックのジェイミー使いでランクはレジェンド、寝ること選手はモダンのルーク使いでこちらもレジェンド。レスリング選手は大会に合わせて短期間でクラシックのザンギエフでマスターランク(いずれも大会出場時)に到達している。彼らは同じキャンパスに通っており、チーム結成のきっかけは寝ること選手にあったという。

最初は高校が同じ二人で 偶然同じクラスに強い人がいたので誘ってみたのが始まり 実はオンライン大会で拳を交えていた

選手写真
寝ることは大事選手


──チーム結成の経緯は。

寝ること選手(以下敬称略) 元々僕が出場したくて、高校が一緒だったレスリング君を誘いました。

レスリング選手(以下敬称略) それであと一人、どうしようかなと思った時に同じクラスに「そういえばスト6強い人いるな」と思って僕がタンタンメン君に声をかけました。

タンタンメン選手(以下敬称略) レスリング君はクラスでも席が近かったこともあり、よく話をする仲でした。元々、格ゲーを遊ぶ大学の知り合いもそんなにいないし、3人必要ってことだったから、マイナビeカレ出場は考えていませんでした。ただ、誘われたので渡りに船ということで出場を決めました。

 ちなみに、寝ること君とは学科も違って、何なら今回初めてリアルで対面したんですが…、第一回ハイタニ登竜門の第一試合で当たったことがあります。もう、マジでびっくりした(笑)。

寝ること そのトーナメント表見た時は、「最悪だ」と思いました(笑)。強いことは知っていたので。それで、負けちゃいました。

タンタンメン 「寝ることは大事」なんてプレイヤーネームもかなり印象的だったから、僕もよく覚えていたんですよ(笑)。

優勝後はSNSでも反響あり 3人がリアルで対面するのは初めて

選手写真
レスリングは無敵だ選手


──優勝後の反響などは。

寝ること 大会優勝できてすごくうれしかった、その余韻だけで十分ですが、学内の新聞で取材を受ける機会はありましたね。

レスリング 僕は反響みたいなものはそこまでなかったけど、賞金はうれしかった(笑)。しっかりヘッドセット買い替えたり、デスク周りのグッズを揃えるのに使いました。

タンタンメン 僕は、優勝直後に昔の友達からメッセージを貰ったり、SNSでは、予想以上に多くの人からお祝いの言葉をいただきました。タイムラインで動画が流れていたから、思った以上の反響があってびっくりしています。

──大会に向けた練習などは。

タンタンメン 実は3人で集まったのは、今回が初めてなんですよ。だから基本的に個別に練習という感じですね。

寝ること 僕とレスリング君はプライベートでちょっと遊ぶレベルです。

レスリング そうそう、それぐらいしかないですね。チームでは1度も練習してない。

タンタンメン ただ、対戦会で仲良くなったSETOUCHI SPARKSのポンギエフさんって方がいらっしゃって。レジェンドのザンギエフ使いなんですが、本番直前にレスリング君のコーチングをしてもらったことはありました。

ストリーマー、兄弟の影響 格ゲー始めるきっかけはそれぞれ 愛用デバイスは3人ともゲームパッド 参考にしているプレイヤーは?

選手写真
タンタンメン選手


──格ゲーを始めたきっかけは。

寝ること これは確実に言えるんですけど、2023年に行われた第一回CRカップですね。関優太さんがチームメンバーとして出場して優勝してるんですよ。関さんの動画もよく見ていたから、すごく面白そうなゲームだなと思って始めました。

レスリング 僕は、寝ること君をはじめ、高校の同期から誘われて始めました。

タンタンメン やっぱセールで半額になるっていうのも大きいよねスト6って。

一同 うんうん。

タンタンメン 僕は、小学3年の時に「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」ってゲームを兄が遊んでいて、それが初格ゲーでした。あんまり覚えてないですけど、コマンドやキャンセルの概念はそこで身に付けました。

 ストリートファイターを始めたのは高校1年の頃。友達に誘われてスト5を始めました。本腰を入れ始めたのは、5の最後の1年。やっぱり原点には「友達に勝ちたい」という思いがありました。気づいたら周りでプレイしているのは自分だけになってましたが(笑)。

──使っているゲーミングデバイスは。

寝ること PS5純正の「DualSense」を使ってます。特にこだわりもなくて、たまたま家にあったので。コンボの時だけスティックを使います。例えば、ルークは下大パン、下を入力してからコンボに入るんですけど、その下入力からそのあとのコンボは全部スティックで回します。

レスリング 僕は同じザンギ使い RIDDLEのJr.さんが使っていたVictrixの「Pro BFG」を使ってます。元々、Switchのプロコンを使ってたんですけど、やっぱり他と比べると遅延が大きいからインパクトを返せなくて。

