大会レポート
2024.12.28
LoL最強高校はどこだ! 全日本高e決勝大会、東西通信制対決の行方
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国際教育eスポーツ連盟ネットワーク 日本本部(NASEF JAPAN)は12月28日、品川プリンスホテル アネックスタワー3階のClub eX(クラブエックス)で第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)部門」の決勝大会を開催しました。全国140チーム(76校)による予選を勝ち抜いた4チームが、日本一の座をかけて競いました。
大会の総合MCを務めるのはOooDaさん。実況はeyesさん、解説はRevolさん、アナリストはRecruitさんが務めます。試合は準決勝からスタート。準決勝はBO1、決勝はBO3〈2勝先取〉です。
準決勝第1試合 N高×八女工業高校
準決勝第1試合は西日本通信制ブロック代表のN高等学校「N1」と、西日本全日制ブロック代表の福岡県立八女工業高等学校「JGGAP脳筋」の対戦です。
試合は開始4分にN高kkkkkkkkk選手がファーストブラッド(試合で一番最初の撃破ボーナス)を獲得したところからスタート。続けてもう1撃破をとり、序盤から有利な展開をつくります。八女工業も視界を確保しようと動きますが、N高側のレベルが高く、各個撃破されてしまいます。12分時点で撃破数は6対0。八女工業が戦闘を避けるようになり、中盤は静かに時間が過ぎていきます。その間にお互いが育成を進めますが、最初に付けられた有利が埋められないままN高が押す構図になります。
21分台、ついに集団戦が発生。ボーナスがもらえる中立モンスターのドラゴンの撃破を狙うN高を、八女工業が背後から奇襲。有利な状況で仕掛け、戦いの流れもスムーズだったのですが、レベルや資金の差で押し切られ全滅。続く25分の集団戦も八女工業が理想的な襲撃のかたちを作りましたが、攻撃をうまく当て続けることができず、チャンスを逃して再び全滅。勢いのついたN高は、そのまま復活してきた八女工業のメンバーを撃破。序盤に強い編成でしっかり有利な状況をつくることができたN高が勝利しました。
準決勝第2試合 県立岐阜商業高校×ルネサンス高校横浜
準決勝第2試合は、東日本全日制ブロック代表の岐阜県立岐阜商業高等学校「県岐商eスポーツ部」と、東日本通信制ブロック代表のルネサンス高等学校横浜キャンパス「がってぃんてぃんEX」の対戦です。
ファーストブラッドを獲得したのは県岐商。1対1かと思わせてからの人数差をつくる不意打ちが成功しました。続けてもう一つ撃破を取って勢いをつけたものの、人数差があるコトに気が付かず奇襲。ルネ横浜が返り討ちにします。ただ、その後も県岐商は積極的にスキをついていきます。ただ、今度は逆にルネ横浜が人数差をつくっての奇襲をしかけ、集合が間に合わなかった県岐商4人を撃破して集団戦に勝利。一気に優位に立ちます。
その後の戦闘では、県岐商の「相手が複数人なのか、少人数なのか」の判断がうまくいかず、ルネ横浜のチームワークに押されます。23分には県岐商の陣地の目前でルネ横浜が襲撃。撃破数は8対14と差が開きます。最後はルネ横浜チーム内で意見が割れてスキを見せていたものの、県岐商は判断が遅れてしまいアクションを起こせず、ルネ横浜がリードを生かした攻めで決勝への切符を手にしました。
決勝戦 N高×ルネサンス高校横浜
決勝戦はN高等学校「N1」とルネサンス高等学校横浜キャンパス「がってぃんてぃんEX」がBO3で戦います。
決勝戦 1戦目
1戦目、序盤から戦闘が発生し、ファーストブラッドはN高がとったものの、ルネ横浜もすぐに撃破を取り返し1対1。ルネ横浜はソロキルとるなど個人技の高さも見せます。するとN高も撃破を取り、一進一退の攻防が続きます。そのなかでもN高のエースであるkkkkkkkkk選手が狙われる機会が多く、思うように進行できません。17分にN高が仕掛けた集団戦では、即座に反撃に転じたルネ横浜が勝利。少しずつ差が出てきます。
23分のドラゴンをめぐる読みあいで、ルネ横浜がN高が隠れている位置を読みあて奇襲を阻止。後退するN高を追いかけルネ横浜が3撃破とドラゴンを獲得しました。ルネ横浜はダメージを出せて攻撃をよけるのも上手な馬と鹿選手を中心とした戦略で、集団戦で連勝。そのまま勝利をもぎ取りました。
決勝戦 2戦目
