大会レポート

2025.03.05

スト6プロリーグ「SFL:Pro-JP 2024」の集大成! 3000人規模のグランドファイナル会場レポート

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 8月より開催してきた「ストリートファイター6(スト6)」のプロリーグ「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2024(SFL)」の集大成であるSFLグランドファイナルが、2月11日にパシフィコ横浜で開催されました。

 グランドファイナルは、DIVISION Sのリーグ本節、プレイオフを勝ち抜いてきたGood 8 Squad(G8S)と、DIVISION Fのリーグ本節、プレイオフを勝ち抜いてきたYogibo REJECT(RC)との対戦です。結果としては90-40でG8Sが勝利しました。

 G8SはSFL Pro-JPの日本チャンピオンとして、3月9日に行われるSFLワールドチャンピオンシップへ出場し、北米のSFL Pro-US、EMEAのSFL Pro-EUのチャンピオンと世界一を争います。

会場の写真
パシフィコ横浜で行われたSFLグランドファイナル
優勝チームの写真
勝利したG8S


 グランドファイナルは本節と同様に、3対3の星取戦の団体戦で行われます。2先の先鋒・中堅戦で勝利したチームには10ポイント、3先の大将戦で勝利したチームには20ポイントが入ります。本節の場合は20-20の同点になった場合、1先の延長戦が行われ、勝利したチームに5ポイントが入りますが、グランドファイナルはそのまま次の巡目に移行します。

 プレーオフでは先に70ポイントを獲得したチームが勝利となりましたが、グランドファイナルでは勝利までのポイントが増えており、90ポイント獲得で勝利となります。一巡で最大40ポイント獲得できるため、最短で3巡目、最長で5巡目で決着がつきます。

 対戦は本節やプレーオフと同様にホームアンドアウェイ方式を採用しており、アウェイ側が先に出場する選手とその順番を発表します。ホーム側は対戦ごとに出場する選手を発表するため、誰が来るか分からないアウェイ側と相性の良い対戦相手にかぶせられるホーム側という構図ができ、ホーム側が有利になると言えます。

 グランドファイナルでは、それぞれのDIVISIONで本節の獲得したポイントが高い方が一巡目にホーム側となるため、RCがホームスタートとなります。二巡目以降は巡目が変わるごとにホームとアウェイが入れ替わります。

試合形式のスライド
グランドファイナルの試合形式
G8Sの写真
DIVISION Sを勝ち抜いたG8S
RCの写真
DIVISION Fを勝ち抜いたRC
結果一覧
各巡目とその結果


 本節ではベガを使用し、プレイオフではジュリを使ったG8Sのぷげら選手ですが、グランドファイナルではDeeJayを選択。昨年の使用キャラを対LeShar選手の隠し球として投入したかたちです。ただ、一巡目と二巡目は緊張もあり、思うような動きができず、LeShar選手とあきら選手に連敗しますが、身体が温まってきた三巡目からは連勝。対LeShar選手については、ぷげら選手が負けたあとは即座にカワノ選手に切り替えていました。どうやらG8SはRCのエースであるLeShar選手の対策をすべてのメンバーで行える準備をしてきたようです。

選手の写真
グランドファイナルの大舞台でDeeJayを出してきたぷげら選手
選手の写真
攻撃的なキャミィでG8Sを苦しめたあきら選手


 カワノ選手は二巡目でLeShar選手に勝利。試合は一進一退の互角の勝負でしたが、ミスをほとんどしないLeShar選手が、ここにきてミスを連発。最後も勝ち確の状況からコンボミスでとどめを刺せず、逆転負けを喫します。ぷげら選手同様にLeShar選手も何らかの事情でいつもの動きができていなかったのではないでしょうか。

