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2025.08.28

「DPSチェック」とは?定義と論争になる理由、採用されているゲームを紹介

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 オンラインで共闘するゲームに関連する用語として、「DPSチェック」という言葉を見聞きしたことがある人は多いかもしれません。しかし、中にはDPSやDPSチェックの意味を知らないという方もいるでしょう。また、DPSチェックに関してトラブルが起きている情報などに触れて、「DPSチェックがあるタイトルには近寄りがたい」と感じることもあるかと思います。

モニターの前で頭を抱える女性


 そこで今回は、まずDPSとDPSチェックとは何かを解説したうえで、DPSチェックが実装されている理由を紹介し、DPSチェックに関する注意事項などをまとめます。

「DPSチェック」とは?

 「DPSチェック」とは、決められた時間内で敵に一定量のダメージを与えられなかった場合、パーティーが全滅(敗北)するようなゲーム内のシステムです。

 DPSチェックが実装されることには意図やメリットもありますが(本記事の「DPSチェックが存在する理由と採用されているコンテンツ」で解説します)、敗北の一因になることからDPSが低い人やジョブに対する批判が起きることがあります。タイトルによっては、パーティーを組むときに特定のジョブを歓迎しなくなるケースも。

 ちなみに、DPSチェックは「FINAL FANTASY XIV」や「モンスターハンター」シリーズ、「World of Warcraft」などの一部エンドコンテンツと呼ばれるものに実装されています。

そもそも「DPS」とは

 そもそも「DPS」とは「Damage Per Second」の略語で、1秒当たりに相手に与えるダメージを示す数値のこと。「秒間火力」と言われることもあります。たとえば、DPSが100の武器は1秒間で100のダメージを与えることができます。

 つまり、DPSは攻撃能力に関係する言葉であり、FPSやMMOなどの戦闘を伴うゲームにおいて、武器やキャラクターの攻撃能力を示す単位として用いられます。

 DPSはあくまでも平均値なので、DPS100の武器を1秒間使えば100ダメージが確定しているわけではありません。とはいえ、武器やキャラクターを選ぶ際の指標にはなるので、ぜひこの機会に意味を覚えてみてください。

 また、DPSが与ダメージ値を示すことから、火力を出して敵のHPを削ることに特化したジョブやロール自体をDPS、DPS職と呼ぶこともあります。

 DPSについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

【ゲームにおける「DPS」とは?意味や注意点をわかりやすく解説!】

DPSチェックが存在する理由と採用されているコンテンツ

 DPSチェックが実装されているタイトルであっても、すべての戦闘でDPSチェックが行われるわけではありません。基本的にDPSチェックが行われるのは、高難易度コンテンツやエンドコンテンツ(メインクエストなどをクリアした人向けの上位コンテンツ)です。これらのコンテンツは、火力が高い装備をしっかりそろえていることや、取るべき行動を理解し実行できることなど、ある程度のレベルに達した人が挑むことを前提としています。

 つまり、DPSチェックが実装されているコンテンツ自体がやりこみ要素のひとつであり、DPSチェックはその難易度を支える条件のひとつなのです。「自分自身が常に高いDPSを維持しているのに、パーティーメンバーにDPSが低い人がいるとクリアできない」と腹が立つこともあるかと思いますが、それ自体がやりこみ要素の一種であり、クリアできた時の達成感につながるシステムと理解するとわかりやすいでしょう。

DPSチェックが存在する代表的なゲームタイトル

 ここでは、DPSチェックを実装している代表的なタイトルを紹介します。

FINAL FANTASY XIV

 「FINAL FANTASY」は日本のRPGの金字塔であり、世界に知られるスクウェア・エニックスの代表作です。そのナンバリングタイトルのひとつであるFINAL FANTASY XIVは、MMORPGとして一部コンテンツにDPSチェックを実装しています。

 FINAL FANTASY XIVでDPSチェックが実装されているのは、主に「極」「零式」「絶」と呼ばれる高難易度バトルコンテンツです。DPSチェックを乗り越えるために最新の装備やバフ効果をもたらす食事・薬を用意するのももちろん大切ですが、FINAL FANTASY XIVではそれらに加えてスキルの使い方(回し方)やギミックに対する理解も重視されます。

 FINAL FANTASY XIVはプレイヤー数が多く、「極」「零式」「絶」は定期的に新しいものが実装されることから、実装されるたびにDPSチェックは大きな話題になります。それだけ影響力の大きいシステムでもあると言えるでしょう。

モンスターハンターシリーズ

 「モンスターハンターシリーズ」も、FINAL FANTASY XIVと並んでDPSチェックが話題になりやすいタイトルとして知られています。主に敵モンスターの強化状態を解除するために、時間内に一定ダメージを与えなければならないシチュエーションなどが該当します。

 モンスターハンターの場合、DPSは攻撃力だけでなくモーション値やモンスターの肉質によって大きく変わります。そのため攻撃力をアップしても、モーション値が低いアクションをしていたり、ダメージを与えにくい部位を狙っていたりするとDPSが上がりません。これらを踏まえて、ダメージを与えやすいアクションやモンスターの肉質を考慮した攻撃を行うことが求められます。

