大会レポート
2024.03.11
「元々ゲームに大反対だった」母親も応援! 全日本高校eスポーツ選手権「VALORANT」来場者インタビュー
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「サイリウムの海ってことは、アイドルのライブ!?」。いいえ、ここはライブ会場ではなく、全日本高校eスポーツ選手権の試合会場です。同選手権のVALORANT部門の決勝大会が2月12日(月)にLAFORET MUSEUM HARAJUKU(ラフォーレミュージアム原宿)で開催されました。今回は、高校生選手の家族や講師陣、友人など多くの観戦者で盛り上がった現地を取材。
・本日の来場の目的
・試合の感想
・選手の普段の様子
などを中心に、試合を観戦していた来場者に生の声を取材しました。
「全日本高校eスポーツ選手権 VALORANT部門」 とは
「全日本高校eスポーツ選手権」とは、NASEF JAPANが新たに立ち上げた高校生限定のeスポーツ大会です。2024年の第一回開催は『フォートナイト』『リーグ・オブ・レジェンド』『ロケットリーグ』『VALORANT』の4タイトルで行われました。
試合中は岸大河さん、yueさんが両チームの選手のボイスチャットも交えた実況・解説を展開。選手の緊張感も伝わってきて、観客自身もチームの一員になったような気持ちで、臨場感を持って楽しめるような工夫がありました。
また、試合後にはアナリストのRetloffさんによるハイライト解説もあったため、初心者でも試合運びや戦略が理解しやすいように配慮されていました。
来場者にインタビュー
会場の入り口では、応援用のボードとサイリウムが配布されており、来場者は選手の応援に熱を入れていました。中でも、試合の様子に一喜一憂する姿が印象的だった来場者4組にインタビューしました。
日本の若者のエネルギッシュな姿に感動
──本日の目的を教えてください。
Aさん 「芳醇きのこの焦がしバター」キャプテンの赤マントRadiant選手が甥っ子で、姉と母と夫と一緒に応援に来ました。現在のところチームが劣勢なので、ここから巻き返して行ってほしいですね。普段、私たち保護者はゲームをプレーしませんが、甥っ子がプレーするようになってからは、ある程度ルールが分かるようになってきました。
eスポーツは日本だけでなく世界中から注目を集めているのがすごいですよね。オリンピック競技としても採用されるかもしれないという域まで来ていますし、昔の私たちのゲーム感覚とは違います。
甥っ子がVALORANTをプレーし始めたのは3~4年前になりますが、せっかくやるなら、「トップまで行けるように頑張って」という応援の気持ちで見ていました。
──ここまでの試合をご覧になっていかがでしたか。
Aさん 最初にリードされてしまったので、正直今はちょっと心配です。
でも、自分の好きなポジショニングがあるみたいなので、後半戦で得意な盤面が出てきてくれたらいいですね。前半戦の試合をバネに、この休憩時間で立て直してくれたらいいなと思っています。
Bさん(※英語の回答を和訳) 元々こういった『VALORANT』のようなゲームの試合は見たことがなかったんです。赤マントRadiant選手が家でプレーしている姿は見たことがありますが、最初はあまりルールが分からず、何をやっているのか理解するのも難しかったです。
ですが、試合の内容や戦略が分かるようになってからは、すごく面白くなりました。今日のイベントのような、視覚や聴覚を刺激する体験もとても良いですね。音楽やライティングなどが凝っていて、多くの若者がeスポーツにエネルギッシュに熱狂している姿を間近で見れたのも興味深かったです。
未来の出場選手!?中学生たちも試合に熱狂
──本日の目的を教えてください。
Cさん このイベントをX(Twitter)で知って、面白そうだと思ったので来ました。こういったオフラインイベントは頻繁たまに行きます。
自分達は今中学生なんですが、学校の選択授業で『VALORANT』をやっています。今はeスポーツをこういった形で真剣にやっていくことはそんなに考えていないです。でも、今回の大会に自分の学校のほかのキャンパスが出場していたんです。だから、もしかしたら将来、自分達がここに立つ可能性もあるのかもしれないですね。
Dさん 『VALORANT』も好きですが、応援リーダーの胡桃のあさんが好きなので、胡桃のあさん目当てというのもあります。配信はよく見ますが、オフラインイベントは今回が初ですね。観客や選手たちの熱気が直で伝わってきたので、すごく良かったです。自分達のモチベーションも上がったので、今すぐにでもプレーしたいです(笑)。
Eさん 僕も同じく胡桃のあさんのファンで、ゲームも好きなので来ました。僕もオフラインイベントは今日が初めてだったんですが、臨場感があって、こっちまで緊張してきて手汗がすごいです(笑)。
──今日の試合の中でアツかったシーンや勉強になった部分はありましたか。
Cさん ハイライトでも解説されていて、会場も大きく盛り上がっていましたが、やっぱり第2試合の1vs5のところが激アツでしたね! 入り方やリテイクなど、諸々全てが勉強になりました。
Dさん 1試合目のブリムストーンの1回で3撃破するのがめちゃくちゃアツかったですね。上手すぎました! プレーももちろん素晴らしかったですが、両チームとも雰囲気が良かったですよね。和気あいあいとプレーしていて、真似していきたいと思いました。
Eさん 最後の巻き返しが良かったですね。掛け声もみんな良くて、お互いを褒め合いながらのプレイングが印象に残りました。
