大会レポート
2024.12.29
最後まで目を離せない激闘! 全高e「VALORANT部門」オフライン決勝
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国際教育eスポーツ連盟ネットワーク 日本本部(NASEF JAPAN)は12月29日、品川プリンスホテル アネックスタワー3階のClub eX(クラブエックス)で第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権(全高e)「VALORANT部門」の決勝大会を開催しました。全国255チーム(151校)による予選を勝ち抜いた4チームが、日本一の座を競いました。
総合MCを務めるのはOooDaさん、実況は岸大河さん、解説はyueさん、アナリストはRetloffさんが務めます。試合は準決勝が1戦、決勝が2戦先取で勝利となります。
準決勝第1試合 ルネ大阪(梅田) VS. 第一薬科大学付属高校(福岡)
準決勝第1試合は、西日本通信制ブロック代表のルネサンス大阪高等学校梅田eスポーツキャンパス「Haven Liberty」と、西日本全日制ブロック代表の第一薬科大学付属高等学校福岡キャンパス「POG」の対戦です。
前回優勝チームのルネ大阪(梅田)「Haven Liberty」がディフェンダーサイドでゲームスタート。マップはバインドです。POGは2年間一緒に取り組んできたチームだからこその息の合った動きを見せますが、強豪チームの高い実力に押されます。3ラウンドにはHaven LibertyがACE(一人で相手全員を撃破)を獲得。3ラウンド先取された4ラウンド目、負け続きで資金が乏しいために、思うように武器が購入できない“エコ”ラウンドでしたが、ねむいちゃん選手が2連続撃破で人数有利をつくって勝利。1ラウンド取り返します。
5ラウンドの前に技術的な問題で一旦ゲームがストップ。資金をならした状態で再スタートしたところ、今度はPOGがACE獲得。POGはアビリティや角から顔を出すタイミングを合わせることで有利な状況を崩さない攻めで、7ラウンドを獲得し1ラウンドリードします。地力で勝るHaven Libertyに勝つには有利な状況を作るしかないと、人数有利で戦闘することを意識して動きます。ただ、うまく分断できないと複数人が同時に撃破されてしまうリスクがあり苦戦。攻守交替後、Haven Libertyは徹底してお互いをカバーする陣形で堅く攻め、13対5で勝利しました。
準決勝第2試合 自由ヶ丘学園高校 VS. ルネサンス池袋
準決勝第2試合は、東日本全日制ブロック代表の自由ヶ丘学園高等学校「No Info」と、東日本通信制ブロック代表のルネサンス高等学校池袋キャンパス「Queimar」の対戦です。
マップはバインドでNo Infoがディフェンダーサイド。No InfoのQu1ncey選手が会場に響き渡るほどのコールでメンバーを鼓舞し、勢いをつけて比較的有利な前半を駆け抜けます。6-3まで差をつけましたが、ここからQueimarが反撃。少しずつ確実に前線を押し上げる戦法で的確にスキをつきます。No Infoはエリアへの侵入を防ぎたいところですが、フォローが間に合わず侵入を許す機会が増えていきます。Queimarは一度エリアをとったら強固な守りで確実にラウンドを取得。No Infoはsnowyday選手を中心に反撃しますが、攻守が後退する折り返し時点では、ほぼイーブンに持ち込まれます。
後半、一丸となって攻めようとしたNo Infoを、狭い通路でQueimarが一網打尽に。同じ展開が2回続き、15ラウンドでQueimarがついに7-8で逆転します。調子のあがってきたQueimarは、前半に比べて少し積極的に攻める姿勢です。17ラウンドにはCru775選手が驚異的なエイム力を見せ会場を沸かせました。ゲームの流れを掌握したQueimarがそのままマッチポイントを取って、決勝への切符を手にしました。
決勝戦 ルネサンス池袋 VS. ルネ大阪(梅田)
決勝戦は、ルネサンス高等学校池袋キャンパス「Queimar」と、ルネサンス大阪高等学校梅田eスポーツキャンパス「Haven Liberty」の対戦です。
決勝1戦目
決勝戦 1戦目のマップはスプリットで、Queimarがディフェンダーでスタート。Haven Libertyは前回王者としての実力を余すことなく発揮し、6ラウンドまでストレートで勝利します。Queimarはそれまでの反省を生かし、一度確保したエリアを取り返されないよう守りを固めてようやく1ラウンド取得。3-9で折り返します。Queimarの守りを崩せないHaven Liberty。状況を打開できないままマッチポイントまで持ち込まれます。しかし、そのまま負けるわけにはいかないと、ついにQueimarがエリアを確保して守りに入り、ラウンドを取り返しました。ここから反転攻勢に出てラウンドを一気に取得し7-12。Queimarは善戦しましたが、Haven Libertyがとどめをさして1戦目に勝利しました。
決勝2戦目
決勝戦 2戦目のマップはアビス。優勝に王手をかけたHaven Libertyが攻め側でスタートです。1ラウント、2ラウンドはそれぞれが取りましたが、その後は4ラウンド連続でHaven Libertyが取得。7ラウンドはQueimarがアルティメットを複数使用して強引にラウンドを取ります。ここから少しずつ戦績を伸ばし、5-7まで取り返して攻守を交代します。
後半、Queimarが2ゲームを先取しますが、Haven Liberty ibu選手がエリアへの侵入をすべて防ぐ活躍を見せ15ラウンドを取得。その次のラウンドではまたQueimarが勝利すると、一進一退の攻防を繰り広げます。17ラウンドにはついにQueimarが逆転。Haven Libertyは精度を欠く動きが目立ち始め、そのスキをつくかたちでQueimarが一気に12-8まで盛り返します。マッチポイント、Queimarが人数有利を作ったものの、Haven Libertyのkawanzin選手が猛威を振るい最後はQueimarのusagi選手との一騎打ちに。先にkawanzin選手が撃ちますが、わずかに狙いが外れ、usagi選手は弾を外しませんでした。Queimarが勝利して、3戦目にもつれ込みます。
