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2025.09.05

ゲーミングPCと家庭用ゲーム機、どっちを選ぶ?それぞれおすすめの人とは

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 ゲームをプレイするために新たなハードウェア購入を考える場合、ゲーミングPCと家庭用ゲーム機のどちらが良いか、悩むことがあると思います。以前はハードウェアごとにプレイできるゲームとできないゲームがあったため、プレイしたいタイトルで決める傾向がありましたが、近年はクロスプレイできるタイトルが増えたため状況が変わってきました。

モニターの前で手を挙げる男性


 そこで今回は、ゲーミングPCと家庭用ゲーム機のそれぞれの強みを解説していきます。ぜひ新たなハードウェア購入の際の参考にしてください。

ゲーミングPCが持つ強み

 まずは、ゲーミングPCがもつ強みを解説します。

家庭用ゲーム機以上のスペックでゲームのクオリティを引き出すことができる

 家庭用ゲーム機は、スペックの選択肢が少ないですが、PCはメーカーや機種が豊富でスペックの選択幅が非常に広いことが特徴。家庭用ゲーム機以上のスペックを用意することができます。

 近年はグラフィックボードの進化が激しく、画像の水準が頻繁にレベルアップしていますが、家庭用ゲーム機にはパーツ交換でスペックをアップする概念がないため、その恩恵を受けられません。一方、パーツの追加や交換が可能なゲーミングPCなら、変化の波を追いやすく最新技術を取り入れられるメリットがあります。

 グラフィックボードを新しくすると美しい画像を堪能できるだけでなく、描画速度や動作のなめらかさが向上します。そのため、FPSや格闘ゲームなどスピードが勝敗を左右するジャンルで優位に立てる利点も考慮すべきでしょう。

複数のゲームプラットフォームのタイトルを遊ぶことができる

 PCならSteamやEpic Gamesストアなど、複数のゲームプラットフォームを利用できるので、さまざまなタイトルを楽しみやすいメリットがあります。

 また、各プラットフォームでは頻繁にセールが行われており、ゲームを安く入手できるチャンスが豊富。できるだけ安く、より多くのタイトルをプレイしたいなら、PC環境がおすすめです。

さまざまな周辺アクセサリーでゲームプレイを充実させられる

 PCはマウスやキーボードを使用でき、機器の選択も自在なので、自分好みの周辺機器でゲームのプレイ体験を充実させることができます。

 これまで、ゲームパッドを使用した家庭用ゲーム機でのプレイが中心の人にはキーボードとマウスでプレイするのは難しく感じるでしょうが、PCに対応したパッドも数多く販売されているので心配不要です。

MODなどを入れることができる

 PCでゲームをする場合、MODを入れることができるという大きなメリットがあります。MODとは、ゲームデータを改造し楽しみ方の幅を広げるためのプログラムのことで、modification(修正や調整 の意)という英単語に由来します。

 MODを導入すると、ゲームのシステムデータにアクセスしてシステムの変更やコンテンツの追加、グラフィックの変更などができます。また、開発元が対応してくれない不具合を修正したり、ゲームバランスを調整したりもできるため、使い方によってはゲームの快適性が上がるのが特徴です。中には、ほとんど別のゲームに見えるほど変更を行う例もあります。

 日本は海外と比べてMODの利用数が少ない傾向にありますが、世界的に有名な「PUBG」はMODから生まれたタイトルですし、「マインクラフト」や「FINAL FANTASY XV」はMODが盛んなタイトルとして知られています。

 このようにPCゲーム界隈では一般化しているMODですが、家庭用ゲーム機はさまざまな制約からMODを導入することができません。そのため、MODの利用はPCでゲームプレイするスタイルならではの利点です。

 MODについて詳しく書いた記事がありますので、ぜひ以下もご参照ください。
ゲームの「MOD」とは?概要や注意点などをわかりやすく解説!

