大会レポート
2024.07.08
業界の裏話も!?無料でゲーム作りを学べる「ゲームメーカーズ スクランブル2024」に潜入取材!
- 大会/イベント
化学メーカーのクラレによるアンケートでは「小学生のなりたい職業」に初のランクインを果たすなど、eスポーツプレイヤーだけでなくゲームクリエイターも、子どもたちが憧れる職業として注目されています。 そんな中で今回は、日本中のゲームづくりに関わる人たちが集まるイベント「ゲームメーカーズ スクランブル 2024」を潜入取材しました!(取材・文 / 小川 翔太 松永華佳)
「ゲームメーカーズ スクランブル2024」 とは
「ゲームメーカーズ スクランブル 2024」とは、2024年5月25日に、東京・TOC有明Convention Hallにて開催されたゲームメーカーズ(運営:ヒストリア)主催の無料(事前登録制)イベントです。
Unreal Engine 5とBlenderを使った初心者向けのゲーム制作体験会、アナログゲーム制作ワークショップなど、各ブースは普段なかなか交流できないゲームクリエイター同士で大いに盛り上がっておりました。
ブースを回ってみました!
私たちも各ブースを回ってみました。
以下、9つのコンテンツを中心にイベントが目白押しなので目移りしてしまいます。
●作品展示ブース
●プロへのなんでも相談所
●セミナー
●UE5&Blenderハンズオン
●アナログゲームワークショップ
●ゲームメーカーズ書房
●企業ブース
●ゲームメーカーズ編集部ブース
●懇親会(閉演後)
中でも気になったブースについてまとめていきます。
クオリティの高さに驚き!学生制作のゲームが遊べる作品展示ブース
作品展示ブースでは、下記の学生さんが制作したゲームが試遊できました。
●アミューズメントメディア総合学院/AMG GAMES
●N高等学校・S高等学校、N Code Labo
●日本工学院八王子専門学校
●東京工科大学
思わず目に留まったのが、東京工科大学学生作成のオリジナルゲーム「回転DooooN!!」。
具材の入った箱をくるくる回転させて、丼ぶりの上に指定の具材をのせることを目指すパズルゲームです。
シンプルなルールながらも、海鮮丼、天丼などのステージが用意されており、スコアに応じて店主のコメントが変化したりなど、完成度はプロ顔負けでした。
開発者の学生さんに話を聞いてみたところ、試作段階では画面が90度ずつ回転するような仕様だったものの、チーム内でのフィードバックの結果、大幅にゲーム性にテコ入れを加えたとのこと。
その結果、マウス操作で画面がアナログでくるくると回るという、直感的で気持ち良い操作性のゲームになっていました。
なんとこちらのゲーム、既にWebでも公開されているとのことでしたので、試遊でクリアできなかったステージはあとでゆっくり遊びました。
N高等学校・S高等学校のブースでは、VRゴーグルを用いて、キャラクターを現実空間に映し出して会話が楽しめるゲームが展示されていました。
体験してみたところ、会場の風景はそのままながら、目の前の椅子に可愛らしい女の子のキャラクターが座っていて、現実世界にキャラクターが現れたような感覚でした。
開発者の学生さんに話を聞いてみると「VRコンテンツのアプリケーションとChatGPTの技術を組み合わせるのに苦労した」とのことでした。
プロへのなんでも相談所 実際に相談を受けてみた!
