大会レポート
2024.08.11
STAGE:0 2024 OW2部門 N高 Telomere 2連覇なるか!?全国大会グランドファイナルをレポート
- 高校eスポーツ
テレビ東京と電通が主催する高校対抗の全国eスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2024」(STAGE:0)のグランドファイナルが8月10日、六本木グランドタワー駅前広場で開かれました。出演者は大会アンバサダーのアンガールズ田中卓志さん、スペシャルサポーターのアルコ&ピース、ゲストは、狩野英孝さん、石田ニコルさん、山本彩さん。アナウンサーは古旗笑佳さん、実況は蒼汁さん、解説はgappo3さんです。
オーバーウォッチ2は5人1組で戦うFPS。3種の役割に分かれて対戦します。ハイブリッド・コントロール・エスコートの競技で競い、先に2勝した方が勝ちです。
コントロールは一つのエリアを取り合うモード。gappo3さん曰く「相撲見たいな種目」とのこと。エスコートはペイロード(カート)を押した距離を競う競技で、ハイブリッドは場所を取り合ってからカートの移動距離を競うコントロールとエスコートを混ぜ合わせたような対戦形式です。
準決勝 第1試合 熊谷工業「かにみまんくらぶ」VS N高「Telomere」
グランドファイナル第1試合では熊谷工業「かにみまんくらぶ」と優勝候補N高「Telomere」が激突。かにみまんくらぶはなんと高校有志で組んだチームですが、ここまで勝ち進んできました。リーダーのMassyRoid選手は「少しでも楽しめるように頑張りたいです」とコメント。
第1マップは、ブリザードでルールはハイブリッド。ラウンド1はN高が先攻。序盤からTelomereがペイロードを発進させます。Amateru選手、Sour4選手が猛攻を仕掛け、相手を寄せ付けず、1分59秒の残り時間を残してペイロードをゴールの第3チェックポイントに到着させ勝利しました。ラウンド2は熊谷工業の攻撃。開始直後にN高Sorasuke選手が5人撃破を達成するなど止まりません。その後もアルティメットを温存しながらもN高はエリアを防衛し、最後はエモートを披露する余裕を見せ華麗に勝利しました。
第2マップは、サモアでルールはコントロール。ラウンド1では、またしてもSour4選手が5連続撃破するなど有利に進め、またも勝利。しかし、熊谷工業もN高のエリア制圧まで1パーセントのところでオーバータイムに突入しやり返すなど見事な立ち回りを見せました。2ラウンドでもN高の勢いは止まらず、最後にライフウィーバーのHINIS4Ku選手がエモートでバラを見せつけ、前回王者としての力を見せつけ圧勝。N高「Telomere」が決勝進出しました。
勝利したN高「Telomere」のメンバーたちはオフラインの環境に戸惑った様子で、あまり本調子ではなかった様子。MVPにはSorasuke選手が選ばれ「気持ちいいです!」と唯一明るいコメントが飛び出しました。パフォーマンスが上がりにくい状況ながら2連覇に向けては好調な滑り出しです。
準決勝 第2試合 福岡芸術「にぎちゃん」 VS 明聖「チーム座布団」
準決勝第2試合は、福岡芸術「にぎちゃん」 対 明聖「チーム座布団」。福岡芸術のチーム名はリーダーあかさ選手の飼っているネコの名前から取ったとのこと。明聖のチーム座布団はパッド勢4人キーマウ1人という特殊な構成となっている異色のチーム。福岡芸術はセミファイナルでは個人技の光ったmiNt選手、空中からの攻撃が得意なヒーロー「ファラ」を得意とするありくま選手の2トップが特徴となっています。明聖は全員が目標とする選手にTa1yoさんを挙げているとのこと。ゲーム内ランクでも限られたプレイヤーしか入れないトップ500に名を連ねるETBlood選手を擁するなど実力も十分です。
第1マップはパライソ。防衛側が有利になるためプロでもなかなかピックしないというレアなマップです。ルールはハイブリッドです。ラウンド1先攻は明聖。マップの影響なのか、攻め手を欠く明聖。ウルトを何度も使い、レッキングボール使いのmasapan選手がウィンストンにキャラチェンジするなど構成まで変えて挑戦するもエリアを制圧できませんでした。ラウンド2で攻守が変わったところで福岡芸術が圧倒的な強さを見せつけ、エリアを制圧。あっさりと福岡芸術が第1マップで勝利を収めました。
第2マップはネパールでルールはコントロール。ラウンド1では、序盤から福岡芸術が主導権を握ります。テレポートのアビリティを持つトレーサーを使うありくま選手はエイムが冴えわたり、10連続撃破を達成するなど相手を寄せ付けませんでした。ラウンド2では、福岡芸術のmiNt選手が強気に出て撃破を重ねます。ただでさえエイムが難しいヒーロー キャスディでヘッドショットを連発し「プロレベルですね。勢いが加速していますよ」とgappo3さんを唸らせました。明聖も驚異の粘りを見せるも、miNt選手は止まりません。ラウンド2も福岡芸術が勝ち取り、決勝進出を決めました。
リーダーのあかさ選手は勝利インタビューで「うれしいです。うちのmiNtが本当に仕上がっています。いつも以上の実力が出ていると思います。決勝もこのままの流れで勝ちたいと思います」と意気込みました。miNt選手はこの試合でMVPを獲得。「みんなをキャリーできるように頑張ります」とコメントしました。
決勝戦 福岡芸術「にぎちゃん」 VS N高「Telomere」
