解説
2024.01.04
オンラインゲームの「チート」とは?なぜダメなのか、過去の逮捕事例などを解説
- 解説
オンラインゲームをプレーしているなら、一度は「チート」「チーター」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
特にオンラインゲーム初心者の方は、通常ではありえないプレーが可能となるチートツールに興味を惹かれるはずです。
今回は、オンラインゲームにおける「チート」とはどんなものなのか、なぜ「やってはいけない」と言われているのか解説します。ほんの軽い気持ちで手をだしただけなのに逮捕に至ってしまう可能性もある危険なものなので、安全にオンラインゲームをプレーするためにも目を通しておきましょう。
大前提としてチートは絶対にしてはいけない!
オンラインゲームをプレーする上で、チート行為はいかなる理由があっても絶対にしてはいけないことです。プレーするゲームタイトルの規約違反になるだけでなく、場合によっては法律にも抵触する行為で、実際に逮捕に至ったケースもあります。
「チート行為は絶対にしない」ことを前提として、チート行為とは具体的にどんなものなのか、なぜしてはいけないのか、チート行為をしてしまうとどうなるのかを説明します。
オンラインゲームにおける「チート」とは?
「チート」は、いかさま・詐欺といった意味を持つ英単語「cheat」から派生した言葉です。オンラインゲームでは、ゲーム機器やシステムデータを不正に改造して自分に有利な状態を作り出すことを指し、このチート行為を行うプレイヤーを「チーター」と呼びます。
オンラインゲームは、全プレイヤーが一定のルールのもとプレーし、その腕前を競うことが原則です。その前提が崩れてしまうチート行為は、利用規約で禁止されているのが普通です。
チートは犯罪行為!
オンラインゲーム上のチート行為は、ゲーム会社が保有する著作権の侵害・電子計算機損壊等業務妨害罪などにあたります。
実際にチート行為を行うのはもちろん、それを可能とするプログラムを作成して提供する行為も同様に犯罪になります。
警視庁のホームページ(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/cyber/notes/cheat.html)でも、「チート行為はやめましょう!」と題して注意喚起がされているので、こちらも参考にしてみましょう。
生徒たちの間でチート行為に手を染めてしまう人が増えている
近年、中学生などの生徒が軽い気持ちでチート行為を行ってしまう例が増えているそうです。試合に勝ちたいから、正規のプレーではできない動きが楽しいから、など理由はさまざまですが、チート行為を行ったことが発覚すれば年齢に関わらず重い処分を受けることになります。
TwitterなどのSNSには、「チート代行」として有料でチート用のプログラムの提供や実行を請け負う業者が存在します。危険な行為であることに変わりはないので、このような業者にチート行為をお願いするのも絶対にやめましょう。
MODやバグとの違い
チート行為と混同されやすいものに、「MOD」や「バグ」があります。
MODは、“追加要素によってゲームをより面白くする”ことを目的で作られているものです。システムデータに手を加えるという意味ではチートと同様ですが、他プレイヤーに迷惑をかけず、あくまでも楽しみを増やす目的で導入されるのがMODに含まれるニュアンスです。そのため、これは禁止されていないことがほとんどです。(ただしゲームによっては規則で禁止されているものもあります。MOD利用の際は必ず規約などをよく読んだ上で導入しましょう)
バグは“ゲーム中に発生する、開発側が意図しない動作”のこと。これは開発側の確認不足やミスが原因で、プレイヤー側は正規の手段でプレーしていても稀に起こってしまうものです。
意図的にバグを利用してゲームを有利に進める行為もチートと同様に禁止されることが多いですが、タイトルやバグの種類によっては容認される場合もあります。
プレー中にバグに遭遇したときは、それが他のプレイヤーや開発側にどれだけ認知されていて、どのように取り扱われているのかを調べてみてください。もし誰も再現していない、報告していないものであれば、そのゲームのフォーラム(運営)に報告して知らせてあげましょう。
チート行為の例
オンラインゲームで行われるチート行為には、具体的にどんなものがあるのかを紹介します。
チートツールを使って不正にゲームをプレーしても、それが発覚すればすぐにアカウントを停止されることがほとんどです。魅力的に感じるからといって、手を出さないようにしましょう。
自分の手持ちキャラ・アイテムを最強にする
チートの代表例の一つとして、自分が保有しているキャラクターやアイテムのデータを書き換えて、通常ではありえないほど強い設定にする、というものがあります。
不正に体力を増やしたり、攻撃の威力や移動速度を上げたりするプレイヤーがいると、公平な環境で対戦できなくなってしまいます。
ゲーム内の通貨を効率よく集める
またこちらもチートとしてはメジャーですが、通常は時間をかけて集めることが必要なゲーム内通貨(アイテムとの交換やガチャで消費するもの)を瞬時に増やしたり、一度に集められるペースを上げたりする、というものがあります。
欲しいアイテムをすぐに手に入れたり、キャラクターのレベルを速く上げたりするユーザーがいると、正規の方法でプレーするユーザーが不利になってしまいます。
有料アイテムを無料で手に入れる
本来は有料で販売されているアイテムのシステムを改造し、無料で入手できるようにする、というチートもよくあります。
これでは限られた資金の範囲内で正規に購入している他ユーザーが不利になってしまい、ゲームの運営会社にとっては売上損失に直結します。
ゲームの結果を書き換える
ゲームサーバーに記録されている試合の結果や、進行中の試合の状況に関するデータを書き換えるという少し手が込んだものも代表的です。
これが許されてしまうと他プレイヤーの成績にも影響し、ゲームバランスに非常に大きな影響を与えてしまいます。
通常よりも見える範囲や情報が増える
通常プレー時に比べて、試合に勝つことが容易になるような仕様を追加する、といったタイプのチートもあります。
例えばFPSであれば、敵プレイヤーの詳しい位置をマップ上で確認できたり、エイムを自動的に合わせたりできます。これでは、プレイヤーの腕は関係なくなってしまい、敵の位置を探っていくというFPS本来の魅力も損なわれてしまいます。
チート行為はなぜ問題視されている?