 また、DPSチェックが行われる制限時間内に回復などに時間を取られて攻撃の手数が減ることも、DPSを維持する上で大きな問題です。そのため、そもそもダメージを受けない立ち回りも必要になります。

World of Warcraft

 「World of Warcraft」はアメリカのブリザード・エンターテイメントがリリースしているMMORPGです。2004年にリリースされたタイトルでありながら、2025年現在も高い人気を得ています。また、FINAL FANTASY XIVの開発に大きな影響を与えたタイトルとしても知られています。

 World of WarcraftにもDPSやDPSチェックの概念があり、FINAL FANTASY XIVと比較される場合もあります。

DPSチェックが原因でトラブルに?論争になってしまう理由

ゲームコントローラーを持って顔をしかめる男性


 DPSチェックを実装していることが、プレイヤー間のトラブルに発展することもあります。この項目ではその理由を解説します。

コンテンツの難易度が上がるため

 まずシンプルな理由として、DPSチェックがコンテンツクリア失敗の直接的な要因となることが挙げられます。そもそもDPSチェックは、本記事の「DPSチェックが存在する理由と採用されているコンテンツ」で解説したように、エンドコンテンツのやりこみ要素として実装されるので、容易にクリアできないのはある意味仕方ないと言えます。

 しかし、誰しもうまくいかないことにはストレスを感じたり腹が立ったりするので、DPSチェックの存在自体が怒りの原因になることもあるようです。

タイトル(コンテンツ)によっては明確な数値が出ておらず改善点がわかりづらいため

 タイトルやコンテンツによっては、DPSチェックがあることがわかっていても、パーティー内の誰がどの程度のDPSを記録したのかまではわからない場合があります。この場合、DPSがどの程度不足していたのかがわからず、また誰の貢献度(実力)に問題があるのかを確認しにくいため、モヤモヤしてしまう例も見られます。

他責思考に陥りやすいため

 多人数で協力して敵を討伐するコンテンツにおいて、パーティー内にDPS値が一定レベルに達していない人がいるとクリアできないケースがあります。この場合、貢献できなかったプレイヤーに暴言を吐く人がいたり、親切心からアドバイスをしても受け手が非難されたと感じて口論になったりするのもDPSチェックに関して起こりがちな問題です。

コンテンツによっては好きなジョブ・武器から離れなければならない場合があるため

 ゲーム内にはさまざまなジョブや装備があり、それらを選ぶのも大きな楽しみです。しかし、ゲームにはどうしても調整上優遇されている・されていないジョブや装備が存在し、結果として攻撃力が低いものが避けられることもあります。

 なかには好きなジョブや武器が調整上不遇であることから、自分の好みではなくとも数値的に有利な選択をせざるを得ない場合もあります。このように、ゲームの自由度が奪われるのもDPSチェックがあるからこその問題です。

DPSチェックをクリアするために心がけたいこと

ゲーミングPCの前でガッツポーズをする男性


 この項目では、DPSチェックがあるコンテンツを楽しむために心がけたいことを記載します。

自分が使っているジョブや武器の操作精度を磨く

 DPSは時間中に敵に与えるダメージの大きさを示すものです。最適な立ち回り(スキル回し)ができなかった場合、できなかった時間の分、DPSは低下してしまいます。装備やバフアイテムである程度フォローはできますが、何よりも適切な操作精度がDPSに直結すると言っても過言ではありません。

 例えばFINAL FANTASY XIVの場合、ゲームのシステム上約2.5秒に1回スキルが使えるようになるため、手を止めることなくスキルを使い続けているか否かでDPSは大きく変わってきます。

DPSやバトルそのものに関する知識を身につける

 DPSチェックをクリアするためには、そもそもDPSがどのような変数で上がるのかを知っておくことが欠かせません。

 例えばモンスターハンターシリーズの場合、DPS値は基礎攻撃力×モーション値×切れ味補正×会心補正×武器補正×肉質という6種類の要素で決定されます。これを理解していれば、ひとつの要素にこだわるより複数の点に目を向けた方が効率的にDPSをあげられることが理解できるでしょう。

推奨されている装備や消耗品の用意をする

 各タイトルのDPSチェックについて調べてみると、上位者が推奨する装備や消耗品の情報が得られます。内容によっては装備を使用する理由や、消耗品を使うタイミングまで説明されていることもあります。イメージや好みで装備などを選ぶよりも根拠をもって選定した方がDPSチェックをクリアしやすいでしょう。

【まとめ】DPSチェックはエンドコンテンツに高確率でついてくる要素!しっかり対策しよう

 DPSとは一定時間内に敵に与えるダメージ量であり、DPSチェックはDPSが一定値に達することでコンテンツをクリアできる仕組みです。DPSチェックはエンドコンテンツに実装されることが多く、開発側としてはクリアを難しくすることで、クリア時の達成感を演出する要素として採用しています。

 その一方で、DPSチェックが厳しいタイトルやコンテンツは、批判の対象になったり、プレイヤー間でトラブルが起きたりもします。タイトルごとのDPS値の上げ方を理解すると、トラブルを回避しやすくなるので、ぜひ本記事を参考にして、DPSチェックのクリアを目指してください。

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