選手の写真
選手としてだけでなくリーダーとしてチームを牽引したときど選手
選手の写真
チームメイトの大将を託した采配を行ったガチくん選手


 三巡目はアウェイのG8Sが逆三タテを決め、ポイントが80ポイントに到達。次の試合からはどのタイミングで勝利しても優勝となります。ここでRCは先鋒にあきら選手を指名。あきら選手とは1勝1敗のイーブンながら上り調子のぷげら選手が出陣します。ここでぷげら選手が決めきり、G8SがSFL Pro-JPの優勝チームとなりました。

選手の写真
SFLを盛り上げた第一人者と言えるLeShar選手
選手の写真
グランドファイナルの大活躍で年間MVPも受章したカワノ選手


 結果的には大きくポイント差がつきましたが、試合は接戦でした。二巡目の大将戦でLeShar選手が勝ち確を逃していなければ、結果は逆になった可能性は十分にあるでしょう。

選手の写真
グランドファイナルで出番はなかったものの
抑止力として存在感を出していたYHC-餅選手(写真左)
選手の写真
同じく出番はなかったものの
全力でチームメイトを鼓舞していた鶏めし選手(写真左)

忍ism Gaming、ZETA DIVISIONへ継承

 これで半年間にわたって行われてきたSFL Pro-JPが閉幕しました。今年から二つのDIVISIONに分かれて対戦し、参加チームも過去最大の12チームです。必然的に試合数も多くなりましたが、本節の配信は昨年以上に視聴者が増えており、配信がある週は1、2回の頻度の高い配信ながら、5~10万の同時接続者数を達成していました。開催回数が少ないトーナメント戦や世界大会ではなく、リーグ戦でこれだけの視聴者数を数えるのはなかなか見られないので、SFLの人気の高さがうかがえます。

 試合後の表彰式では、カプコンの辻本社長が登壇し、2025年シーズンの開幕も発表しています。今年と同じ二つのDIVISION制の12チームの参加ですが、そこにはZETA DIVISIONの名がありました。直前に忍ism Gamingがチーム活動を休止することが発表されており、忍ism Gamingの活動を継承する形でZETA DIVISIONがSFL入りすることになります。また、それに伴い、忍ism Gamingのオーナーであるももち選手こと百地祐輔氏がスーツ姿で登壇し、これまでの感謝を述べていました。

選手の写真
スーツ姿で登壇した百地祐輔氏

変わりゆくオフライン会場

 さて、イベントとしてのグランドファイナルを振り返ってみたいと思います。今回はパシフィコ横浜 ホールDを使用し、約3000人が来場しました。2019年は品川プリンスホテルのClub eX(100人規模)、2023年はTFTホール(1000人規模)、2024年は新宿三角広場(2000人規模)と、回を追うごとに会場が大きくなっていき、いよいよ3000人規模の大会となりました。まだ本節が開催中にグランドファイナルのチケット販売を開始したため、どのチームが残るかわからない状態でした。そのため、チームの応援席を設けるのは難しかったものの、大まかにG8S側、RC側などと分けても良かったかもしれません。

 例えば、昨年10月に両国国技館で開催された「VALORANT」の大会「Red Bull Home Ground」では、日本チームのDFM応援席とZETA応援席を販売しました。大会中には応援席から度々DFMやZETAのコールが起こっていましたが、これも応援席にいる観客が全員同じチームを応援しているからこそできることだと思います。隣に座っている人が自分と同じチームを応援しているかどうかわからない状態では、周りを巻き込んでチームを鼓舞する行為は難しいでしょう。

会場の様子の写真
会場は盛り上がっていましたが、チーム分けすることで、
さらに盛り上がれるのではないかと感じました


 試合はホームとアウェイが固定され、巡目ごとにチームが入れ替わっていましたが、チームの位置を固定したほうが応援席との連携も図りやすいと思います。チケットに関してもS席は瞬殺で完売しており、もう少しS席の用意を増やしてもよかったかもしれません。プレイオフが終わってからグランドファイナルまで1カ月あったので、チケットの売り出しもチームが確定してからでも遅くないはず。販売期間が長くなることで購買率が上がるということもなさそうですし、回を重ねたことにより、集客も十分に見込めるようになったのではないでしょうか。

