大会レポート
2024.03.23
ガチくん選手が“ボスラッシュ”!? CAPCOM CUP Xレポート、日本人選手の軌跡
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- ストリートファイター
2月17~26日まで、『ストリートファイター6』の世界大会であるCAPCOM CUP X(CCX)が北米ハリウッドで開催されました。世界各国で開催されたCAPCOM Pro Tour(CPT)やWorld Warrior(WW)、オフラインプレミアを勝ち抜いた48人が集結し、年間を通じてのチャンピオンを決定する大会です。優勝したのは台湾のジュリ使い、UMA選手でした。
CAPCOM CUP(CC)は、本戦であるCCX(グループ予選と本戦トーナメント)のほかに、48番目の出場枠をかけて戦うLast Chance Qualifier(LCQ)と、ストリートファイターリーグの世界大会の、三つの大会の複合大会として行われました。
最後の一枠となるLCQはオフライン大会となっており、その為に日本からも多くの選手が渡米しています。コロナ禍以前は、ほとんどの大会がオフライン大会で、現地入りすれば誰でも参加できましたが、現在のCCのオフライン大会は、シンガポールとフランスで行われたオフラインプレミア、北米ラスベガスで行われたEVO、そしてこのLCQのみ。それ以外は、オンラインで開催され、開催する国や地域に住んでいる選手しか参加できないようになっています。
日本ではCPT日本大会、WW日本大会の二つの大会のみが確定枠となっています。今年はガチくん選手がオフラインプレミア シンガポール大会で優勝したので、CPT優勝のカワノ選手、WW優勝のふ~ど選手と合わせ、3人でCCに出場します。
日本からはときど選手、sako選手、もけ選手、ヤマグチ選手、水派選手、マゴ選手、竹内ジョン選手、ウメハラ選手、翔選手など強豪が参加しています。海外勢もPunk選手をはじめ、Problem-X選手、Oil King選手、Zhen選手、Kusanagi選手、Xiaohai選手など日本でも有名な選手が参加。どの選手をみても、CCXの参加券を持っていても不思議で無い選手ばかりで、この中から1名だけがCCXへ出場できるということ自体が異常と言えるほどです。
トップ16にはウイナーズサイドにときど選手、竹内ジョン選手、ヤマグチ選手、翔選手の4名、ルーザーズサイドにAQUA選手、ひびき選手、ネモ選手、もけ選手の4人が残っています。半分となる8人が残っていることで日本人選手の優勝に期待が大きく膨らみます。しかし、ウイナーズ1回戦で竹内ジョン選手と日本人対決を制したときど選手以外は敗北し、厳しい展開になります。
ルーザーズでは勝ち上がったものの、ウイナーズから落ちてきた選手と日本人対決が発生し、トップ8に残った日本人選手は4人。そしてウイナーズに唯一残ったときど選手も、ベスト16の中でもトップクラスの好調さをみせているPunk選手に敗れてしまいます。ルーザーズでは翔選手がベスト4まで残るもJB選手に敗北し、日本人選手のLCQ突破はなりませんでした。
グランドファイナルはウイナーズでPunk選手が待ち構える中、ウイナーズサイドでPunk選手に一度負けているProblem-X選手。グランドファイナルでPunk選手を3-1で下してリセットをすると、その勢いのままグランドファイナルリセットは3-0ストレートでProblem-X選手が逆転優勝を果たしました。
Problem-X選手が使用したキャラクターはブランカ。日本ではCC開催時まではあまり見かけないキャラクターで、特にプロシーンで使用している選手はほとんど居ませんでした。ただ、昨年12月のFAV CUPでMenaRD選手が使用し猛威を奮い、ブランカのポテンシャルの高さを見せつけています。使用キャラの傾向が異なるなど、国内からではわからない海外の状況が垣間見えるのも世界大会ならではと言えます。
48人の選手が確定したあとは、本戦予選のグループリーグのグループの振り分け抽選が行われました。LCQの激戦を見ればわかるように、CCの出場権を得た選手はいずれも猛者揃い。どの選手とグループが同じになったとしても、グループ抜けをするのは至難の業と言えます。
