大会レポート
2024.06.10
ごみ拾いはスポーツだ! 「eスポGOMI in 神楽坂」で大人も子どもも白熱、ゲームも交えて環境問題を身近に
- 大会/イベント
- ぷよぷよ
You-Do協会とeスポGOMI開催委員会は6月9日、東京・神楽坂でごみ拾いとゲーム大会を掛け合わせた競技「eスポGOMI in 神楽坂」を開催しました。当日集まった40人以上の選手は、街の美化とあわせて、参加者同士の交流や環境問題への理解を深めていました。
eスポGOMIは、特定の地域を競技エリアとし、その範囲内で拾ったごみのポイントをチームで競う競技です。競技時間の終了後、拾ったごみの量と種類に応じて獲得したポイントが一番多いチームの勝利となります。ごみ拾いは前半戦と後半戦に分かれており、その間にゲーム大会を実施。そこで好成績を残すと、後半戦が有利になる助っ人やアイテムを獲得することができます。
ごみのポイントは環境汚染度に応じて決められており、100gあたりのポイントは「燃えるごみ」が10、「燃えないごみ」が5、「ビン、缶(ドリンク系など缶すべて)」が20、「ペットボトル」が40、「たばこの吸い殻」が100です。なお、粗大ごみは対象外とし、拾わないルールです。
今回は東西線神楽坂駅のほど近く、イベントの拠点となったネオレックス神楽坂ショールームを中心に、半径約1.5kmを競技エリアに指定。参加者は2~3人(子どもは除く)のチームに分かれました。
開会式でルールを説明していたeスポGOMI開催委員会の高木光治さん(正しくははしご高)は「チームメイトと通行人には注意して、走らず、私有地などにも入らないよう気をつけてください」と注意を呼び掛けていました。
ごみ拾いは? 「スポーツだ!」
説明後は、今回の大会参加者を集めた元格闘家の大山峻護さんが「みんな、頑張りましょう!」と激励。3分間の作戦会議を経てから、司会のYou-Do協会 理事の桜華純子さんの「ごみ拾いは?」の掛け声に、参加者が右手を突き上げながら「スポーツだ!」と応えて競技がスタートしました。
開始早々、方々に散る選手たちは道端を中心にごみを捜索。チームメンバー同士で会話しながら和やかな雰囲気で歩くチームもあれば、序盤からほかのチームが行かなそうな場所を狙いキビキビ動くチームもありました。
また、100gあたりのポイントが高いたばこの吸い殻を狙って、駐車場付近や人通りが少ない路地など、喫煙者がたばこを吸いそうな場所を捜索するチームや、一つで重さを稼ぐことができるビニール傘が捨てられがちなビルの隙間を覗くチームなど、各チームの作戦が垣間見えます。
前半30分が終了したら、ひとまず拠点となっているネオレックス 神楽坂ショールームに戻り、拾ってきたごみをチームごとに計量。前半だけで5kg近くのごみを持ち帰ったチームもありました。
後半戦の行方に大きく関わるゲーム大会「ぷよぷよeスポーツ」
後半戦までの時間は、「ぷよぷよeスポーツ」を使ったゲーム大会です。高木さんによると、「同じ色を集めて消す、というルールが分別して処分するごみ拾いと近いので選びました」とのこと。今回は3~4チームごとに4ブロックに分かれて対戦し、最後は各ブロックの勝利チームによる決勝戦を行います。
ゲーム大会では上位3位まで、ごみ拾い後半戦が有利になる次のいずれかの特典を選ぶ権利が与えられます。助っ人としてチームに入れることができる、数多くのごみ拾いイベントに参加しているごみ拾いの達人こと、高木さんの甥にあたる山田賢一さん。同じく助っ人の、神楽坂で20年以上働く地域のスペシャリスト、ネオレックス 代表取締役 CEOの駒井研司さん。便利アイテムの人数分のトングです。ゲーム大会の決勝戦の順位が高い順に、ゲットする特典を選ぶことができます。
試合は高木さんの実況のもと進行。ゲームの内容だけでなく、選手の表情や観客の様子をユーモアたっぷりに実況し、会場を沸かせていました。実況だけでなく、試合内容でも会場は大興奮。いずれのチームも初心者が多く経験者は貴重な存在です。選手たちは操作方法を念入りに確認しながら、慎重にぷよを積み重ねます。そうした状況のなか、2連鎖が出れば歓声があがり、4連鎖には大喝采。一戦ごとにドラマがあり、会場の雰囲気と相まってアツい大会でした。大人と子どもが一緒に戦い、盛り上がれるのもeスポーツの醍醐味です。
