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2023.01.03

「ゴースティング」「スナイプ」とは?なぜ不正行為なのかを解説!

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 ストリーマーによるゲーム配信をよく見ている方なら、「ゴースティング」や「スナイプ」という言葉を一度は耳(目)にしたことがあるかもしれません。いずれもオンラインゲームにおける不正行為・マナー違反行為であり、プレーヤーから視聴者まで配信に関わる全員がゲームを楽しむために絶対にしてはいけないことです。

 今回は、「ゴースティング」・「スナイプ」とはどんな行為なのか、なぜしてはいけないのかを詳しく解説します。知らず知らずのうちに他のプレーヤーに迷惑をかけることがないよう、オンラインゲームをプレーする上でのマナーを身につけましょう。

ゲームコントローラーを持ちヘッドセットを付けた男性が顔をしかめている様子

「ゴースティング」とは?

 オンラインゲームにおける「ゴースティング」とは、対戦型オンラインゲームの配信を行っているストリーマーと同じ試合に参加したプレーヤーが、ストリーマーの配信画面の内容を確認しながらプレーをすること。主にFPS/TPSやMOBAなどのジャンルのゲームで発生しており、いずれのタイトルにおいても重大な不正行為・マナー違反行為にあたります。

ゴースティングはなぜしてはいけない?

 ゴースティングを行うと、マップ上の詳しい位置や装備・アイテムの取得状況など、本来プレー中には知りえない対戦相手の情報がわかります。一方的な奇襲を仕掛けることも可能になるため、ストリーマーにとっては非常に不利な状態です。

 ストリーマーが不正行為の被害を受けると、配信を通してその様子を見ている視聴者も不愉快に感じます。配信の盛り上がりが失われるため、ゴースティングは単にゲームに負ける以上に大きな悪影響を与える行為なのです。

 多くのオンラインゲームは、利用規約などによってストリーマー本人が許可していないゴースティングを禁止しています。他プレーヤーによって運営に報告されれば、アカウントの一時停止や永久凍結(BAN)などの処分が下されるほど重大な違反行為です。ゲームの公平性を守るため、ゴースティングは絶対に行わないでください。

「スナイプ」とは?

 オンラインゲームにおける「スナイプ」とは、特定のプレーヤーと同じ試合でランダムマッチングすることを狙い、ゲーム内のランクやゲーム開始のタイミングを合わせること。ゴースティングと同様に、有名ストリーマーが被害に遭いやすいマナー違反行為の一種です。

スナイプはなぜしてはいけない?

 「スナイプ」という言葉が主に指すのは、目当てのプレーヤーとマッチングした後にゴースティングなどのルールに反した行為をする流れです。マッチング後はルールに則ったプレーをするだけなら大きな問題にはなりにくいですが、特定のプレーヤーを特別視することには変わりないため一律でマナー違反と認識されています。

 また、マッチングのためにゲーム内のランクを調整する(目当てのプレーヤーに合わせる)行為が重なると、適正なランクマッチがされなくなるといった影響も出てくるため、悪質なスナイプは運営によるBANの対象となる場合もあります。

 ランダムマッチングが前提であるゲームにおいて特定のプレーヤーを意識した行動をとることは、ゲームの公平性の崩壊につながります。すべてのプレーヤーが平等にプレーを楽しめる環境を守るため、スナイプ行為は行わないでください。

ヘッドセットをした女性がパソコンの前で顔を手で覆っている様子

「ゴースティング」「スナイプ」はなぜ行われる?

 ゴースティングが行われるきっかけは、ストリーマーへの悪意や軽いいたずら心であることがほとんどでしょう。被害を受けたストリーマーやその視聴者に大きな不快感を与える行為であることを忘れず、絶対に行わないようにしてください。

 一方でスナイプは、「友達や好きなストリーマーと一緒にゲームをプレーしたい!」という気持ちから悪気なく行ってしまう例も多いです。そのような場合は通常のモードでのランダムマッチングを狙うのは避け、見知ったプレーヤーや配信の視聴者の中から参加者を募集するカスタムマッチなどの機会を利用しましょう。

ゴースティング・スナイプが問題になったゲームタイトルと事例

ノートパソコンを操作しながら口元を手で覆う男性


 残念なことに、ゴースティングやスナイプなどの不正行為は世界中で行われています。そしてその中には、多くの人が知るような騒ぎとなって炎上に発展した事例もあります。この項目では、ゴースティングやスナイプが問題になったゲームタイトル名や、事態の概要を紹介します。