2戦目は、1戦目の敗因を分析してバン/ピック。その功が奏してN高はファーストブラッドから連続3撃破を獲得します。8分、2対2の場面では、ルネ横浜の馬と烏選手が相手二人の動きを止めて一気にダメージを稼いだことで、N高の増援があっても1撃破ずつで痛み分け。続く集団戦ではN高がアルティメットを連発してルネ横浜の馬と鹿選手を撃破。N高はだれも撃破されずに1撃破をとりましたが、アルティメットを消費したためこちらも痛み分けになります。
18分に中央レーンで発生した集団戦では、N高が作戦通りの動きでルネ横浜の面々を押します。N高が有利な状況を作りますが、ルネ横浜もただやられているだけではありません。確実な人数差をつくってN高を各個撃破することで、ドラゴンを狙いやすい状況をつくり、そのまま獲得。逆転の目を作ります。
24分で発生した集団戦では、N高がルネ横浜の馬と鹿選手を狙うあまり、ルネ横浜のRavy選手が暴れることを許してしまい、不利な状況に。N高3撃破、ルネ横浜4撃破と、ついに戦況が変わり始めます。バロンをめぐる戦いでは、ルネ横浜が背後から攻められる構図となり、バロンをあきらめ1撃破を取ります。ここでついに形勢逆転。集団戦でも勝利し、バロンとドラゴンを獲得。そのままルネ横浜が攻め上がり、逆転勝利を納めました。
表彰式
優勝に輝いたルネサンス高等学校横浜キャンパス「がってぃんてぃんEX」のリーダー JDG Kanaevi(カナエヴィ)選手は、「めちゃめちゃうれしいです。1戦目に気合が入りすぎて2戦目前半で少し息切れしてしまったのですが、一旦落ち着いたらしっかりプレーすることができました」とコメントしました。
続けて馬と烏選手「素直にうれしいです。ほっとしています」、Ravy選手「N高は強かったです。去年準優勝で悔しかったので、今年優勝することができてよかったです」、馬と鹿選手「率直にうれしいです。今日、1試合目は少し調子が出ませんでしたが、2試合、3試合と調子を上げることができてよかったです。トロフィーが重さは、応援してくださった皆さんの想いを表しているんだと思いました。ありがとうございました」、沼と骨選手「ミスをした場面もありましたが、勝ててよかったです。今日は牛肉が食べたいです」、リザーブのR0Y選手「リザーバーとしてできることはやってきたので、今日はただ見守っていました。決勝2戦目の前半はハラハラしましたが、勝ててよかったです。チームが誇らしいです」と、それぞれコメントしました。
準優勝したN高等学校「N1」のgomakata選手は、「自分のせいで負けてしまったようなものなので、申し訳ないです。この結果を、次につなげていきたいです。準優勝まで来ることができたのも、応援してくださった皆さんのおかげなので、ありがとうございました」と話しました。
3位の福岡県立八女工業高等学校「JGGAP脳筋」のZephyra選手は、「準決勝で勝てなくて、後輩の想いに応えることができなくて悔しいです。部員や皆さんの応援があって今この場にいるので、本当にありがとうございました」と話しました。
3位の岐阜県立岐阜商業高等学校「県岐商eスポーツ部」の0cyan0選手は、「負けてしまったことは悔しいですが、次の大会まで修正して挑みたいと思います。応援してくださった方々、ありがとうございました」とコメントしました。
また、大会に参加するにあたって、仲間はもちろん、対戦相手にも誠実にプレーした選手に贈られるベストフェアプレー賞は、福岡県立八女工業高等学校「JGGAP脳筋」Hannah選手が受賞しました。NASEF JAPANの松原昭博理事長は、「大会準備から協力的かつ、準決勝で敗退後、負けて悔しいなかでも対戦相手や観客に一礼をして降壇していった姿勢を評価したいです」と理由を述べました。これを受けてHannah選手は、「そうした作法を指導してくださった先生や家でおいしいごはんを作って待ってくれていた家族、一緒に大会につれてきてくれたチームメイトに感謝しています」と話しました。
12月29日は、同じ会場で11時からVALORANTの決勝大会です。こちらもお見逃しなく!
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外部リンク
第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権
https://nasef-nhec.jp/
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