大会レポート
2024.11.11
石川・金沢のコミュニティベース「WACHA-WACHA」は心温まる支えあいだった!
- 大会/イベント
- ぷよぷよ
アイ・オー・データ機器が主催するコミュニティイベント「WACHA-WACHA」(わちゃわちゃ)で11月9日、「ぷよ通スコア大会」が開催されました。会場は石川・金沢にあるアイ・オー・データ機器 第2ビル。当日は20人以上の選手が参加し、「ぷよぷよ通」(ぷよ通)でスコアを競い合いました。ぷよ通稼働30年にして、おそらく初の単独のスコアアタック大会とのことです。
WACHA-WACHAは、北陸のゲーム好きが楽しめる空間としてアイ・オー・データ機器が自社の社屋で開催しているイベント。ユーザーと一緒に作っていくゲームコミュニティベースとして無償で提供しています。
大会は、ぷよ通の一人用モード(ひとりでぷよぷよ)を使用。参加者は一斉にスタートし、1時間のプレーでハイスコアを目指します。1時間のうちに何度でも挑戦可能で、一番高いスコアの万の位以降が点数となります。点数が高い順に順位をつけ、順位ポイントを付与します。これを5回行い、獲得した順位ポイントの合計で総合順位を決定します。
なお、今回は初心者が上級者とも競い合うことができるよう、ハンデを設けています。参加者はそれぞれ自己ベストの半分をハンデとして設定。例えば自己ベスト70万点の人は、その半分の35万点がハンデとして点数から引かれます。35万点のハンデがある参加者の最高点数が47万点だった場合、ハンデを上回った12万点が換算され、12ポイントとなります。
一人用モードは8人のキャラクターを倒せばクリア。スコア大会では、それまでにどれだけスコアを稼げるかで勝負が決まります。ただ、筆者のようなライトプレイヤーではクリアするだけでも難しい難易度です。最初は相手の動きが遅く連鎖も組んでこないので、プレイヤーはゆっくり大きな連鎖を組むことができます。ただ、徐々にぷよの落下スピードが上がり、コンピューターのレベルも上がるので、連鎖を組みにくくなります。
上級者になってくると、相手を倒さないようにしつつ大きな連鎖を組むようになります。ぷよ通では、相手が連鎖を組んだ際に飛んでくるおじゃまぷよを、同じだけの連鎖で消すことができます。これを“相殺”と呼びます。少しでも連鎖数が上回ると相手におじゃまぷよを飛ばすことができます。対戦であればメリットなのですが、生かさず殺さずで大連鎖を組みたいスコア大会においては相手を倒してしまい、連鎖を組む時間が減る原因になるので、なるべく同じ連鎖数で相殺することも大切になります。
また、序盤は自分の盤面を整理するために細かい連鎖を組むだけで相手が倒れてしまいます。相手を倒さないように、連鎖の発火点に使わない色も連鎖の尻尾に使い、できるだけ無駄なぷよを作らずきれいに連鎖を組む技術が必要となります。
さすがに終盤になると難易度が上がるのでクリアを目指す動きも出てきますが、今回参加していた「hov(どらぽん)」さんのようなトッププレイヤーは、最後まで大連鎖を組めるほどの熟練度。スコアも毎回100万点を超えていました。ほかの上級者も100万点超えを連発。一方、プレー歴が浅く、7連鎖ほどが限界の筆者は5万点(5ポイント)がせいぜい。格の違いがあります。
ひたすら「ぷよ通」
競技中、参加者はゲームに集中するためほぼ無言。会場は厳かな雰囲気に包まれます。会場には配信台が12台用意されており、配信に承諾した人が座りました。12台からの映像は1画面に集約されて配信されていました。12人のプレーの様子が映る画面は壮観。総合順位に応じて回ごとに配信台に座れる参加者も決まる仕組みで、スコア上位者が一目でわかります。
12画面を一度に見るのは大変なので、見どころはレンコンさんが軽快な実況とともに教えてくれます。プレーの様子だけでなく、テクニックや小ネタ、ぷよ通の歴史なども解説していたので、ラジオのように楽しむことができます。
並走の合間には、参加者同士での交流も盛んに行われていました。ぷよ通ファンからの参加者と、ほぼ毎月開催されているWACHA-WACHAの常連メンバーが思い思いに交流する姿は、まさにコミュニティイベントでした。
1時間を5回とあって、後半戦に入ってくると集中するのも難しくなってきます。多くの参加者がスコアに少しムラが出ているなか、安定して100万点以上をたたき出していたのがhov選手。自己ベスト154万と最高得点なのでハンデも77万と最大ですが、継続的に高スコアを獲得することで順位ポイントを稼ぎました。Fish1201選手や、べ~た選手も高得点で順位ポイントを積み上げます。
オンラインからの途中参加もあり、オフラインも合計して最終的に35人が参加。猛者がひしめくなかで総合優勝に輝いたのは、Fish1201選手でした。2位はべ~た選手、3位はhov選手でした。
