大会レポート
2024.04.17
歓声が配信席にまで伝わる盛況ぶり!マイナビeカレ2024を振り返る!優勝チームや来場者にも話を聞いた!
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- Apex Legends
3月23日に東京・恵比寿のEBiS303で行われた学生eスポーツ大会「マイナビeカレ~esports全国大学選手権~ 2024」大学対抗部門。Apex Legendsを種目とした同大会には133校が全国から出場しました。頂点に輝いたのは、広島工業大学「トムとたぬきとkty」チーム。中盤から終盤にかけて勝負勘が冴えわたり逆転優勝を果たしました。会場の空気はどのようなものだったのか、またどんな人たちが観戦に訪れたのか、優勝チームへのインタビューも交えながら振り返ります。
選手らと共有する空間 聞こえる掛け声や雄叫びに見えるドラマがある
試合会場となったEBiS303には決勝大会に進出した全20校が集結しました。学生大会としては珍しく、全選手にゲーミングPCが割り当てられ、観客と同じ空間でプレーが繰り広げられていました。改めてPCの台数について考えると、1チームは3人だったので最低60台はあったということになります。圧巻の光景でした。

全5試合の試合が折り返しに差し掛かると、選手たちが感情をあらわにする場面も増えます。最終戦では、早々と脱落してしまったチームから悔し涙を流しているのか、うめき声が聞こえてきたり、撃破するたびに雄叫びが聞こえたりと、いろいろな意味で盛り上がりを見せました。大会の配信を聞いていた方なら気づいていたかもしれませんが、一部の選手の声が配信コーナーにまで届いてしまうといった場面もあるくらい、試合は白熱していました。

この後トップを維持したが最後で逆転され思わず「悔しい!」という声が漏れた
さらに会場には全チームの特製のぼりが飾られていました。まるで六大学野球のような学生大会の雰囲気を感じられる粋な計らい。ちなみに来場者にはeカレのスティックバルーンが配られ、ナイスプレーがあった時にはバルーンを叩く音が鳴り響き、大盛況でした。

ほんとに1年生なの?先輩たちも驚くIGLの貫禄 広島工業大学「トムとたぬきとkty」

(左からkty選手、tanukiking選手、muneyuu)
ここからは優勝直後の広島工業大学「トムとたぬきとkty」の3人にインタビューした時の様子をレポート。1年生のmuneyuu選手、2年生のtanukiking選手、3年生のkty選手と学年がきれいに分かれた同チーム。ゲーム内の司令塔、インゲームリーダー(IGL)を務めたのは1年生のmuneyuu選手でした(以下敬称略)。
──改めて。優勝おめでとうございます。
3人 ありがとうございます。
──今回はオフライン大会でした。率直な感想は。
muneyuu 緊張しましたけど、やっぱり一位を取りたかったですからね。その気持ちが今回の結果になりましたよね。
──序盤はポイントランクでも下位に沈んでいましたが、結果を見れば逆転優勝。その要因は。
kty 自分たちの動きは完ぺきだったんです。ただ、リングの収縮が僕たちに味方してくれなかったと言いますか。降りるエリアが全部遠くてそれで負けていたんですね。それが途中から自分たちの降下エリアに近いところにリングが動いてくれて、それが大きかったです。
──かなり自信があったのですね。大会に向けてはどんな練習を?
muneyuu 今回のマップ、ワールズエッジにはスカイフックというランドマークがあります。そこでの立ち回りが重要だと思い練習に励みました。
kty そうだね。複数のパーティーが同じエリアにいた場合に、どうやってリスクを減らしながら動くかというのを意識して練習してきました。
tanukiking 他にもスクリムはもちろん、1on1の練習もやってましたね。
kty スクリムは今回の大会のDiscordサーバーを活用しました。それがすごいためになりましたね。
──皆さんにとってApexとは?
kty もう生活の中に入ってる、一部ですね。
muneyuu 全部命かけてやってます(笑)。
tanukiking そんな感じだね(笑)。
──IGLがmuneyuu選手とのことですが、それはどうしてですか。
kty 強いからですね。最高ランクがプレデターだったので一番上手いんですよ。自分たちではたどり着けないような領域に行っていますから。
tanukiking だからチームはmuneyuu君が主軸みたいな感じではあるんですけど……。
kty それを僕ら二人が後ろからグチグチ言ってサポートしてる感じ(笑)。
──皆さん今大学生ということですが、将来の夢などはありますか。
kty 自分は就活が終わってソフトウェア開発などの仕事をやろうかなと思っているところです。Apexを通して得たコミュニケーション能力を生かしたいです。
tanukiking 具体的にはまだないですけど、情報系かな。やっぱり企画するのにも他の人とのコミュケーションが大事になるのでやっぱり今回のような経験は貴重です。
muneyuu 私もまだ一年生で、明確なものはないですけど、今回IGLという立場でしたので、リーダー的存在を目指していきたいなと思っています。この大会を通してそういう存在に憧れるようになりました。プロデューサーとかいいですよね。
──muneyuuさんは3人の中でも非常に余裕を感じるのですが、本当に1年生ですか。
muneyuu 1年生です。
kty うちのチームでも一番貫禄があるよね。
tanukiking 僕は2年生ですけど逆でもおかしくないくらい(笑)。
kty いやいや、muneyuu君が3年生って言われても不思議じゃないよね(笑)。普段はボイスチャットの会話だけで、実際に会ったのは今回が初めてでした。それなのにすごく落ち着いていたので驚きました。
──コミュニケーション能力という話が出ましたが、やっぱりeスポーツで鍛えられましたか。
kty 鍛えられました!すごく!
muneyuu 何をどうしたいのかを、順を追って伝えないと伝わらないので、その点が実際の生活でも役に立つのかなと思います。
tanukiking 瞬時にどのように伝える、しかもどうすれば一番効率が良いかっていうところですよね。どの表現が伝わりやすいのかということもありますし。
──皆さんは引き続き、eスポーツに関わっていくつもりはありますか。
kty 機会があれば、ですね。仕事ではなくても趣味として続けます。
muneyuu 私はまずは趣味として続けます。もしかしたら、違った道につながっているかもしれませんからね。
tanukiking うん、そうだったらうれしいですよね。
──ありがとうございました!
会場には選手の家族も駆けつけた!来場者インタビュー
会場には、大学生も多かったのですが、中には家族で観戦に訪れている人もいました。試合のインターバルの間にちょっと話を聞いてみました。
「初めてオンライン大会の観戦に来ました」