決勝3戦目
決勝3戦目のマップはヘイブン。Haven Libertyが守り側です。これまでの2戦と同じように序盤はHaven Libertyが有利に進めます。会場がわいたのは4ラウンド目。QueimarのFlorence選手がスモークの中からブリンクで敵の眼前に瞬間移動し、ブレードストームを命中させたシーンでした。その後もHaven Libertyの優勢が続き、10-2で折り返しとなります。Queimarは1ラウンドを取り返しますが、12-3でHaven Libertyのマッチポイント。このまま勝負が決まるかと思いきや、Queimarが16、17ラウンドと連取。意地を見せましたが、Haven Libertyが装備を整え、優勝をつかみました。
表彰式
優勝に輝いたルネサンス大阪高等学校梅田eスポーツキャンパス「Haven Liberty」のibu選手は、「2連覇できてめちゃくちゃうれしいです。決勝戦2マップ目を落としてヒヤヒヤしましたが、声を出すことで気持ちをリセットしたことで、練習の成果を出せて2連覇できました。3年生最後の大会で勝てて、ことだらけの一日でした。このメンバーは本大会が最後。応援してくださって、ありがとうございました」。
kawanzin選手は「めっちゃ緊張していたので、ほっとしています。決勝戦で2マップ目を落とした時は焦りましたが、控室で気合を入れなおしたら、気持ちも入れ替えることができて、勝てました」。misiranu選手は「優勝できてうれしいです。このメンバーは最後なので、勝つことができてよかったです」。nokiss選手は、「オフラインでは初めての優勝で、うれしいです。決勝2マップ目では全然活躍できませんでしたが、使用するエージェントを切り替えることでパフォーマンスを発揮できました」。one選手は、「自分としてはうまくいかなかった部分も多くあったので悔しいこともありますが、勝ててよかったです。ibu選手がうるさいくらい声をよく出してくれたおかげです」と、それぞれコメントしました。
準優勝のルネサンス高等学校池袋キャンパス「Queimar」のFlorence選手は「2マップ目をとれたので行けると思ったのですが、取れずに悔しいです。日頃からお世話になっている家族や講師の方、応援してくださっている皆さんに感謝を申し上げます。ありがとうございます」と話しました。
3位の第一薬科大学付属高等学校福岡キャンパス「POG」のsanshi選手は、「もっと取れるラウンドはあったと思います。ただ、取れたラウンドは、練習試合で上手くいったことがうまくいったから勝てたので、全体的に楽しかったです。会場まで応援しに来てくださった方、ありがとうございました。また、練習や指導など、いろいろ関わっていただいた方々にもありがとうございました。メンバーは変わると思いますが、部活は残るので、引き続き応援をお願いいたします」とコメントしました。
同じく3位の自由ヶ丘学園高等学校「No Info」のSyrexSleepy選手は、「準決勝、折り返しの時点では拮抗していたのでいけるかも!と思っていたのですが、攻めが1本も通せず、悔しい気持ちでいっぱいです。先生、コーチ、家族の皆さん、私たちから皆さんにお礼を言いたいと思います。ありがとうございます」と話しました。
また、大会に参加するにあたって、仲間はもちろん、対戦相手にも誠実にプレーした選手に贈られるベストフェアプレー賞は、ルネサンス高等学校池袋キャンパス「Queimar」のFlorence選手が獲得しました。理由について、NASEF JAPANの松原昭博理事長は「大会校や運営に礼儀正しく、試合前には客席に一礼をする面、メンバーへの積極的な声かけによる雰囲気づくりやメンバーからの信頼を感じられる面、この2点から選出しました」と説明。Florence選手は、「すごくうれしいですが、優勝できなかったのが悔しいです」と話しました。
実況を務めた岸大河さんは、プロシーンにも迫るほどの実力に育ってきていると講評。続けて総合MCのOooDaさんが「こうして大会に出ることができるのも、部活として取り組めるのも、選手の皆さんの努力はもちろんですが、先生や親御さんのおかげ、ということは忘れないでいただきたい」と締めくくりました。
VALORANT部門の決勝大会で第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権は終わりですが、最後に第3回の開催も発表されました。競技は今回と同様に「フォートナイト」「リーグ・オブ・レジェンド」「VALORANT」「Apex Legends」「ストリートファイター6」の5競技。決勝大会は12月を予定しています。次なる高校生たちのアツい戦いに向けた準備は、もう始まっているようです。
(c) 2024 Riot Games, Inc. VALORANT and any associated logos, are trademarks, servicemarks, and/or registered trademarks of Riot Games, Inc. Used With Permission.
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外部リンク
第2回 NASEF JAPAN 全日本高校eスポーツ選手権
https://nasef-nhec.jp/
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