解説
2024.12.28
eスポーツ大会で緊張しない方法はある?試合でパフォーマンスを発揮するポイントは緊張と上手く付き合うこと!?
- 解説
いざという時に大会で「緊張して普段の力が発揮できなかった」という経験はありませんか。しかし実は近年、緊張を「悪いもの」と捉えることがデメリットにもなることもわかってきました。
そこで今回は、緊張とパフォーマンスの関係を解説し、良い状態でeスポーツの大会に臨むためのポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。
【結論】そもそも緊張はパフォーマンスを発揮するために大事な要素!
多くの人は「緊張」をマイナス要素と捉え、緊張した状態では良いプレーができないと考えがち。そのため、「どうしたらまずリラックスできるか」という問いから始めるのが一般的です。この記事を読み始めた人の多くも、恐らく緊張自体をなくしたいと思って読み始めたのではないでしょうか。
しかし、実は高いパフォーマンスを発揮するには、適度な緊張状態が望ましいことがこれまでの研究でわかっています。
そもそも人間を含む哺乳類が緊張するのは、外敵に襲われるなどして生命の危機に陥ったとき、戦うとき、そして逃げるとき、の三つのシチュエーションに遭遇した時だといわれています。緊張すると体内でアドレナリンという成分が分泌され、血行が上がるなどして身体が戦闘態勢になるのです。このため、自分にとって大事と思う対戦で緊張するのはむしろ当然のこと。集中力や素早い動作を要求されるeスポーツでは、緊張することは歓迎すべきことだといえます。
ただ、緊張しすぎると筋肉が必要以上に硬くなったり、冷静な判断ができなくなったりします。これらを踏まえると、プレー時にパフォーマンスを高めるためには、”適度な”緊張状態を維持することが重要という結論に至ります。
eスポーツの大会で緊張してうまくプレーできない…という人に多い失敗パターン
この項目では、eスポーツの大会出場時に過度な緊張で失敗してしまうパターンを記載します。
緊張を悪いものとして捉えすぎている
前の項目で書いたように、大会出場時に緊張状態にあることは決してマイナスではありません。しかし、この事実を知らないと「緊張してパフォーマンスが発揮できない」とネガティブな気持ちになりがちです。
リラックスできないことを否定せず、むしろ大会を前にして緊張している自分を肯定して、ポジティブな気持ちで対戦に臨んでみましょう。
結果を残さなければ意味がない、と強く思いすぎる
「勝たなければ意味がない」「勝つことがすべて」といった義務感が先行すると、「負けたら終わり」といったネガティブな気持ちにつながりやすく、過剰な緊張状態におちいってパフォーマンスが下がってしまうことがあります。もちろんプロシーンで活躍している選手ならば、結果が全ての側面もあります。しかし結果を残せなかったときのことを考えてプレーに支障が出ては本末転倒です。
そんな時は、「ゲームは楽しいもの」という本来自分がゲームをプレーするときの純粋な理由に立ち返ってみると良いかもしれません。対戦相手と一緒に最高のプレーをしようと思うと、自然と相手の動きや目の前の状況が見えてくるはずです。
理想的なプレー(運び)を前提として強く考えすぎる
多くの人が対戦時に理想的な試合運びをしたいと考えますが、eスポーツの大会では想定しない事態になる方がむしろ自然です。対戦相手が自分の理想通りに動くはずもなく、相手もまた「理想的な戦いをしたい」と考えているからです。理想にこだわりすぎるとそれが叶わないときに、焦りが募り、逆に委縮してしまう悪循環に陥ります。
理想的な勝ちパターンは描きつつも不測の事態や最悪の状態を想定しておき、切り替える意識を持ちましょう。試合運びが思い通りにいかないのは相手も同じです。焦らずに行きましょう。
観衆やコーチなど周りの目を気にしすぎる
試合中に観衆やチームメイト、コーチに目が行くことはあるかもしれません。しかし、周囲の目や環境を気にしすぎるとゲームに集中しにくくなります。
そんな時、スポーツ選手の多くは、集中力やパフォーマンスを高めるために特定の位置に視線を置く「フォーカルポイント」を意識しています。これは、あらかじめ特定の位置に視線を置くと集中できるように日ごろから意識しておくことで、周囲の目線に惑わされず対戦に専念できるようにするルーティーンの一つです。ぜひ試してみてください。
有名な人の大会前後のルーティーンをマネする
