大会レポート

2022.11.03

学生シャドバ全国1位は香川県代表! 「全国都道府県eスポーツ選手権2022 TOCHIGI」シャドウバース学生の部

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「全国都道府県対抗 eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI『Shadowverse』学生の部」決勝大会

 日本最強の学生シャドバプレイヤーを決める戦い「全国都道府県対抗 eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI『Shadowverse』学生の部」の決勝大会が栃木県宇都宮市にて開催されました。地域予選から取材をしてきた編集部としては、この大会の決勝をお届けしないわけにはいきません。一体、どの選手が頂点に輝くのか、大会の様子をレポートします。

地域予選(東京C予選)の様子

参考記事:プロとRAGE王者が参戦!「全国都道府県eスポーツ選手権2022」シャドバ学生の部、激戦区レポート
https://esports.bcnretail.com/news/220825_000730.html

 決勝大会には、全国の予選を勝ち抜いた8人のプレイヤーが集まり、シングルエリミネーション形式のトーナメントで優勝者を決定します。

決勝大会の対戦カード

 決勝大会は事前に、三つのデッキを事前に登録し、3勝先取で勝者が決まります。自分の得意なデッキだけでなく、ほかのデッキも構築し練習する必要があります。1試合の時間も長くなるため、集中力や体力も予選以上に求められます。また、全国大会の決勝戦なので配信の視聴者も多く、プレッシャーに負けない精神力も欠かせません。

そもそも「全国都道府県対抗大会 eスポーツ選手権」とは?

 「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」とは、日本各地の予選を勝ち抜いた都道府県代表チームによって競われるeスポーツの全国大会です。2019年から毎年開催されており、今回の2022年大会で4回目の開催です。

「全国都道府県対抗 eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI」

 本大会の開催場所は日環アリーナ栃木、日程は10月15日(土)?16日(日)の2日間です。競技種目は「eFootball」シリーズ、「グランツーリスモ」シリーズ、「パズドラ」、「ぷよぷよeスポーツ」、「プロ野球スピリッツA」に、今大会から「Shadowverse」が六つめの競技種目として加わりました。

▼全国都道府県対抗大会 e スポーツ選手権2022
https://jesu.or.jp/2022tochigi/#title

『Shadowverse』学生の部とは

 「全国都道府県対抗 eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI『Shadowverse』学生の部」は対戦型オンラインTCG『Shadowverse(シャドウバース=シャドバ)』の大会です。出場条件(※1)を満たしている中学生から大学生までのプレイヤーが参加可能。決勝戦である本大会に進むためには、8月中に行われる「都道府県予選」で代表権を獲得する必要があります。予選大会は全都道府県にてオフライン形式で開催しました。

 その後、9月に各都道府県代表による「ブロック予選」(オンライン形式)を勝ち抜いた7人+開催都市の栃木県代表の合計8人が今回の大会で日本一の座をかけて戦います。

シャドバ学生の部の出場メンバー

※1:【出場条件】
予選開催地に住民票のある中学生・高校生・高専生・専門学校生・大学生が主な対象
・1999年4月2日から2010年4月1日生まれの学生
・都道府県予選大会参加の際に、参加する予選大会と同じ都道府県に住民票があること。

優勝すると賞金付きの大会への出場権を得ることができる

 優勝者には「Shadowverse Invitational 2022」への招待と賞金制大会「RAGE Shadowverse」DAY2シード権、およびゲーム内のアイテム「レッドエーテル 100万個」が贈られます。

▼出場選手▼

 ほとんどの選手が高校生の頃からシャドバをプレーしています。また、ランゴロウ選手は現役の高校生、ばびぶべ選手は現役高専生プレイヤーです。

決勝はあおどり選手vsランゴロウ選手

 試合の様子はアーカイブ動画で視聴することができますが、それでもあえて本稿で紹介したいのは、やはり日本最強を決める決勝大会。舞台に立ったのは、あおどり選手とランゴロウ選手です。

決勝戦に臨むあおどり選手(左)とランゴロウ選手(右)

 実況・解説はシャドバの大会でお馴染みの布陣。友田一貴氏と海老原悠氏が務めます。友田氏は、「この会場では、6種目のeスポーツ大会を行っています! 僕たちもほかの会場に負けないように実況していきます!」と意気込みます。友田氏の決勝戦の魂の籠った実況は、シャドバの大会の風物詩となっていますが、今回は国体バージョンということでさらに気合が入っていました。

実況・解説の海老原悠氏(左)と友田一貴氏(右)

 試合では、高校生プレイヤーとしてただ一人決勝大会に進んだ滋賀県代表のランゴロウ選手が、鮮やかな手並みでなんと2連勝! 早々にマッチポイントになりました。出場者のほとんどが大学生のなか、高校生としてここまで勝ち上がってきただけでも素晴らしい戦績です。

