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2024.05.01

「ビットレート」とは?ゲーム配信などをする上で気になる基礎知識

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 「ビットレート」とは、動画やライブ配信の画質・音質を左右する要素のひとつ。1秒間あたりのデータ量の大きさを示すものです。ビットレートが大きいほど動画は高品質になりますが、ファイルサイズが大きくなりすぎたり、視聴者側のデータ通信量が膨大になったりもします。

 今回は、ゲーム配信などをする上で欠かせないビットレートの基礎知識を解説します。ビットレートの種類や適切な設定方法、バランス調整のポイントを知りましょう。

ビットレートとは

 ビットレートとは、動画(音声・映像)1秒間あたりのデータ量の大きさを示す数値です。bps(bit per second)という単位で表されます。

 例えばビットレートを「500kbps」に設定すると、k(キロ)=1,000なので「1秒間あたり500,000ビット」の映像が出力されます。

ビットレートが低い場合の問題点

 ゲーム配信等をするときにビットレートが低いと、視聴者に届く動画の画質や音質が悪化します。画質や音質が悪い環境では視聴者に届く情報も限られてしまうので、配信者には一定以上の品質を確保することが求められます。

ビットレートが高すぎる場合の問題点

 配信のクオリティを考えると「ビットレートはできるだけ高く」と考えがちですが、高すぎてもかえって問題となります。

 ビットレートを気にするあまりファイルサイズが大きくなりすぎるとサーバー・ストレージの容量を圧迫したり、PCスペックによっては配信中に動作が重くなったりといった障害が発生する可能性があります。視聴する側もデータ通信量が膨大になったり、高速で安定した回線でないとしっかり配信を見ることができなくなったりするので、ビットレートは低すぎず高すぎない適切な数値を意識して設定することが大切です。

ビットレートの種類

 動画を構成するビットレートは、「音声ビットレート」・「映像ビットレート」・「オーバルビットレート」に分けられます。それぞれの違いもよく理解しておきましょう。

音声ビットレート

 音声ビットレートは、「音声1秒間あたりのデータ量の大きさ」を示し、動画の音声の品質を左右するものです。音声ビットレートが高いと高音質に、低いと低音質になります。

 一般的に音声データは映像データよりもサイズが小さいため、映像ビットレートに比べて、高い数値にしやすいという特徴があります。

映像ビットレート

 映像ビットレートは、「映像1秒間あたりのデータ量の大きさ」を示し、映像(ゲーム画面)の品質を左右するものです。映像ビットレートが高いと高画質に、低いと低画質になります。

 映像ビットレートは、解像度やフレームレートといったその他の映像品質設定の影響を受けて変動します。

オーバルビットレート

 オーバルビットレートは、音声ビットレートと映像ビットレートの合計値のことで、「動画1秒間あたりのデータ量の大きさ」を示します。

配信やエンコードにおけるビットレート制御の違い


 ゲームのライブ配信や動画投稿を行う時には、エンコードという作業を行って映像や音声を配信・投稿に適した形に変換することが必要になります。このとき、ビットレートをどのような方法で制御するかによって、視聴時の環境や動画の仕上がりが変わってきます。このビットレートの制御方法についてどんな種類があるのか見ていきましょう。

固定ビットレート(CBR)

 「固定ビットレート(CBR)」は、動画全体のビットレートを指定した値に保つよう制御する方法です。

 ライブ配信の際は視聴に必要な通信速度の目安がわかり、エンコードの際は最終的な動画ファイルのサイズが事前に予測できることがメリットです。ただし、情報量に関わらず常に一定の基準で動画を処理するため、映像や音声の情報量が多い場面では画質・音質が不安定になることもあるので注意が必要です。

可変ビットレート(VBR)

 「可変ビットレート(VBR)」は、ビットレートを事前に指定せず、映像や音声の情報量に応じてビットレートを変えながら動画を処理する方法です。

 一部の場面で情報量が大きく増えるような動画でも、画質や音質を保ったまま処理できることがメリットです。ただし、内容によってビットレートが高くなりすぎると「ビットレートが高すぎる場合の問題点」で解説したように、ファイルサイズが大きくなるなどの問題が起こります。