寝ること 毎回返せないときは「コントローラーの遅延が!」って言ってたもんね(笑)。

タンタンメン 僕は、アケコン、レバーレス、パッド、一通りどのコントローラーも使えるんですけど、今使っているのはホリの「OCTA」です。昨年(2024年)の頭まではDual Shock 4をずっと使ってきました。OCTAはスティックが8角ガイドが付いていたりと、かなり特徴がありますね。

──参考にしているプレイヤーや選手は。

寝ること 僕は同じモダンルーク使いのDDTさん、kuromameさんですね。特に、kuromameさんはモダンルークの中でも一人だけずば抜けてランクが高い。二人ともいつも参考にします。

タンタンメン kuromameさん、この前のハイタニ登竜門で当たったわ。

寝ること え?勝った?

タンタンメン うん、勝った。かなり苦手なタイプだったから、対策にすごく時間をかけました。そこで参考にしていたのがDFMのなるおさん。ジェイミー使いだし一番尊敬しているプレイヤーです。配信で対戦させていただいたこともあります。なるおさんがkuromameさんと戦っているリプレイを2時間ぐらい見返しました。勝てたのはそのおかげです。

 あとは、ももちさんたちと同じ3rd勢で、古参プレイヤーのいゆんさんのプレイもすごく参考にさせてもらってます。

レスリング 僕はザンギエフ使いなのでもちろん、板橋ザンギエフさん、Jr.さん。

 Jr.さんは、SHAKAさんのLEGENDUS師弟杯でしんじさんと組んで優勝してるんですよ。そこから動画も見るようになりました。で、バトルハブに来ていたJr.さんに偶然遭遇したことがあって、そこで直接対戦したことがありました。めちゃくちゃ強いのはもちろんなんですけど、丁寧な立ち回りで凄く参考になった記憶があります。

「もしスト6がなかったら何してたんだろう」 上手くなったら試合を見るのが楽しくなった

選手写真


──格ゲーで得られたものは。

タンタンメン 人生の半分は格ゲーでできている、そう思いますね。特にスト6がなかったら今何してたんだろうと考えてしまうぐらいです。昨年(2024年)の夏ごろから中野のRed Bull Gaming Sphere Tokyoとか、オフラインで開催される対戦会に顔を出すようになった。配信を始めたのもストリートファイターのおかげだし、SNSでもいろいろな方と交流できるきっかけができました。

 ネット上だけに限らず、知り合った人と食事することもあるし、とにかく直接話すって、やっぱり通話とは違う。普段話さないようなことも腹を割って話せるし、年上の人が多いんで、これからの人生でためになるようなこともたくさん聞けました。

 だから今回のマイナビeカレ優勝も含めて、何か流れが来ているなと。注目されることも増えてきたし、出られる大会には出たいというモチベーションも沸いてきました。今後につながるものを掴めそうな、チームで活躍したいという夢にも近づけているような、そんな気がしています。

レスリング 僕は、プロの試合を見る目が変わりました。

 正直、これまでのeスポーツの競技って見てても楽しみや凄みが上手く伝わってこなかったんです。でも、この前のカプコンカップもストリートファイタープロリーグ2024のグランドファイナルも、スト6のことが結構わかってきたから、すごく楽しめました。元々、やる方が好きで、見るのはあんまりって感じだったんですけど、今はどっちも楽しい(笑)。

寝ること 得られたことで言うと、僕は趣味の一つになったってところですね。前は別のタイトルを遊んでいたんですど、だんだんと楽しくなくなってきちゃって。でもスト6が出てきてくれたから、またゲームを遊ぶ時間が増えて、今一番しっくり来ているタイトルだと思います。

次回大会にも出場したい 今はただ強くなることを考える

──今後の展望や進路について。

寝ること 進路はまだ全く考えてないです。ただ、今は強くなるためにひたすらスト6に打ち込みたいと思います。

タンタンメン 僕もまだ、就職を視野に入れる時期ではないから、こういう仕事が良いという段階にはないかもしれないです。今の学科が少しやりたいこととズレてしまって、悩んでいる時期ではあります。ただ、プロチームから声をかけていただいたり、そういう道が本当に可能であるなら、それは願ったり叶ったりです。だから、今は頑張ってスト6をしようと思っています。

レスリング 僕も二人と同じですね。でも、来年もマイナビeカレがあったら、またこのチームで出場したいです。二人はレジェンドランクだから強かったけど、僕は予選から一勝もできなくて、二人に乗っかってしまった形になったから。

 次回までには、ちゃんと活躍できるような強さを身に付けたい。日大はすごくたくさんの学生がいるし、このままだと他の人に浮気されちゃうかもしれないし…(笑)。

寝ること そういうことなら、代わりを誰か探してこようかな(笑)。

一同 (笑)

──ありがとうございました!

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