大会レポート
2024.06.21
競技の前には欠かさず準備運動!高校生が運営したねんりんピック茨城県代表予選会 会場の盛り上がりは?
- 大会/イベント
茨城県と茨城県社会福祉協議会は6月1日、eスポーツを活用した多世代交流会を兼ねた「ねんりんピックはばたけ鳥取2024 茨城県予選会」をセキショウ・ウェルビーイング福祉会館(水戸市)で開催しました。イベント運営は、地元の水戸啓明高等学校「CREATE Lab.」が担当するなど、高校生たちも活躍しました。
水戸啓明 CREATE Lab.が全面協力! 試合の前に始まる準備運動
CREATE Lab.は、プログラミングや映像編集、音楽編集(DTM)、PA(音響・イベント運営)、eスポーツなどに取り組む部活動です。過去には、同様に社会福祉協議会に協力する形でeスポーツを活用した多世代交流会を開催したり、中学生向けのeスポーツ大会を運営したりと、実績も豊富です。
今回は、eスポーツを活用したコミュニケーションの活性化を目的としたイベント。鳥取県で行われる「ねんりんピックはばたけ鳥取2024」で、初めて正式種目になったeスポーツへの参加選手を選考する予選会も実施しました。
使用するゲームタイトルはNintendo Switch版「太鼓の達人 ドンダフルフェスティバル」。「予選」と「決勝トーナメント」の二つに分かれて行われ、60歳以上の24人の出場者がスコアを競いました。
決勝では課題曲「夏祭り」で勝負。両者スコアが拮抗する展開となり、会場も盛り上がります。試合中はヒートアップしたものの終わってみれば、両者は握手を交わし健闘を称え合うなど、スポーツマンシップ溢れる展開となりました。
各試合の終了後や合間には、「難しかった!」とか「すごいね!」と、参加者同士で会話が弾む様子も見られました。こうした光景を見ていると、気軽に楽しめるeスポーツは、特にからだを動かしにくい高齢者にとっては会話や交流のきっかけになりやすいことを再認識しました。
特徴的だったのは、開会のあいさつの後は試合ではなく、準備運動が始まったこと。手や指、肩周りの運動を入念に行っていました。確かに、ねんりんピックらしいといえばそうですが、手先の運動性を高めるのは年齢を問わずeスポーツでは効果的なこと。「一般的な大会でも取り入れると面白いかも?」と興味津々にその光景を眺めてしまいました。
当日は会場全体を運営!参加者の声や高校生たちの感想は?
当日は参加者のほかに、会場を運営する高校生たちも張り切っていました。会場の設営から、体験コーナーでのレクチャー、大会の進行役、実況解説など、そのほとんどをCREATE Lab.が担いました。
イベントを主催し、高校生との交流企画に当初から携わる茨城県社会福祉協議会の小林ひとみさんによれば、「ねんりんピックに出場したいと思っても予選大会を運営するノウハウがなく難しい」との背景があるといいます。同協議会では、数年前からシニアを対象にeスポーツ体験会を開いており、昨年から多世代交流の一環として水戸啓明の生徒との交流を始めたそう。その関係で今回の大会運営でも水戸啓明に白羽の矢が立ちました。
小林さん 将来、eスポーツやイベントの運営に携わる仕事がしたいと考えている生徒さんも多いと聞いています。そんな中で、こうしたイベントで経験を積んで、将来に役立ててもらえればうれしいです。
そんな高校生たちが頑張っていた今回のイベント。参加者や運営に参加した高校生の感想を聞いてみました。
初めて実況を担当!先輩がいて助かった!
坂爪 奨さん 初めての実況だったんですが、山崎先輩もサポートしてくれたので、緊張せず上手くできて良かったです。機会があればまたやりたいです。
ゲームが上手いシニア世代に驚き これからも定期的に交流したい
八島 采来さん シニア世代の方でも、すごくゲームが上手な人がいらっしゃるんだなと驚きました。決勝なんかも自分よりも上手いんじゃないかっていう勢いだったし。前回もシニア世代との交流をしたので、これからも定期的に取り組んでいきたいと思います。
木村 彩香さん 今回は楽しかったです。年代を超えて交流する機会はあまりないので、多くの人にeスポーツの良さと楽しさが伝わったらいいなって思います。
ティラノサウルスに扮して盛り上げに徹する 楽しかったならOK
藤枝 碧海さん みんな仲良く、楽しくできたので良かったと思います。なんでティラノサウルス……?自分もやっぱ恐竜好きなんで、愛着湧いてるんで、もう自分がなっちまおうって(笑)。こんな結果になりました。
月1~2回の練習で優勝してしまってびっくり!
山田 信子さん 優勝できてしまって、本人が今一番びっくり!練習は月に1~2回くらいやってました。仲間と遊び始めて、楽しくなってきたかなってところです。元々そんなつもりではなかったんですが、鳥取の本戦に出場できるのは良いことなので、ちょっと参加を考えています。
テンポの速い曲にやや苦戦 簡単にできて脳の運動にもなる
K.Kさん 高校生たちが運営をしてくれていて、やっぱりこういうのは若い人にはかなわないね
Y.Yさん 今回は、あんまり練習時間がなくて、もうちょっと回数多く練習できればよかった~。
T.Sさん あとはヘッドセットが初めてだったから、ちょっと聞きづらい感じはしちゃったかな~(笑)。あと私たちもテンポの速い曲だと、ついていけないわね(笑)。けど楽しいですね。eスポーツやると、脳が活性化します。
K.Kさん これなら私たちでも気軽にできるもんね。
会場に視察で訪れたある団体の方に話を聞くと、気軽に外に出ることができなかったコロナ禍を機に高齢者の間にもeスポーツが広まったそうです。福祉分野でも次第に活用方法が見いだされつつあるeスポーツ。今後の展開にも注目が集まります。
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外部リンク
茨城県社会福祉協議会
https://www.ibaraki-welfare.or.jp/
CREATE Lab. 水戸啓明高等学校
https://www.mito-keimei.ed.jp/club/create/