最大ビットレート(MBR)

 「最大ビットレート(MBR)」は、映像や音声の情報量に応じてビットレートを変えつつも、ビットレートが上がりすぎないよう最大値をあらかじめ指定しておく方法です。

 ビットレートの不足と過剰な上昇をどちらも防げるので、固定ビットレート・可変ビットレートの両方のメリットが得られます。ただし、最大値が高すぎると可変ビットレートと同様にファイルサイズが大きくなるなどのデメリットが生じるので、適切に設定する必要があります。

アダプティブビットレート(ABR)

 「アダプティブビットレート(ABR)」は、ストリーミング配信時に使える方法です。視聴者側でネットワーク状況に応じてビットレートを調整するので、通信環境に関わらずスムーズに視聴できるのが特徴です。

 アダプティブビットレートに対応するためには、配信者側が同じ動画をさまざまなビットレートで準備する必要があります。動画配信プラットフォームを利用すれば、高いビットレートの動画をひとつ投稿するだけで自動的に低ビットレートでの再生にも対応できるので、アダプティブビットレートへの対応が可能となります。

配信で適切なビットレートに調整する際のポイント


 ゲーム配信をする際は、低すぎず高すぎない適切なビットレートの設定を見つけることが大切です。上手く動画を試聴してもらうには、動画の質を保ちつつもビットレートをできるだけ抑えるのが理想的です。ここからは、ビットレートをバランス良く調整するための三つのポイントについて解説します。

ゲームジャンルに応じてフレームレートを調整する

 「フレームレート」とは、1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示すものです。fps(frames per second)という単位で表され、フレームレートが高い=構成画像枚数が多いほど動画の動きが滑らかになります。

 FPS・TPSのような動きが多く展開も早いゲームの場合は、画面の視認性に大きく関わるためフレームレートを高めに設定する必要があります。反対に、滑らかな動きがそれほど求められないジャンルのゲームであれば、フレームレートを抑えることでビットレートも下げられます。

配信に画質が求められない場合は解像度を制限する

 「解像度」とは、動画を構成する画像データの画素(ピクセル)密度を示すものです。解像度が高いほど精細で高画質な動画になります。

 フレームレートと同様に、解像度の高さもビットレートの高さに直結します。精細なグラフィックが魅力のゲームを選んで配信する際は解像度の高さが重要となりますが、そうでない場合は、解像度を抑えることでビットレートも下げられます。

適したコーデックを選ぶ

 「コーデック」とは、動画をエンコード・デコード(エンコード後のデータを元の状態に復元すること)するプログラムのこと。高画質・高音質に対応するコーデックを選ぶとデータ量が増える=ビットレートが上がります。

 ゲーム配信を行う際は、設定したいビットレート値、または配信環境に合うコーデックを選びましょう。例えばYouTubeで配信を行うなら、YouTubeが採用しているコーデック「AV1」がおすすめです。

動画配信に適したビットレートの目安

 動画配信に適したビットレートの目安について、YouTubeが公式に推奨するビットレートをもとにご紹介します。

 SDR動画・HDR動画に共通する推奨音声ビットレートは以下のとおりです。なお、SDR(スタンダードダイナミックレンジ)が一般的な映像表現技術なのに対し、HDR(ハイダイナミックレンジ)はSDRよりも明るさをより豊かに表現できるものを指します。

SDR動画におけるビットレート

 YouTubeでSDR動画を配信する際の推奨ビットレートは以下のとおりです。

HDR動画におけるビットレート

 YouTubeでHDR動画を配信する際の推奨ビットレートは以下のとおりです。

【まとめ】適切なビットレート値を指定し、快適な配信をしよう

 動画の画質や音質を大きく左右するビットレートは、ゲーム配信をする上で見逃せない設定項目です。低すぎても高すぎても何らかの問題が生じてしまうため、配信者・視聴者が快適に動画を配信・視聴できるように、ちょうど良いバランスを見極める必要があります。

 配信環境やゲームジャンルごとに適切なビットレート値・制御方法を指定し、調節しながら快適に視聴してもらえる配信や動画制作を目指しましょう。

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