決勝戦では、各ブロックの勝利チームとしてAチーム、Eチーム、Iチーム、Oチームの代表者が激突。明らかに経験者が集まりました。各選手とも着実に連鎖を狙ってぷよを重ねます。そのなかでも最も素早く動くのはOチームのマリ選手。ほかの選手を2手、3手リードしますが、大きな先制攻撃を放ったのはIチームの椋太選手でした。
最初に脱落したのは、Aチームの淳一郎選手。第一ブロックの代表決定戦では連鎖を連打していましたが、今回は相手からの攻撃をさばき切れませんでした。次に脱落したのはマリ選手。降ってくるおじゃまぷよに連鎖で対応していたものの、処理しきれなかったおじゃまぷよが積み上げていたぷよの上に降ってきてしまいました。
最後はEチームの永田典之選手と椋太選手の一騎打ち。両選手ともおじゃまぷよをほとんど処理したうえで、連鎖の準備を整えます。永田選手が大きな連鎖を狙う一方、椋太選手は細かな連鎖を連打するスタイル。同じ連鎖数でも試合時間の経過によって相手に送るおじゃまぷよが増えるため、攻撃速度のはやい椋太選手が先手を取り、そのまま勝ち切ってIチームの優勝となりました。
Iチームが選んだのは、ごみ拾いの達人。続いてEチームは地域のプロ、Oチームは人数分のトングをそれぞれゲットしてごみ拾いの後半戦に臨みます。
集まったごみは総量約51kg! 優勝チームは?
後半戦、ごみ拾いの達人を獲得したIチームは、前半戦では気が付かなかった公園の茂みの間にあるペットボトルのごみなどに注目。メンバーは「目のつけ所が全く異なり、参考になります」と、手応えを感じていました。地域のプロを獲得したEチームも、「地元にいるからこそ知っている情報がありがたい」と、効率的にごみを集めていました。
すべての競技が終了し、最後の計測に移ります。集まってきたチームのなかには大きく膨れたごみ袋を抱えるチームもあり、前半戦ではどのチームも行かなかったエリアもくまなく捜索した様子がうかがえます。
計量後、前後半の成績を合算した結果、今回の「eスポGOMI in 神楽坂」で優勝したのは、Cチームでした。拾ったごみの重量は9.78kgで、1484ポイントでした。徳利やおちょこなど重量のある陶器(燃えないごみ)を発見するなどしてポイントを稼いだようです。2位は7.15kgを集めたEチーム(1240ポイント)、3位は5.16kgでMチーム。集まったごみの総量は約51kgでした。
親子で大会に参加したNチームは、「チームではあまりごみを集めることができませんでしたが、全体ではこれだけのごみが集まったというのは驚きでした。楽しかったです」とコメント。同じく親子で参加したOチームのマリ選手は、「学生の頃から10年ほど住んでいたことのある街を、今度は子どもたちと一緒に訪れてキレイにできたことは感無量です」と、深く感じ入っていました。
閉会式に登壇した、高木さんは「競技なので順位はつきましたが、皆さんが同じ意思をもって街をキレイにしたということが大切なことです。戦いだからこそほかのチームとは別のルートを選ぶことになり、結果的にさまざまな場所の、たくさんのごみを拾うことができました。この体験を通じて、今後も地球と向き合う機会をつくっていただけると幸いです」と締めくくりました。
日常では見て見ぬふりをしてしまうようなごみを競い合って拾う体験は不思議な感覚でした。少なくとも参加者は、大会を通じて道端や物陰のごみが今までよりも目に入るようになったことでしょう。ごみを捨てる場所も一層意識するようになりそうです。
eスポGOMIや、スポーツとごみ拾いを掛け合わせたスポGOMIは、日本各地で開催されています。こうした取り組みがさらに広がり、もっと参加者が増えれば、道端のごみは今より少なく、街はキレイになるかもしれません。
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外部リンク
eスポGOMI
https://life-reversal-gaming.co.jp/free/espogomi
Life Reversal Gaming.
https://life-reversal-gaming.co.jp/
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