「プロへのなんでも相談所」のブースでは、プログラマー、サウンドクリエイター、品質管理など、ゲームにさまざまな関わり方をしているプロたちにいろいろな相談ができました。私も、実際に相談を受けさせていただきました。
お話を伺ったのは、デジタルハーツQA事業本部 MS事業部 部長渡辺栄宏氏。
プロのミュージシャンとして音楽活動をしていたところから、ゲーム業界に飛び込んだとのこと。
渡辺氏によると、ゲーム業界に向いている学生は「好きなことに全力で取り組む人」。例えば、eスポーツに打ち込む学生はそのまま続けるべきで、ゲームを通して学んだ戦略性やチームワーク、リーダーシップが将来に活かされるそうです。
渡辺氏が管轄するチームでも、ゲーミングチームで活動している社員の方がいるとのこと。好きなことを仕事にするのは、簡単なことではないかもしれませんが、好きなことに費やした時間は無駄にはなりません。「学生は趣味に没頭し、親御さんもそれを理解してほしい」と強調されていました。
登壇者が登場し満席続出!”全10講演のセミナー
セミナーブースでは、Cygames デザイナー本部 副本部長 中村ふじ子氏や、プロデューサー ディレクター 脚本家 山中拓也氏を始めとした、豪華な登壇者らによるセミナーが全10講演開かれました。
ゲーム初心者から玄人まで、幅広い層を対象しており、どの公演もセミナールームが満席になるほどの大盛況っぷり。
質疑応答のコーナーでは「こんなに赤裸々に答えてくれるの!?」と驚くような、ここだけでしか聞けない情報が飛び出していました。
初心者でも安心 UE5&Blenderハンズオン
ゲーム作りのツールとして、UE5やBlenderは覚えておきたい制作ツールの一つです。
「UE5&Blenderハンズオン」コーナーは、そんな制作ツールを使用して実際にゲーム作りを体験できるブース。
PCの中にマニュアルと課題が用意されており、初心者でもゲーム作りの基礎を学べます。
専門スタッフの方が常駐してはいるものの、みなさん説明書を見ながらサクサクとゲームを作っていました。
Blenderを題材にしたセミナーも開かれていたので、そのセミナーを受けた上でこちらで実際に手を動かしてみたという参加者もいるかもしれませんね。
元スクエニ 経験豊富なクリエイターによるアナログゲーム制作ワークショップ
個人的に最も注目だと思ったのが、「アナログゲーム制作ワークショップ」です。
司会進行のドロッセルマイヤー商會の代表取締役、渡辺範明氏の前職はなんとスクウェア・エニックスのゲームプロデューサー。そんな歴戦のゲームクリエイターにアナログゲーム作りを教えてもらえるブースです。
約30人の参加者同士でアイデアを出して、一つのボードゲームを完成させます。
意見がまとまった後は、トランプやダイスを用いて、テストプレイを繰り返します。
ドロッセルマイヤーズは、普段のアナログゲーム制作ワークショップでは、4時間程度でボードゲームを完成させるそうです。今回のイベントではその半分の2時間でゲームを成立させるという濃密な時間を過ごしました。
このブースの趣旨からはズレるかもしれませんが、司会進行を担当した渡辺氏のファシリテートは圧巻でした。
参加者からどんなアイデアが出たとしても、それを否定することなく、アイデアが出やすい空気を維持しながらのスムーズな進行。まさに大人数のメンバーをマネジメントしてきた百戦錬磨のゲームプロデューサーだからこそできる芸当でしょう。
渡辺氏からは「最初の試作品は大体面白くない。テストプレイを繰り返して面白くしていく」「アイデアはひねりすぎる必要はない。ひねりすぎると『両替』のボードゲームを期待して購入したお客さんがガッカリする」などゲーム制作に対する重要な視点も。この二つは記事の執筆でも役立つような金言だなと個人的に思いました。
最後に「イベント参加中の中学生」に突撃インタビュー
最後に、イベントに参加した2人の生徒にインタビュー。話を伺ってみたところ、自身でゲーム開発をしているとのことでした。進路の参考のために本イベントに参加した高校生かと思いきや、なんと2人ともまだ中学3年生。自分でゲーム作りをしているBさんがAさんを誘い、イベントでセミナーを受けたり、展示ブースを回っていたりしたようです。
普段から鉄道のゲームなどを制作しているというBさんは、展示ブースで学生作品を見たことで、普段のゲーム作りの参考になったと語ってくれました。
付き添いとして来たAさんも、普段はBlenderなどのゲームエンジンを使ったゲーム作りはしていなかったものの、セミナーを聞いてモチベーションが上がったとのことでした。
イベント会場でも、2人は企業や学生の展示ブースを熱心に周り、展示されているゲームの映像を目に焼き付けていました。
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外部リンク
ゲームメーカーズ
https://gamemakers.jp/
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