自信に満ちたランゴロウ選手

 一方、追い込まれた香川県代表のあおどり選手の表情からは笑顔が消え、精神的にも追い込まれている様子でした。

 命運を分ける3戦目、ランゴロウ選手はスムーズに準備を進め、あおどり選手が追いかける形になります。ランゴロウ選手が有利な状況が続きますが、中盤、あおどり選手が相手のスキを突いて一気に形成逆転……したかに見えましたが、さらにひっくり返されて窮地に立ちます。ランゴロウ選手のストレート勝ちか、と思われましたが、あおどり選手はなんとかしのぎ切って1勝をもぎ取りました。手に汗握る展開です。

1戦取返し勢いをつけるあおどり選手(写真左下)

 4戦目もランゴロウ選手がマッチポイント。お互いこれまでのように勢いのある展開ではなく、持ち時間を多く使って慎重に進めます。しかし、あおどり選手が一気に大きなダメージを生んで勝利。お互い王手で運命の5戦目に臨みます。

お互いのデッキ構成

 ここまでくると、あおどり選手の表情から曇りも消え、プレーのキレも戻ってきたように思えました。最終戦では、あおどり選手はキーカードである≪廻りだす運命≫を初手に引くためにか、試合開始時の手札交換でカードを画面上でくるくると回転させる所作(ゲーム上では特に意味はありません)を行いました。この時にあおどり選手が「何を考えていたのか」は後ほどのインタビューで明らかになります。

2戦先取からイーブンまで持ち込まれたランゴロウ選手(写真左上)

 その“おまじない”が効いたのか、最初のドローで見事にキーカード≪廻りだす運命≫を引き入れました。

 あおどり選手はそこから凄まじい速さでカードを展開し、見事に逆転勝利を決めました。3戦目以降は、負けそうな盤面でも終始楽しそうにプレーしていた点が印象的でした。

全身で喜びを表すあおどり選手

優勝者インタビュー「あおどり選手」

優勝したあおどり選手

── 優勝おめでとうございます! 今の心境を教えてください。

あおどり選手 まだ実感はないのですが、終始プレーがうまくいき自分が勝てる日だと思えたので、しっかり頑張りました。日本一と言っても、まだ学生の日本一です。RAGEでは勝てていないので、そちらでも勝てるように頑張りたいです。

── シャドバ歴はどれほどでしょうか。

あおどり選手 リリースされて1、2カ月のころから始めたので、6年近くプレーしています。

── 試合中は楽しそうにプレーしていましたが、緊張はしましたか。

あおどり選手 全く緊張しませんでした。本戦に出場できた気持ちと、試合を楽しんで勝とうという気持ちが強かったです。

── 決勝戦では2連敗したタイミングで表情が曇っていたと思うのですが、正直なところどのような心境でしたか。

あおどり選手 実は2戦目からお腹の調子が悪くなり、それで表情が曇っていました。その影響でプレーも雑になっています。3試合目以降はいつも通り落ち着いてプレーできました。

── そういう裏事情があったのですね(笑)。5戦目の初手入れ替えで、カードをくるくると回していましたが、あの時は何を考えていましたか?

最終戦でマリガン時にカードを何度も上下させる所作をする「あおどり」氏

あおどり選手 いつもと同じプレーができるかを確認するために、カードを回しながら考えていました。

── 試合中も画面に向かって謝っている場面が見受けられました。あれはどなたに謝っていましたか。

あおどり選手 配信を見ている方にプレーミスしたけど叩かないでくださいという意味で謝っていました(笑)。自分としては満足できないプレイも多く、今思えば緊張していたのかもしれません。もちろん、一緒に練習したチームメンバーにも申し訳ないと思っていました。

── インタビューありがとうございました!本当におめでとうございます!

おまけ:台本にない栃木クイズに焦る実況解説陣

 個人的に印象に残っているのは、試合はもちろん、いつものシャドバ実況・解説陣が突然、MCから台本にないクイズを出題された場面でした。

突然のクイズに焦る友田氏と海老原氏

 友田氏はクイズに不正解ながらも、持ち前のトークで上手く致命傷を回避していました。

やっぱりシャドバは楽しいゲーム

 普段からシャドバの競技シーンを取材している筆者としては、今回の大会でシャドバの「ゲームとしての楽しさ」を再発見できました。決勝大会に勝ち上がってきた8人の学生が、みんなやたらと楽しそうにシャドバをプレーしている姿をみて、改めて「めっちゃ楽しそう!シャドバやりたい!」って気持ちになりました。

 もちろん「RAGE Shadowverse」の緊張感やプロ選手たちによる「RAGE SHADOWVERSE PRO TOUR」のハイレベルな戦いもシャドバの魅力の1つですが、「全国都道府県対抗 eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI『Shadowverse』学生の部」のような大きなイベントでコミュニティを広げることも魅力的です。実際に会場に訪れたプレイヤーたちは、2日間のシャドバ仲間との交流を通して、人生最高の友人を見つけたようでした。

 今回の取材を通して、8人からシャドバの楽しさと、eスポーツがもたらす出会いの素晴らしさを教えてもらいました。(eスポーツジャーナリスト・小川)

■関連記事

▼配信ページ▼

1日目
https://www.youtube.com/watch?v=BRooWsXjbWUl

2日目
https://www.youtube.com/watch?v=wMwWMt6jV2c

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