Among Us

 Among Us(アモングアス)は2018年にリリースされた、人狼系のインディーゲームです。2020年に複数のストリーマーが取り上げたことで世界的ヒットタイトルとなりました。アメリカにある、わずか3人の会社が作ったインディーゲームが世界的に有名になったことでも注目されています。2021年には日本語にも対応したため、日本人にも広く楽しまれています。

 そんな中で、2022年8月に、日本のユーチューバーがAmong Usでゴースティングをしていたことが判明し、炎上する騒ぎが起きました。

 同ユーチューバーはオンライン対戦中にライブ配信を見ながらプレーし、プレイヤーを狙い撃つゴースティングを行っていたそうです。同ユーチューバーがゴースティングを行ったのは2021年12月ですが、配信中に手元が映ったことでゴースティングが判明し、炎上騒ぎが起こった2022年8月に事実を認め謝罪文を公表しました。

 その中では「ネタ企画をどうしても盛り上げたくて」、「撮れ高が欲しい気持ちが強くなりすぎて」と、私利私欲のために卑劣な行為に及び、ゲームの公平性を壊したことを謝罪し 詫びています。

 その後、同ユーチューバーは正体隠匿系のゲームはしばらく休むとしながらも、事務所には継続在籍し、20254年現在も動画の公開は続けています。

GTA5

 GTA5はRockstar GamesがリリースしているグランセフトオートVの略称です。GTAシリーズの1作め目は1997年にリリースされており、すでに四半世紀を超える歴史をもちます。1作め以降新たなタイトルがリリースされ続けており、2024年現在も人気は衰えていません。

 そのGTA5において、ある女性実況者がゴースティングを行っているとする旨の動画がを30万人以上の登録者数をもつある実況者によってアップされました。この動画では、対戦相手の配信を見ながら上記の女性実況者がゴースティングを行っていることや、ゴースティングが集団で行われていたことなどが語られています。

 疑いをかけられた女性実況者は炎上したことで釈明動画をアップし、一般サーバーでプレイしたことは詫びたものの、ゴースティングはしていないと主張しています。

ゲーム配信におけるゴースティング・スナイプの対策例

ヘッドセットをしてパソコンを操作する男性


 ゴースティングやスナイプはルール違反であり、ゲームを提供・運営する側も判明した不正行為には罰則を与えるなどの対策はしています。しかし、全件を防ぐことはできないのが実情です。

 ここでは、ゲーム配信者としてゴースティングやスナイプを防ぐために役立つ対策を紹介します。

対策例1.マッチングサーバーをこまめに変更する

 ゴースティングをするプレイヤーは、配信者を狙って意図的に同じマッチに入りこみます。そのため、こまめにマッチングサーバーを変更し続けていれば、悪意のあるプレイヤーからゴースティング被害を受けにくくなります。

 ただし、この方法は利用するマッチングサーバーがバレてしまうと意味がなくなるので注意が必要です。また、物理的に距離が遠いサーバーを選んでしまうと、遅延が出やすくプレイが不利になるリスクがあることも理解しておきましょう。

対策例2.サーバー変更やマッチング時の画面を配信に映さない

 配信を行う上で、サーバー変更の操作やマッチング時の画面を流さないこともゴースティングやスナイプ対策になります。また、ゲームの音を消しておけば、どのタイミングでマッチングしたかわかりにくいので対策として有効です。

 特にApex Legendsではマッチする際に画面でチャンピオン部隊を判別できるので、この画像が配信されないように配慮することをおすすめします。

対策例3.匿名モードを利用する

 Apex Legendsなど、キルログでプレイヤー名を特定できるタイトルでは、ゲーム内の居場所も特定されるリスクがあります。もし、ゲーム内の機能にプレイヤーネームを隠せる「匿名モード」といった機能があれば積極的に利用することをおすすめします。

 一般のプレイヤーの中には、もともとゴースティングをするつもりでなかったとしても、マッチした対戦者の中に配信者のプレイヤーネームを見つけた際に、興味本位で不正行為に及んでしまうこともあります。そもそも外部から配信者と認識されないという点も、匿名モードはゴースティングに高い有効性をもちます。

 ただし、ゴースティング行為を行うプレイヤーは、チートによって匿名モードのプレイヤー名を知ろうとする場合もあります。そうなると匿名モードの意味がなくなってしまうので、プレイヤー名を変えるのも有効な対策です。

マナーを守って楽しくプレー

 「ゴースティング」・「スナイプ」は、いずれもゲームの公平性を壊し、多くの人に悪影響を与える行為なので絶対に行わないようにしてください。守るべきルール・マナーとともにやってはいけない行為についても意識して、誰もが気持ちよくゲームを楽しめる環境を目指しましょう。

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