 なお、MODはゲームの開発元が了解していても、開発元がトラブル対応までしてくれるわけではないので、導入は自己責任の範囲で行う必要があります。

ゲーム実況(配信)を考えている場合は全て一つで完結できる

 ゲーム実況(配信)を考えているのであれば、家庭用ゲーム機よりゲーミングPCがおすすめです。PlayStation4と5は実装されているストリーミング機能を使って配信することができますが、配信の画質やレイアウトの調整能力、拡張性といった性能が高いとは言えません。簡易的に配信をしてみるには問題ないですが、画質や内容にこだわりたい場合は配信用にPCを導入することになりがちです。

 また、Nintendo SwitchはPlayStation4や5のように配信機能がありません。そのため、キャプチャーボードなどをそろえる必要があります。

 一方ゲーミングPCであれば、配信用のソフトを使うことができるので、クオリティが高い配信を提供できます。これらの点を踏まえると、ゲーム実況を考えている人にはゲーミングPCがおすすめです。

家庭用ゲーム機が持つ強み

家庭用ゲーム機とコントローラーのイメージ


 この項目では、家庭用ゲーム機ならではのメリットを紹介します。

ゲーミングPCを買うよりも安価な傾向にある

 ゲーミングPCは比較的安いものでも100,000円ほどしますし、「ストレスなくゲームを楽しみたい」、「FPSや格闘ゲームで勝敗にこだわりたい」と思うのであれば、150,000~200,000円程度の出費を考えるべきです。

 一方、PlayStation5の公式サイトを見ると、PS5標準機は2025年9月現在で希望小売価格7万9980円、4K対応のPS5 Proが希望小売価格11万9980円と紹介されています。また、Nintendo Switchの公式サイトでは、希望小売価格3万2978円、Nintendo Switch 2の公式サイトでは希望小売価格4万9980円と記載されています。

 これらの情報を総合すると、「安価にゲームを楽しみたい」と思うのであれば家庭用ゲーム機がおすすめです。

 ちなみに本記事の後半にある「【補足】PS5と同等の性能を持つゲーミングPCを買うといくらになる?」の項目では、PS5に相当するゲーミングPCの価格を算出していますので、そちらもぜひご確認ください。

その家庭用ゲーム機でしか出ていない独占タイトルを遊ぶことができる

 家庭用ゲーム機にはそのハードウェアでしかプレイできない独占タイトルがあります。例えば2025年9月現在、「アストロボット」、「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」などのタイトルはPS5でしかプレイできず、10月に発売予定の「Ghost of Yotei」もPS5独占となります。

 またNintendo SwitchやSwitch 2にも、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」 や「スプラトゥーン3」など、他のハードウェアではプレイできない任天堂タイトルが多数存在します。

 独占タイトルは発売からある程度の期間が過ぎると、Steamなどで入手してPCでプレイできるようになるものもあります。とはいえ、独占タイトルがいつ解禁になるかはわかりません。「話題のタイトルを最新のうちにプレイしたい」と思うのであれば、対象のゲーム機を入手するしかないのが実情です。

複雑な設定などをせずに遊べる

 多くの場合、PCは入手直後に初期設定を行う必要があり、ゲームをプレイするまでにある程度時間がかかります。家庭用ゲーム機にもインターネット接続や言語設定、ユーザー名の登録などの初期設定は必要ですが、PCに比べると簡単ですし、短時間で終わります。

 PCの設定に慣れていればストレスは少ないでしょうが、PCの扱いに慣れない人にとっては緊張感が伴います。その点でもゲーム機の方が気楽に扱える、と感じる人が多いのではないでしょうか。

 PCは汎用性が高くゲーム以外に多数の用途で使うものなので、操作や設定が複雑なのは無理のないことです。一方、家庭用ゲーム機は基本的にゲームをするためのハードウェアなので、扱いがPCよりシンプルなメリットがあります。