 会場にはCrazy Raccoon(CR)を除くSFL参加の11チームがブースを展開し、物販や選手とのミート&グリートを行いました。また、協賛メーカーである太陽ホールディングス、タビオ、ふもっふのおみせ、そしてカプコン公式グッズの物販ブースも用意されていました。各ブースが混み合わないように、会場には別枠で各ブースの待機列を整備。どの待機列も長蛇の列ができており、人気の高さがうかがえました。

 今年から二つのDIVISIONに分かれたうえ、SFL全体でのオフイベントがなかったので、全チームが一堂に会して集まるのは今回がおそらく初となるのではないでしょうか。そういう意味ではグランドファイナルの決戦だけでなく、決勝に残れなかったチームのファンにとってうれしいイベントとなったはずです。それだけにCRがブースを出していなかったのは本当に残念でなりません。

選手の写真
Fav gamingのsako選手(写真左)とts選手(写真右)
各ブースの写真
プロゲーマーと対戦できた広島Team iXAブース(左上)
G8Sブース。試合があるので当然選手はいないが賑わっていた(右上)
5月リリース予定の「カプコン ファイティングコレクション2」
試遊コーナー(左下)
Tabioではコラボ靴下を販売していた(右下)
ブースの写真
ふもっふのおみせでは、
ラピッドトリガー搭載のレバーレスコントローラーのお試しも
ブースの写真
太陽ホールディングスでは、
キャラクターの顔の前にコラボチョコを貼り付けており、
ひとり3つまで取ることができた。
最終的にはすべてのキャラクターの顔を見ることができた
ブースの写真
公式グッズショップ。
公式グッズはすぐに売り切れになるイメージだが、結構残っていた。
インターバルごとに長蛇の列ができていたので、
売れていないのではなく、しっかりと数を用意していた様子
ブースの写真
名古屋NTPOJAブース。訪れた時は選手全員が揃っていた
ブースの写真
DetonatioN FocusMeブース。
選手4人に加え、ストリーマーのなるおさんも参上
ブースの写真
Saishunkan Sol 熊本ブース。
ネモ選手とひぐち選手がおり、撮影会が開かれていた
ブースの写真
VARRELブース。この時は水派選手とマゴ選手がいましたが、
交代でもけ選手とだいこく選手が対応していた
ブースの写真
声優の芦澤佳純さんも訪れており、
インターバル中に実況席でサムライエナジーをオススメしていた
選手の写真
FUKUSHIMA IBUSHIGINの翔選手(写真左)とヤナイ選手(写真右)
選手の写真
CAGのGO1選手(写真左)とえいた選手(写真右)
選手の写真
ドミニカ共和国のmenaRD選手が観戦に来ていた
選手の写真
大会終了後に忍ism Gamingの選手、スタッフを撮影させていただいた


 SFLグランドファイナルがここまで拡大し、多くの観客に支えられるようになったことは喜ばしい限りです。来シーズンのグランドファイナルがさらに大きな規模になるかどうかは未知数ですが、より多くの観客が楽しめる大会の開催を期待しています。個人的には、グランドファイナルの会場を固定し、聖地的な場所を確立してほしいと考えています。できれば、イベントホールのような平場に椅子を仮設するのではなく、常設の椅子が設置された階段状、もしくはすり鉢状の施設が望ましいと思います。

 これをもって、多くの「スト6」のプロ選手たちの2024年シーズンが終わりを迎えます。今は英気を養って、新たな気持ちで2025シーズンの開幕に臨んでほしいと思います。

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外部リンク

ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2024(SFL)
PLAYOFFS&GRAND FINAL(プレイオフ&グランドファイナル)
https://sf.esports.capcom.com/sp/sfl/2024/final/

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