グループ1位抜けがウイナーズサイド、2位抜けがルーザーズサイドとして本戦に出場します。本戦はベスト16からの対戦。ウイナーズサイドに居ることが大きなアドバンテージとなるので、グループ突破だけでなく、1位抜けが重要となります。日本人選手3人は全員がグループ抜けはしましたが、1位抜けできたのはガチくん選手のみで、カワノ選手とふ~ど選手はルーザーズサイドからの参戦となりました。
唯一のウイナーズサイドに居たガチくん選手でしたが、1回戦でDCQ選手に負けてしまいます。ふ~ど選手は昨年の覇者であるMenaRD選手を倒しますが、トーナメントの妙で、ウイナーズサイドから落ちてきたガチくん選手との対戦になります。日本人対決はガチくん選手に軍配があがり、ふ~ど選手は9位タイの成績でCCXを終了しました。
もうひとりの日本人選手カワノ選手はNephew選手、Kusanagi選手と順当に倒すも、同じルークを使うNL選手に敗北してしまいます。最後の砦となったガチくん選手は、Sayff選手、Leshar選手と倒したのち、カワノ選手を倒したNL選手との対戦です。もはやボスラッシュ以外何物でも無い対戦にガチくん選手の体力、気力が心配されます。その後NL選手を倒し、ガチくん選手のベスト3圏内が確定しました。
ルーザーズファイナルは、ウイナーズファイナルで敗北したChris Wong選手との対戦。ガチくん選手がCCXの切符を獲得したオフラインプレミア シンガポール大会における決勝戦の相手で、そのときはガチくん選手が勝利していました。しかし、今回はChris Wong選手がリベンジを果たし、グランドファイナルに進出。これで日本人選手はすべて敗退となりました。ウイナーズサイドからいきなり敗北したのち、ルーザーズサイドで4勝し、最終的に3位を獲得したガチくん選手はかなり健闘したと言えるでしょう。
冒頭の通り、CCXで優勝したのはUMA選手でした。ルーザーズサイドから上がってきたChris Wong選手がグランドファイナルで勝利し、どちらも後が無いリセットに持ち込むも、グランドファイナル リセットでUMA選手が勝利し、賞金100万ドルと『スト6』最初となるCCのチャンピオンの座につきました。
CCXは大会前に優勝者予想を行っていましたが、おそらくUMA選手に投票した数はかなり少なかったのではないかと思われるほど、予想外の展開となりました。UMA選手は台湾のノンプロゲーマーであったのも、使用していたキャラクターのジュリが最強クラスのキャラクターではないと言う評判だったのも、CCX制覇にはほど遠いとみられていただけに、夢のある結果になったと言えます。
今大会は『スト6』発売を記念した特別な大会で、そのため賞金が例年よりも多く設定されていました。ちなみに前年のCCIXの賞金は12万ドル(当時のレートで約1600万円)でした。今年の100万ドルが破格であることがわかります。最後に登壇した辻本社長が、その破格の賞金を来シーズンも継続すると発表しました。優勝賞金100万ドルの継続との発言だったので、予算の都合次第では2位以下の賞金額、ひいては賞金総額は下がる可能性がありますが……。
これにより来年のCCやCPT、WWはさらに盛り上がっていくことでしょう。『スト6』から始めたルーキーから、才能を開花させた選手が出てくるかもしれません。将来的に『スト6』の競技シーンに参加すべく、学生の間でも『スト6』大会の開催が増える可能性もあります。高校生eスポーツ大会シーンでは採用されていないタイトルなので、これから参入を考えているところはチャンスと言えますよ。(ライター・岡安 学)
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外部リンク
CAPCOM CUP X 公式esportsサイト
https://sf.esports.capcom.com/ccx/jp/
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