あこがれの選手が試合前後に行うルーティーンに憧れることはありませんか。試合前に決まった動作をおこなうのは、集中力やパフォーマンスを高めるためのきっかけをつくるためで、ルーティーンはその人に一番しっくりくる動作やクセが選ばれていることが多いです。
そのため、単純に強い選手のルーティーンをまねても、それがポジティブに働くとは限りません。むしろ集中力を落とすこともあり得ます。ただし、フィジカルスポーツの選手の中には、往年の選手に憧れて、そのルーティーンをまねるといったケースも存在しているのも事実です。憧れの選手があなたに力を貸してくれるかもしれません。
大事なのは「適度な緊張」!緊張をパフォーマンスにつなげるポイント
ここでは、適度な緊張状態を保って理想的なパフォーマンスを発揮するためのポイントを解説します。
自分に合った試合前のリラックスルーティーンを確立する
前述の通り、試合前に何らかのルーティーンを行うことで、過度な緊張を抑え、集中力を高めようとするプロ選手は多数存在します。
しかしルーティーンといっても、特に目立つ動作をする必要はありません。なんらかの動きで集中力を高めることが目的ですから、手首を回す、好きな曲を口ずさんでみるなど日常的な動作でも良いわけです。
自分にとってなにかいつも癖になっている動作などはないか、少し意識してみて、自分にとってルーティーンになり得るものを探してみましょう。
軽い運動をする
試合の前に軽い運動をすると、過度な緊張がほぐれて集中しやすくなります。どの程度の運動が良いかは人によって異なりますが、eスポーツの会場で行える範囲で考えるなら、ストレッチなど場所を選ばない運動がおすすめです。ちなみにeスポーツの上達には運動するのが効果的ということが科学的に認められています。プロ格ゲーマーのときど選手が行うルーティーンの一つ「マーダーダッシュ」も試合前にはピッタリです。
【eスポーツに運動が必要? 詳しく解説した記事】
運動・栄養・休養を意識すればゲームが上手くなる!?筑波大学・松井先生に聞くeスポーツ科学 後編
深呼吸(腹式呼吸)をする
過度な緊張状態にあると、呼吸が浅くなって脳への酸素供給が不十分になると言われています。この状態を避けるためには、ゆっくりと深呼吸することがおすすめです。
できれば日頃から腹式呼吸を意識して身につけておくと、eスポーツの大会以外でも役立つかもしれません。
とにかく完璧を目指しすぎず、まず楽しむことを考える
完璧を目指すと人は緊張状態になりやすいので、ミスは当然あるもの、対戦は予想通り進まないもの、という意識を持ってみましょう。
選手の多くは、「一番緊張するのは最初の試合」、「2戦目以降の方が楽しめる」といったことをよく口にします。eスポーツは本来楽しいものですから、ぜひ対戦を楽しむことを第一に考えてみましょう。
eスポーツの大会を翌日に控え眠れない…という人に試してほしいリラックス方法
目標としてきた大会だと、なおさら前日から緊張してしまい寝られない、結局当日は寝不足でパフォーマンスが上がりにくいといったケースも考えられます。大会前日のリラックス方法や十分に睡眠をとるための方法を記載しておくので参考にしてみましょう。
身体を温める
身体を適度に温めると緊張がほぐれ、入眠状態に入りやすくなります。そのため、入浴して身体を温めたり、温かい飲み物を飲んだりするのが効果的です。
軽くストレッチをする
軽いストレッチをすることで、身体の緊張を緩和できます。また、副交感神経を刺激してくれるので、入眠効果も期待できます。これを踏まえて、就寝する少し前にストレッチをしてみましょう。
寝る前にスマートフォンやモニターを見すぎない
スマートフォンやPCのモニターが発する光は、睡眠を誘うメラトニンの分泌を抑えてしまうといわれています。また、寝る前にゲームをすると、手や足の末端が冷え込んでしまうので、寝付くのに時間がかかるようになります。そのため、大事な大会前夜であれば就寝前はギリギリまで調整せず、スマートフォンやモニターの光を浴びないようにしておきましょう。
【まとめ】eスポーツの大会で結果を残すには緊張と上手に付き合うのがポイント!
「大事な大会で緊張するとパフォーマンスが発揮できない」と思いがちですが、適度な緊張はむしろeスポーツのパフォーマンスを高めることに貢献します。とはいえ、緊張しすぎると身体の動きが低下したり、集中できなくなったりするため、緊張すればするほど良いというわけでもありません。
この記事で解説した点を参考にし、緊張状態を上手くコントロールすることで、大会で好成績を残せるように頑張りましょう。
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