応援しに来たというお父さん
──本日は誰かの応援ですか。
SoySnaCK選手のお父様 はい。息子に「決勝に進出できたからよかったら見に来てよ」と言われたので応援に来ました。神奈川工科大学のSoySnaCKという選手なんですけど。
──SoySnaCK選手は結構ゲームはプレーされている?
SoySnaCK父 そうですね。大学行ってからというか、昔からゲームが好きで。他の大会にも出場していて「配信で放送するから見てね」なんて言われることはよくあったんですが、今回は初めてオフライン大会の観戦に来ました。すごい雰囲気ですね。
全国大会に出場と聞いてびっくりしている家族

──誰かの応援ですか。
kyqtapy選手のお母様 はい。息子のkyqtapyの応援に来ました。結構最近はゲームにのめり込んでいるかなという感じなんですが(笑)。まあ勉強もやってくれればいいんですけどね。でも全国大会に出場しているなんて本当にびっくりしました。すごく強いんですね。
──妹さんもApexってプレーされるんですか?
kyqtapy選手妹さん いいえ、ストリーマーの配信とかは見るんですけど、FPSは苦手で。私はどちらかというとポケモンが好きで、FPSをやっているお兄ちゃんを脇からずっと見ている感じでした。オフライン大会だとダメージが入ると会場が盛り上がるし、実況もあるので、あまりわからなくても楽しめるところが良いですね。
かつては高eで優勝 もう一度その気持ちを味わいたい!メンバーを集めてApexを始める

──誰の応援に来たのですか。
Nekotami選手のお母様 静岡理工大学から出場している息子のNekotamiの応援に来ました。
──では静岡からですか?遠いところから来られたのですね。
Nekotami母 そうなんですよ。大学に入ってからApexを始めたようなんですけど、ずっとコロナで応援に来られなくて。今回が初めてのeスポーツ観戦だったんですよ。
──実際に観戦してみた感想は。
Nekotami選手のお父様 このゲームはやったことないんだけどね、面白かったですよ。順位もコロコロと変わって、まさかまさかの逆転優勝なんてね(笑)。
Nekotami母 こんなに時間が長かったので、途中で飽きちゃったらどこか遊びに行こうかななんて思ってたのに、最後まで見ちゃった(笑)。これからeスポーツ盛り上がってくるんじゃないかなってとても楽しみです。
──ところでずっと息子さんはApexを?
Nekotami母 それが違うんですよ。N高等学校ではロケットリーグをプレーしていて全国高校eスポーツ選手権で優勝したんです。それでもう一回その気持ちを味わいたいってことで、メンバーをかき集めて頑張って、決勝に出場できたんですよ。
会場には、ほかにも親世代の人が何組かいて、観戦を楽しんでいる様子でした。実際に話を聞いてみると「ゲームをプレーするのは当たり前」という雰囲気で、どの来場者も「eスポーツが次第に浸透しているのだな」と感じさせる受け答えをしていたのが印象的でした。最後Nekotami選手のご両親からは「(息子が)優勝した時の気持ちをもう一度味わいたいから」なんて話も聞くことができました。このマイナビeカレのように、学生たちが目標にできる大会やイベントがもっと増えてくれることを願うばかりです。
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外部リンク
マイナビeカレ 公式サイト
https://esports-college.jp/

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