「もうママいいわ」と言われてもibu選手を献身的に支える母
──本日の目的を教えてください。
Fさん 「イナザワジャパン」のibu選手の母と祖母です。応援に来ました。
Gさん 私は普段東京で暮らしていて、大阪にいる孫たちとは離れているのですが、今日は珍しい機会ということもあって、面白そうだから来ました。ルールはあまり分かっていないですが、時代の波に乗っていかないとですね(笑)。
──普段のibu選手の様子やご家族としてどのようにサポートしているかを教えてください。
Fさん 朝の学校での練習に加えて、ほとんど毎晩8時ぐらいに集合して、大体3~4時間はチームのみんなで練習していましたね。試合直前は根を詰めていましたけど、普段は土日を休みにしたりして、バランスを取っているみたいです。
私は大阪で息子と一緒に住んでいるんですが、邪魔しないように意識しています。自分の部屋でチームメンバーと話し合いをしているので、「今話しかけないで」って言われた時には、変に声をかけないようにしています。
あとは、みんなで練習する時間までにご飯が終わるように夕飯の準備をすることはありますが、それ以外は基本的に普通通りにしてる感じです。プレッシャーになるかもしれないので、頻繁に「頑張れ」と言うようなこともしていないです。
『VALORANT』は父の方が詳しいので、普段息子は父親と話していることの方が多いですね。私もルールは把握していますがちょっと分からない部分もあって、「もうママいいわ」なんて言われちゃうこともあります(笑)。今日はとにかく力を出し尽くして頑張ってほしいです。
cat cute選手の母「最初はゲームに大反対」
──本日の目的を教えてください。
Gさん 「イナザワジャパン」のcat cute選手の母で、息子の応援に来ました。悔しい思いをした夏からずっと頑張ってきたので、今回優勝できて、親としてもとても嬉しいです。特に何かサポートをしているわけではありませんが、ゲームをしている間はとにかく邪魔しないようにしています。
──cat cute選手がゲームを始められた時はどう感じましたか。
Gさん 元々ゲーム大反対だったので、本当はものすごく嫌でした。「なんていうものを買い与えてしまったんだ」と思ったりもしましたね。
ただ、息子が将来に悩んでいた時期にちょうどeスポーツと出会って、徐々に本気でやりたいと言うようになってから、こういった世界もあるんだということが分かり、今は応援しています。
学校に行かなかった子が学校に行くようになったり、家族としか喋らなかった子がこうやってみんなでコミュニケーション取るようになったり、今となってはもうありがたいことしかないです。
家には一人部屋がなくて、普段はダイニングテーブルの横にゲーム用の机を置いて練習しています。息子は普段あまり喋らない子で、今回の試合も同意書が渡されて初めて出場することを知ったぐらいでなんですが、ゲーム中は「ちょっと声の音量落として!」って伝えるくらい喋っていますね(笑)。
今日の試合中も大きな声が出ていたので「こんな大きな声出るんだ」とびっくりしていました。プロを目指してからもう何年も頑張ってきたので、それが今日一つの結果として実を結んだのでよかったですね。
最高のボイスチャットでラフォーレ原宿がライブ会場に
今回の決勝戦では、キャスター陣の実況解説に加え、時折選手たちのボイスチャットを聴きながら試合観戦ができるような工夫がなされていました。
特に印象的だったのは優勝した「イナザワジャパン」のボイスチャットでの作戦会議。マイクを通さずとも会場に声が届くほどのボリュームで、普段通り友人たちとただゲームを楽しむかのように和気あいあいとプレーしていました。
その様子を見ていた中学生プレイヤーたちも、チームの雰囲気を自分達も取り入れたいと語るほど、チームの仲の良さが観客にも伝わってきました。「イナザワジャパン」チームリーダーのキャプテンイナザワ選手は一際大きな声で呼びかけ、各試合終了時には率先してチームメンバーに声をかけるなど、明るく、そして力強くチームを鼓舞し続け、その功績が評価されフェアプレー賞にも輝きました。
大声量のボイスチャットにより、チームだけでなく会場で観戦している私たちのテンションも上がり、アイドルライブのコールアンドレスポンスさながら、選手たちの声に呼応するように声を上げ、サイリウムを振り上げる観客も多く見られました。
オフラインで多くの観客に見守られながらのプレーは、普段の環境とは勝手が違い、緊張やプレッシャーで本領を発揮できなくなってしまうリスクもあります。そんな中で、いかに“いつも通り”プレイできるかが勝敗を左右したのかもしれません。(ライター・小川 翔太 / 松永 華佳)
VALORANT/ (c) 2024 Riot Games, Inc. VALORANT and any associated logos, are trademarks, service marks, and/or registered trademarks of Riot Games, Inc. Used With Permission.
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外部リンク
NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権
https://nasef-nhec.jp/
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