では、チート行為を行うことによってどんなデメリットが生まれるのか、なぜそれが問題視されているのかをここから解説します。
ゲームが不公平になり、対戦相手や運営会社に迷惑をかける
チート行為を行うユーザーが一部存在することによって、開発者がゲームバランスを考えて構築したシステムが成り立たなくなり、プレイヤー間で不公平が生まれます。実際にオンライン対戦でチーターに当たってしまった時を思い出してください。正規のプレーでは絶対に太刀打ちできないチーターがいる環境では、プレーしていても全く面白くありません。
さらに「あのゲームはチート行為が横行しているから」とユーザーが減少してしまうと、ゲームの運営会社にとっても大きな損害となります。チート行為は、対戦相手となるユーザーの楽しみや運営会社の利益を奪い、大きな損害を与えてしまいます。
運営側にチート対策の負担をかける
正しくプレーしているユーザーがゲームを楽しめる環境を維持し続けるため、ゲームの運営会社はチートを使用するユーザーへ日々対処しています。
そもそもチートを使うような悪質なプレイヤーがいなければ、運営会社はこのような対策に追われる必要もありません。つまりチート行為は、本来運営会社が有意義に使える時間や人員を無駄にし、業務を妨害しているとも言えるでしょう。
チート行為をするとどうなる?
では、実際にチート行為に手を染めたプレイヤーは、どのような扱いを受けるのでしょうか。具体的にどのような処分が下されるのか解説していきます
アカウントが停止される可能性がある
チート行為は、ほぼすべてのオンラインゲームの利用規約で禁止されています。チート行為が発覚したプレイヤーには、規約に違反したとして、アカウント停止の措置が取られます。
運営会社の判断によって一定期間の停止処分で済まされる場合もあれば、そのゲームから永久追放、つまり出禁になることもあるので、これからも楽しくプレーしていきたいなら、ルールは必ず守りましょう。
損害賠償を請求される可能性がある
チート行為によって他のプレイヤーや運営に迷惑をかけ、結果的にゲーム会社へ損害を与えたと判断された場合には、ゲーム会社から損害賠償を請求される可能性もあります。
チートを使った加害者側が自身に稼ぎがない、あるいは少ない学生だった場合は、保護者が代わりに責任を負うことになります。つまり自分自身だけでなく、周りの人にも迷惑をかけてしまいます。絶対に手を出さないように注意しましょう。
過去には逮捕者が出た例もある
チートツールの使用や提供(販売)を行い、法律に抵触して逮捕に至った例も数多くあります。
中でも2020年、スマートフォン向けゲーム「荒野行動」を開発・提供しているNetEaseGames社が、ゲーム内でチート行為をはたらいた日本人プレイヤー複数名に対して刑事告訴を行ったことは大きな話題となりました。
この事例では、チート行為が「電子計算機損壊等業務妨害罪及び著作権法違反」に該当すると認められています。
その他にも、オンラインゲームのチート行為に関する逮捕事例は後を絶ちません。以下はその一部です。
〈オンラインゲームのチート行為に関する逮捕事例〉
・有料アイテムを課金せずに入手するチートアプリの売買に関与(男子高校生など7人)
・所持キャラクターのステータスを書き換えるチートツールを作成、Webサイトなどで公開(男子大学生)
・本体を改造したうえでチートアプリを組み込んだスマホ端末を販売(19歳)
ゲームに直接氏名や住所などの個人情報を紐づけていなくても、違法行為が認められればアカウントの持ち主がどこの誰なのかはすぐに特定できます。これらの判例を見れば年齢は関係なく、未成年者や学生であっても逮捕される可能性は十分にあるということがわかります。自分や周りの人の立場を守るためにもチート行為は絶対にしないでください。
何があってもチートには手を出さないこと!
チート行為はゲームの規約だけではなく法律にも違反し、実際に逮捕された例もあります。絶対にやってはいけないことです。いわゆる代行業者にチートをお願いすることも、同様に罪に問われる危険性があります。
いかなる理由があっても、どんな形であっても、チートには手を出さない、ということを肝に銘じて、安全に正しくオンラインゲームを楽しみましょう。
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