いよいよ2024年大会のオーバーウォッチ2部門王者が決まります。決勝戦は福岡芸術「にぎちゃん」 対 N高「Telomere」の対戦カード。Telomereは、メンバー全員がサングラスをかけてステージに登場。先生たちに「何か奇抜なことをやってみて」と言われて、用意してきたとのこと。実は福岡芸術は前回大会でTelomereに敗北しており、因縁の対決。
蒼汁さんは、総合力ならN高Telomereと分析しつつも、「瞬間火力はにぎちゃんだと思います」とコメントし混戦を予感させました。Telomereは今大会、一つもマップを落としていないということで、完全優勝にも注目です。
第1マップは、OWユーザーに愛されるキングスロウ。ルールはハイブリッドです。まず先攻はN高。序盤は福岡芸術が優勢。残り30秒となったところでN高はようやくペイロードをスタート。第2チェックポイントは制限時間ギリギリで通過するなど、実力が拮抗している様子でした。残り時間16秒のところで、N高は第3チェックポイントに到着し、何とかペイロードを目的地まで運び、ラウンド1を取ります。
ラウンド2では攻守交替。両者ほぼ互角の戦いを続けたかに見えました。攻撃側の福岡芸術はペイロードを出発させるまでは上手くいきましたが、第2チェックポイントの直前、N高が相手チームを全員を撃破。その後福岡芸術が食らいつきオーバータイムに持ち込むもタイムアップ。N高が第1マップを制しました。
第2マップはオアシスでルールはコントロール。福岡芸術は開幕テレポートをミスしてしまい、一瞬ポジショニングに迷い、隙が生まれます。N高はそれを見逃さず一網打尽。チーム全員を撃破し、そのままの勢いでN高がラウンド1を取得しました。ラウンド2もN高は畳みかけます。sizuku選手が使用するヒーロー「アナ」の敵の回復を阻止するアビリティ「阻害瓶」が攻撃のきっかけを何度も作ります。そうしたサポートもあって、ウィンストンのSorasuke選手が15連続撃破を達成するなどして圧倒。ラウンド2もN高が勝利し、N高「Telomere」は今大会一つもマップを落とさず完全優勝、同時にSTAGE:0二連覇を達成しました。
表彰式 N高「Telomere」が2年連続優勝を達成!
表彰式には優勝したN高「Telomere」のほか、グランドファイナルに進出したチームが再度登壇。また、特別賞の選手の発表もありました。
パフォーマンスに悩まされたが助け合って勝ち取った優勝 早くも三連覇を見据える
優勝したN高「Telomere」。中にはオフライン大会ということもありパフォーマンスが上がらず苦しんでいる選手もいましたが、見事に二連覇。早くも次回大会を見据え、三連覇を目指すという意気込みも聞くことができました。
HINIS4Ku選手 オフラインという環境が違う中で、途中上手くいかないこともありましたが、上手くカバーしあったり、チームのみんなに助けられました。
Sorasuke選手 正直最初焦りましたが、優勝できてめっちゃうれしいです。準決勝の時にパフォーマンス悪かったんですが、決勝ではしっかり修正でき、満足です。
Sour4選手 今まで練習したことは出し切れました。トレーサーでもうちょっと暴れたかったのですが(笑)まあ満足です。来年もSorasuke選手と一緒に出場するつもりですので、三連覇狙います!
Amateru選手 ウィドウメーカーというヒーローを使いましたが、環境の違いもあって思うようにパフォーマンスが出ませんでした。優勝してうれしい反面、もうちょっと良いところ見せられたらなと思うところもあります。
sizuku選手 めちゃくちゃ気持ちよかったです。楽しかったです。
優勝チームにはオーバーウォッチ チャンピオンズ・シリーズ(OWCS) JAPANラウンドロビン大会のシード権を贈呈。HINIS4Ku選手は「たぶんプロたちにボコボコにされるかもしれませんが、頑張ります」と意気込みを語りました。
準優勝の福岡芸術「出し切った!」 特別賞には熊谷工業 MassyRoid選手
準優勝の福岡芸術「にぎちゃん」。その姿は、リーダーのあかさ選手は「悔しくはないです!みんな全員出し切って楽しかったので今。みんなもお疲れ様!楽しかったよな?」とメンバー全員に問いかけました。皆口をそろえて「楽しかった」と語っており、清々しさすら感じさせます。最後には再度あかさ選手が「トロフィーあるんですか!?ありがとうございます」と驚くなど、最後まで独特な空気感で会場をわかせました。
さらに、窮地に追い込まれたチームを救った選手に贈られる特別賞「グッジョブカウンター賞」の受賞者も発表されました。受賞したのは熊谷工業MassyRoid選手でした。蒼汁さん、gappo3さんも第一候補で挙げた選手で文句なしの受賞です。MassyRoid選手は「自分なりに精一杯頑張っていただけなので、賞までもらえるとは思ってませんでした」と語りました。
パッド勢の選手や有志で組まれたチームが勝ち上がってきたりと、個性的なチームが揃った今回のオーバーウォッチ2部門グランドファイナル。結果を見ればN高「Telomere」が二連覇でしたが、途中は挑戦者だった福岡芸術「にぎちゃん」が絶対王者に迫る勢いだったこともあり、会場はより一層の盛り上がりを見せていました。次回大会もSour4選手が「三連覇を目指したい」と宣言した通り、N高がグランドファイナルに姿を見せるのか期待が膨らみます。
関連記事(見出しH3)
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外部リンク
STAGE:0
https://stage0.jp/
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