ゲーミングPCの購入がおすすめの人

ゲーミングPCのイメージ


 ここまでの記述でゲーミングPCと家庭用ゲーム機のそれぞれのメリットを解説し、どちらにも良い点があることが確認できました。そのためどちらか一方が圧倒的に良いとは言えず、ライフスタイルやゲームとの付き合い方によって向いているものを選ぶ方が得策です。

家庭用ゲーム機よりゲーミングPCの購入がおすすめの人
・お金や手間をかけても画像にこだわりたい
・動作がカクつくのは避けたい
・PC用語やPCのメンテナンスに抵抗がない
・対戦の際、ハードの性能差で負けるのに耐えられない
・高画質でゲーム実況をしたい
・Steamなどのセールでゲームを買うのが楽しい
・MODに魅力を感じている
・プロのeスポーツプレイヤーを目指している

家庭用ゲーム機の購入がおすすめの人

この項目では、家庭用ゲーム機が向いていると思われる人の特徴を紹介します。

ゲーミングPCより家庭用ゲーム機の購入がおすすめの人
・ずっとゲーム機でプレイしてきたのでPCに抵抗がある
・独占タイトルは発売初期にプレイしたい
・少しくらい動作がカクついても気にならない
・PCにお金を使うより、その分ゲームを買いたい
・PCの設定や保守が苦手
・ハードの性能の違いが戦力の決定的差とは思っていない

【補足】PS5と同等の性能を持つゲーミングPCを買うといくらになる?

電卓のイメージ


 この項目では、PS5と同等の性能をもつゲーミングPCを購入するといくらかかるかを解説します。

 PlayStationサポートの「ハードウェアの取扱説明書」にアクセスし、PS5の「セーフティーガイド」を見ると、以下の基本仕様を確認できます。

Main Processor
Single-chip custom processor
CPU:x86-64-AMD Ryzen "Zen2" 8 cores/16 threads
GPU:10 TFLOPS AMD Radeon RDNA-based graphics engine

メモリ
GDDR616 GB

ストレージ
1TB Custom SSD

 上記の情報から、CPUは「AMD Ryzen 7 3700X with Wraith Prism cooler 3.6GHz 8コア / 16スレッド」と推測可能です。この商品は2025年9月現在、約3万8000円 で販売されています。

 続いてGPUは上記の記述にあう市販品が見当たらなかったため、「RTX3050」と仮定、この商品は2025年9月現在、約3万円 でした。さらにSSDは1TBで容量だけなら数千円でも購入可能ですが1万5000円程度とします。マザーボードも平均的なもので1万3000円、メモリは16GB分で約1万円、その他ケースやOSで3万円程度必要と仮定して、合計は以下の通りです。

・CPU:3万8000円
・GPU:3万円
・SSD:1万5000円
・マザーボード:1万3000円
・メモリ:1万円
・ケース、OS等:3万円
合計:約13万6000円

 上記は本体だけの価格なので、ゼロから一式そろえるならゲームパッドやモニタ、キーボードやマウスなども買う必要があり、最低でも15万円はかかるでしょう。

 市場に流通する量産商品と単品製作品の違いがあるので単純比較は難しいですが、洗練されたデザインとコンパクトさを兼ね備えたPS5が約80,000円で入手できるのは、コスパ的に良好と考えてよいでしょう。

 またその一方で、PCユーザーの目から見ると、「拡張性や汎用性を考えれば、倍の値段でもゲーミングPCは購入価値がある」という結論もあるかと思います。

【まとめ】ゲーミングPCと家庭用ゲーム機にはそれぞれ強みがある!

 ゲーミングPCと家庭用ゲーム機にはそれぞれに優れた点があるため、一概に優劣を語れるものではありません。

 結局、買う人が何を求めているか、どんなゲームライフを送っているかが選択のカギとなるので、まずは自分が求めるものを整理することが重要です。新たなハードウェア購入の際は、ぜひ本記事を参考にして、後悔のない買い物をしてください。

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