それぞれ、120Hz対応24.5型ゲーミングモニター「GigaCrysta」、1Gbps対応Wi-Fi 6ルーター「WN-DAX4200GR」、スティックSSD(500GB)が賞品として手渡されました。また、開催地がアイ・オー・データ機器だったこともあり、「アイオー賞」として現地参加10位の砂選手がHDMI/アナログキャプチャー「GV-HDREC」を獲得しました。
また、高スコアの選手にとっては厳しい戦いだったことを考慮して、最高スコア賞、最初に100万点獲得賞、ブービー賞を用意。それぞれ、130万点以上を獲得したhov選手、べ~た選手、ぱと選手が受賞しました。
WACHA-WACHA二日目
2日目はぷよ通だけでなく、「ぷよぷよeスポーツ」や「ストリートファイター6」の対戦会を実施していました。前日の雰囲気とは打って変わって子ども連れの家族が訪れるなど和やかな空気が流れていました。
ぷよぷよ対戦会の部屋と、格闘ゲーム対戦会はそれぞれ別の部屋で開催していました。注目したのは持ち込み機材で遊ぶ参加者たち。各々が思い思いの機材を持ってくるなかでも、ひと際目に留まったのが、ファミコンやPS2、セガサターンなど懐かしのゲーム機を持ち込んでいた机でした。このほか、バーチャロンのレバーコントローラーを持参する参加者もいて、“濃い集まり”であることが一目でわかります。
アイ・オー・データ機器が“無償”で支援
驚いたことに、会場自体やディスプレイ、一部のゲーミングPCなど、貸会議室やレンタルの機材を使うと数万円はかかりそうな環境をアイ・オー・データ機器が無償で提供しているということです。加えて3人ほどの社員がスタッフとして常駐し、選手として参加したり、機材の相談に乗ったりと、コミュニティの一員として活動していました。前日の準備も行っているとのことです。
会場の前日準備こそアイ・オー・データ機器側の人員が行いますが、片付けや二日目がある場合は翌日の準備などは、参加者が総出で行います。コミュニティメンバーも長年のイベント参加経験から、コードの配線や机の移動といった準備や片付けはお手の物。場所や電源を借りることができる状況に感謝しながら撤収作業を進めていました。コミュニティリーダーのなかには、対戦会用の機材やプログラムを作成してくるほどのエンジニアもいました。善意が寄り集まって成り立つコミュニティベースに心が温まります。
アイ・オー・データ機器がこのようなことを実行できる理由はいくつかあります。一つは、コミュニティイベントとの出会い。金沢には以前からぷよぷよや格闘ゲームの対戦会があり、定期的に活動をしていたそうです。「Fighters Crossover」の話をきっかけにこうしたコミュニティともつながり、「北陸をゲームで盛り上げたい!」「北陸のゲーマーが【楽しめる空間】を共に創りたい」という思いで場所を提供。さらに門戸を開いた形にしたのが今のWACHA-WACHAです。
また、もともと土日祝日は社屋が稼働していなかったことも理由の一つ。「何かに使えるなら」と社屋を解放。WACHA-WACHAが始まった当初は本社ビルを使っていましたが、規模が大きくなってきたことを受けて、現在は第二ビルを利用しています。
ただ一方的に提供するばかりではジリ貧では?と思いきや、そうではありませんでした。イベントに参加した人が別の場所でイベントを開く際に「ギガクリスタ」を使ったり、参加者が発売前のデモ機のフィードバックを行ったりと、WACHA-WACHAをきっかけにギガクリスの輪が広がっているそうです。ほかにもギガクリスタのイメージキャラクターである「ギガクリシア」を生み出したlagさんともWACHA-WACHAを通じて出会うなど、コミュニティと支えあっていました。
今回のぷよ通スコア大会のように、WACHA-WACHAのなかで実施したいイベントを持ち込むこともできるとのこと。ぷよぷよやストリートファイター、鉄拳だけなく、1月にはリアルタイムアタックイベントも開催します。コミュニティが集まっているイベントではありますが、門戸が広く、排他的な雰囲気や閉塞感を感じないのも印象に残りました。今後もさまざまなイベントを開催していくとのこと。大きな可能性を秘めたWACHA-WACHAの将来が楽しみです。
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外部リンク
【楽しめる】を【共に創る】北陸のゲームコミュニティベース「WACHA-WACHA(わちゃわちゃ)」
https://www.iodata.jp/ssp/magazine/318/index.htm
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